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イヤイヤ期もかわいくてかわいくて。2歳の里子に思うこと<古泉智浩の養子縁組やってみた>

2020.09.28
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51歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した6歳の長男・うーちゃん、里子の2歳の長女・ぽんこちゃんという家族5人で暮らしています。
今回は、意外なところで子どもの成長を感じた話です。

2歳児のぽんこちゃん。イヤイヤ期であれもこれもイヤなんです!

里子の女の子、ぽんこちゃんは2歳とちょうどイヤイヤ期とのことで、これまでもオムツを交換しようとすれば逃げ、お着替えは上着を足に履きたがり、お風呂も逃げるなど充分イヤイヤ期のようでしたが、本格的にこれまで以上にいろいろ嫌がるようになりました。

●怒りんぼのぽんこちゃん。怒っていてもかわいい!

ある日あまり甘くないリンゴを、おばあちゃんがレンジでチンしてくれました。

「あっちぃ」「あっついよ!」

熱くて食べられないと言って怒ります。お椀からお皿に並べて冷ましてあげると、こんなのは嫌だと言って元々の熱したお椀の方から食べようとしてまた熱いと言って怒ります。

「だからお皿に載せて冷ましてるんでしょ」
「あっついよ!」

切り分けたり、小分けするのが嫌いなようで、食パンを短冊のように縦に4つに切って出すと怒って食べません。

「おっきいのがいいの!」

そう言ってお皿を足で蹴ります。「おっきいの」とは切り分けたり小分けしていない状態のことを指します。

「ふんっ」そうして怒っていたときに、お腹の横に手を当ててひじを張って「ふん! ふん!」と言いながらリビングを練り歩いていました。漫画のような怒り方で、動画を撮りたかったです。

ぽんこちゃんが怒って歩いている様子を車の運転中に思い出して笑っていたら、「なに?」とチャイルドシートのぽんこちゃんに聞かれてしまいました。まさか、ぽんこちゃんが怒っていたのがおもしろかったなどと言えません。

「なんでもないよ」
「なに?」
「なんでもないよ」
「なに?」

誤魔化していることを察知したのか「なに?」と追及が止みません。家に着くまでずっと「なに?」「なんでもないよ」がエンドレスで続きました。

●「パパいって!」泣き出したぽんこちゃんに、古泉さんは…?

夜はおばあちゃんの寝室で、おばあちゃんの寝る支度がすむまで僕がぽんこちゃんと一緒に寝ています。

「パパいやだ、おばあちゃんがいい」
「パパがいいでしょ」
「パパいやだ、おばあちゃんがいい、パパいって」

そう言って、隣で寝ている僕を足で押して布団から出そうとします。

「じゃあパパもう2階に行くよ」
「うん、いって」

本当に部屋を出て行くことにしました。しかし、一人にさせるわけにはいかないので、廊下からそっと部屋の中を覗いていました。
すると、枕に頭を載せて布団をきれいに体に掛けて仰向けに寝ています。ふだん滅茶苦茶な寝相で布団を体にほとんど掛けることなく、お腹を出して寝てばかりいます。見事な姿勢だと感心していると、

「おばーちゃん」「ふえっ、ふえっ、おばあちゃん」

と泣き出しました。布団から体を起こして部屋の出口に向かって来るので、僕はさっと身を隠そうとしたらふすまを蹴ってドンという大きな音がしました。
ぽんこちゃんはビクッとして立ち止まり、僕も息をひそめて暗がりで動かずにいました。ぽんこちゃんがまた歩きだし、出口から出て来たので「わっ!」と言って驚かしました。

「わあっ!!」「わーっ!」
ぽんこちゃんが叫んでその場でちょっと飛び上がりました。それがとてもおもしろくて笑うと、ぽんこちゃんも笑いました。

「ぶっくりした~」
ぽんこちゃんは「びっくり」を「ぶっくり」と言います。

「ごめんね、おばあちゃんが来るまで一緒に待ってよう」
「うん」

その後は、パパをいやだとは言わずに一緒に布団で寝ておばあちゃんを待ちました。

【古泉智浩さん】

漫画家。1969年、新潟県生まれ。93年にヤングマガジンちばてつや賞大賞を受賞してデビュー。里子を受け入れて生活する日々をつづったエッセイ『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門』、その里子と特別養子縁組制度をめぐるエピソードをまとめたコミックエッセイ『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました』など著書多数。古泉さんの最新情報はツイッター(@koizumi69)をチェック!

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