収納には「開き直り」が大事!ストレスゼロの人と悩みがちな人の境界線とは?
2018.01.10
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テレビや雑誌では、すっきり片づいたホテルのような部屋に暮らす家庭が紹介されています。そんなお宅は確かにすてきでうらやましいのですが、自分と比較して「できていない自分はダメだ」と落ち込むのは早計。
「片づけや収納が好きで得意な人は、もちろん存分に取り組んでもらってよいのですが、そうでない人が身の丈以上の片づけに必死に取り組んでいては、気の休まるときがありません」
そう警鐘を鳴らすのは、精神科医の奥田弘美先生です。「こうした『過緊張』状態が続くと、ストレスがたまり、家族仲も悪くなってしまいます」と続けます。

「開き直り収納」と「ストレス収納」の分かれ道

じつは考え方を少し変えるだけで、収納にまつわるストレスは格段に減らすことができます。「苦手なことはやめる、見た目よりも使いやすさを重視するなど『開き直る』ことで、収納も心もラクになりますよ」と奥田先生。ここでは、片づけに関する考え方が真逆の2人を例に、日常よくあるシーンでそれぞれどのような思考で行動しているのか、見ていきましょう。

収納ストレスに悩むA子さん

【登場人物その1:収納ストレスに悩むA子さん】
雑誌で見た美しく片づいた部屋に憧れ、数々の収納法にトライ。子どもが小さくて手がかかり、思うように片づけに時間がとれず、イライラ気味の日々です。

開き直り収納でストレスゼロのB子さん

【登場人物その2:開き直り収納でストレスゼロのB子さん】

家の中にものが多く、片づけ下手を自認しているが、常識にとらわれない収納術で「ほどよい片づけ状態」をキープ。忙しくも楽しい日々を送っています。

●A子さん:オモチャがリビングに出しっぱなし

オモチャがリビングに出しっぱなし子ども部屋からリビングへオモチャを持ってきて遊ぶ娘。終わったら片づけてと言っても、いつも出しっぱなし…。それを見てまたイライラしてしまいます。

●B子さん:リビングにオモチャを入れる専用の箱を用意

リビングにオモチャを入れる専用の箱を用意小さな子でも片づけられるようにと、リビングに箱を用意。キャスターつきなら、掃除のときもラクに動かせます。

●A子さん:収納ボックスを購入してやる気だけ満々

収納ボックスを購入してやる気だけ満々雑誌などで人気の収納ボックスを購入。せっかくお金をかけたんだから、今日こそ一気に片づけなきゃ…! と思うものの、結局時間がなくて手が出せずじまい。

●B子さん:家にあるものを収納アイテムに使えば安上がり

家にあるものを収納アイテムに使えば安上がりショップの丈夫な紙袋は、丸めたタオルなど立てて入れたいものの収納に意外とぴったり。なんでもかんでも収納アイテムを買う必要はないと、手持ちのものを利用して、できる範囲で整理をしています。

●A子さん:細かいものは分類して丁寧にラベリング

細かいものは分類して丁寧にラベリング片づけ上手な人がやっている「ラべリング」。どこになにがあるか、家族みんながわかるように、自分もラベリングしなきゃ!と思っても、意外と時間も手間もかかるし、パズルみたいで大変です。

●B子さん:小物は使う場所に分散した方が散らからない

小物は使う場所に分散した方が散らからないよく使うペンなどの小物類は1か所に戻すルールや仕組みにしておくと、かえって面倒で続かないもの。置き場所を分散させて、実際にものを使う場所を、そのものの居場所にしたら、元に戻すのがラクになります。

●A子さん:片づけの途中に突然の来客で大あわて

片づけの途中に突然の来客で大あわて近所のママ友がおすそ分けを持って突然来訪! 片づいてないのに見られたら恥ずかしいからと「今日はムリ!」と断ってしまうことも…。

●B子さん:お客さまが来たら部屋には上げずに玄関先で

お客さまが来たら部屋には上げずに玄関先で人を家の中まで招くのをやめれば、片づけなければならないレベルがグッと下げられます。ただし、玄関だけはしっかりときれいにして、突然の来客はここだけで対応します。

●A子さん:子どもにもきちんと片づけを教えたい

子どもにもきちんと片づけを教えたい新しい収納ボックスを娘に与え、増えているオモチャをきちんと片づけるよう指導しても、あまり聞いてないようでまたイライラ…。

●B子さん:日常のものほど子どもでもできるシンプルな収納方法で

日常のものほど子どもでもできるシンプルな収納方法で普段みんなが使うものは、しまい込まずにわかりやすい場所に置くように変更。子どもがよく手伝ってくれて助かるようになりました。

●A子さん:食器を棚にしまいたくて四苦八苦

食器を棚にしまいたくて四苦八苦食器は洗ったらしまうようにしていますが、棚がいっぱいだと、いちいち出し入れに苦労してしまいます。隙間を見つけて無理やり入れる始末。

●B子さん:よく使うツールは洗ったらそのまま出しっぱなし

よく使うツールは洗ったらそのまま出しっぱなし調理のたびに必要なまな板や菜箸はすぐまた使うので、しまわなくてもシンク上に濡れたままつるしたってOK!

●A子さん:一日かけても片づけが終わらず気づけば夜

一日かけても片づけが終わらず気づけば夜家事に追われていて、あっという間に夜になってしまう毎日。今日も片づけられずに夫が帰ってきてしまいました。「こんなにがんばっても終わらないなんて、自分はダメだ」と落ち込んでしまいます。

●片づけに追われることがなく、家族の時間が充実

片づけに追われることがなく、家族の時間が充実自分のペースで家事が進められるような収納なら手間がかからないし、家族団らんの時間もたっぷりとれて充実した日々を送っています。

インスタや雑誌で紹介されている片づいた部屋を見て、自分の家はまだまだ、と感じてしまうことはあるでしょう。でも、それと家族にとっての居心地よさはまた別の話です。
「片づけの真の目的は、たったの3つ。『健康のため清潔・安全を維持すること』『ものを紛失しないこと』『欲しいものがすぐに取り出せること』。これさえクリアできていれば、ものが出ていようが、生活感あふれようがかまわないじゃないか、と開き直ることで気持ちは一気にラクになれますよ」
ゆるいくらいのほうが、人は意外にリラックスできるもの。家族みんなが本当にくつろげる空間づくりを目指したいですね。

●教えてくれた人
【奥田弘美先生】

精神科医、産業医として日々多数のビジネスパーソンの心身のトータルケアを行う。著書に『精神科医が考えた忙しすぎる人のための「開き直り」の片づけ術』(光文社刊)など

<イラスト/伊藤美樹 取材・文/ESSE編集部>

精神科医が考えた忙しすぎる人のための「開き直り」の片づけ術


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