
SNSを参考に、収納や片づけをがんばっていませんか? でも、あれこれ収納のために手を加えたことが、むしろ家を片づけにくくしていることも多いのです。とくにものが多くなりがちなキッチンは、「やらない」ことを決めると効果的。
片づけや収納にかかる手間を「やめる」ことで、すっきりしたという読者のキッチンを見せてもらいました。

「やめる」という判断で、家族も自分もラクな家になる
3人の子育てとフルタイムの仕事をこなしながら、すっきりとした空間を保っている伊藤由維さん。その極意は、「管理や手間が煩わしいことや、家族が面倒に思うことはやめる」こと。
その結果見えたのは、自分の目指すべきゴール。「掃除のしやすさ」と「続けやすさ」を軸に考えたら片づけの迷いがなくなり、心地よく暮らせる家になりました。
「三女が生まれてからものが増え、見た目にこだわっている場合ではなくなって…。わかりやすいラクな収納。これがいちばんでしたね」
●保存容器はガラス製だけに
プラスチックの保存容器はにおいや色が移りやすく、手入れが面倒。ガラス製なら食器感覚で使えて、常備菜などもそのまま食卓に出せます。
「サイズは大中小があれば十分。100円ショップとiwakiのガラス容器を使っています」
●水きりカゴはプラスチック製をやめて竹カゴにする
朝はバタバタで、洗った器をふいて収納までできない日も多いもの。
「でも、おしゃれな竹カゴなら放置したままでも罪悪感がありません」
竹カゴは2個を使い回して、カビを予防。普段はレンジフードにつるして、飾りながら乾かしています。
●ゴミ箱はたくさん置かず、1か所に集約
数が多いと回収の手間も増えるので、ゴミ箱はキッチンのカウンター下の1か所に集約。
「細かいゴミが出る洗面所は、ビニール袋を常備して簡易ゴミ箱に。寝る前に袋ごと捨てています」
●キッチンツールは細かく仕切らない
「ひとつずつ仕切られたきれいな収納に憧れていたけど、子どもが使ったらすぐグチャグチャ。それなら、2分割のざっくり収納でいいかと見直しました」。
よく使うものを手前にし、数は増やさないルールで探しやすくしています。
●「全部手づくり」はやめる
「つくり慣れていない料理に挑戦しても家族にはイマイチ不評…。手づくりにこだわるのはやめました」。
お菓子づくりは失敗の少ないホットケーキミックスを使ったものだけにしています。
●25cmと15cmの大小のお皿があればなんとかなる
食器は必要以上にもたず、2種類の器を中心に活用しています。
「朝と夜は、25cmのアカシア材の木皿にワンプレート盛り。ほかに15cmの白い皿があればどんな料理にも対応できます。木皿は乾きが早いので、食器洗いもラクになりました」
●フライパンは鉄製に限定
「お試しで求めやすいニトリのものを使ってみたら、思ったより手入れが簡単。これなら長く使える、と思えたので、フッ素樹脂加工から買い替えました」
管理しやすいよう、フライパン類は、最大5個までと決めています。
●ラベルは手書きでOK
「ラベルライターを使ってラベルをつくっていたのですが、中身が変わるたびつくり直すのが面倒で…。壊れたのを機に、マスキングテープとペンにしました」
<撮影/山川修一 取材・文/ESSE編集部>