断捨離=捨てればいい、じゃない!提唱者が語る本当の意味
2019.03.02

数年前から世間に広まり、たびたびメディアにも取り上げられるようになった「断捨離」。

提唱者のやましたひでこさんは「断捨離=捨てることではありません」と話します。正しいものとの向き合い方、空間の捉え方を教えていただきました。

女性ベンチシートに座る
断捨離は、単に捨てることではありません

やましたひでこさんが語る。「断捨離」で片づけの悩みを解消!

●断捨離=捨てることではありません。自分の人生を生きるためのメソッドです

「断捨離すればものが減り、家が片づく。これは間違いないことですが、そこで終わりと思っている人がまだまだ多いんです。断捨離でいちばん大切なのは、捨てることより自分を見つめ直すこと」とやましたさん。

「そのものをどう使いたいか、本当にもちたいのかという心の声に耳を傾け、自分で判断して始末をつけていく。自分自身の価値観、すなわち『自分軸』で考えることで、より自分らしい生き方を選べるようになります」

自分らしさとはなにかを発見すること。それが断捨離を行う本当の意味なのです。

●ものの数に正解はない。ひとつでも手放せたらそれで十分意味がある

断捨離の姿勢は、できたことを評価する「加点法」が基本。ごく簡単なことの積み重ねで、自分に自信をつけていくことが、片づけ初心者にとっては必要だと、やましたさんは語ります。

「片づけようと意気込む必要はありません。分類や区別も気にせず、まずは捨ててみる。その一歩が次の行動につながります。比べるのは、他人ではなくこれまでの自分。昨日よりひとつものが減らせたら、それでいいんです」

よく誤解されがちな、ミニマリストとの違いも正にそこにあるのだそう。

「ミニマリストは最小限で暮らすというマインド。断捨離は空間に対する最適量ですから、捨てればいいという思想ではありません。数量の決まりもないし、捨てない選択もあるのです」

●日常の空間づくりにこそ美意識をもつことが大切です

ものがあふれた状態を脱し、部屋が整ってくると、もともと備わっていた美意識が目を覚ましてくる、とやましたさんは言います。

「ほとんどの人は、きちんと整えられた空間を快適と感じます。その欲求は人の本能ですから、日常を過ごす部屋も心地いい状況をつくりたくなってきますよ。たとえば、冷蔵庫の扉にベタベタとメモをはりつけている状態は美しくない。カラーボックスをむやみに増やしても、洗練された住まいにはならない。そんなことも、ごく普通に気づくようになります。片づけたあと、どんな住まいで暮らしたいか。憧れの住空間をイメージする力も、断捨離は授けてくれるのです」

アクセサリー収納やましたさんのお宅のアクセサリー収納。
箱にお気に入りの布を敷き、アクセサリーをひとつずつ並べただけで絵画のような美しさに。ものが引き立ち、あけるたびに気分が上がります。

※断捨離はやましたひでこさんの登録商標です

<撮影/山田耕司 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【やましたひでこさん】

早稲田大学在学中に出合ったヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を日常の「片づけ」に落とし込み、だれもが実践できる自己探訪メソッドを提唱。近著は『捨てる。引き算する勇気』(幻冬舎刊)

捨てる。引き算する勇気 捨てる。引き算する勇気


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