まな板やスポンジにカビ・細菌が…キッチン掃除のポイント
2019.05.28

気温と湿度が上昇するこの時期、カビ・ダニが活発になります。とくにキッチンなどの水回りは増殖しやすく、口に入れるものなのでかなり気になりませんか?
そこで、カビ・ダニ博士の川上裕司さんが、ESSE読者Hさんのお宅にお邪魔して、カビ・ダニが繁殖しやすく、見落としがちな場所を徹底チェック! 予防と対策については掃除のプロ・高橋敬子さんに教わってきました。

助けて! キッチンまわりは洗ったつもりでもカビや菌が大繁殖!

<冷蔵庫>野菜クズや手アカが栄養源に。低温でも油断大敵

カビは低温でも死滅せずに繁殖
冷蔵庫は隠れたカビの温床
まずは冷蔵庫をチェック。100平米当たり、野菜室は7個、ドアポケットは700個のアオカビを検出しました。「野菜室は、数は多くありませんが、食品汚染の原因になるカビなので危険です」と川上さん。

冷蔵庫野菜室カビカビは低温でも死滅せずに繁殖します。「野菜クズや手アカ汚れがあると栄養源に。増殖したカビが庫内に拡散し、食品を汚染する心配があります」と川上さんは警鐘を鳴らします。Hさんは「衛生には気をつけていましたが、たしかに野菜室が少し心配で…」と反省しきり。

【退治法】
野菜クズなどは取り除き、消毒用エタノールをつけた布で庫内をふき取ります。パッキンの溝部分についた黒ズミは綿棒の先にエタノールをつけ、こすり落としてください。

【予防法】
汚れがつかないよう、野菜室には新聞紙を敷きつめ、こまめに交換を。ゴボウなど泥つきの野菜を入れるのはNG。調味料など食品の汚れはその都度、ふき取りましょう。

<食器洗いカゴ>水気を残したままだと食器にもカビの危険が!

「食器洗いカゴにヌメリがつくと、カビが繁殖し、食器への汚染が心配に」と川上さんの言うように、カゴや受け皿には水気を残さないことが大事。キッチンに消毒用エタノールを常備し、こまめに殺菌すると安心です。

食器洗いカゴ【退治法】
カゴの縁や受け皿の汚れは、スポンジと台所用中性洗剤でこすり洗い。ヌメリなどがひどい場合は、塩素系漂白剤につけおきし、水で洗い流します。

【予防法】
一日の最後に受け皿にたまった水を捨て、洗いカゴの食器を取り出し、水気を残さない習慣に。乾いたら消毒用エタノールを全体にスプレーし、殺菌するとベターです。

<まな板>キズがあると、カビと細菌の繁殖の危険大。定期的に殺菌を

まな板はとくに注意したいアイテム! 川上さんは、「生の食材をのせるまな板は、汚れが残るとカビの原因になります。包丁などでまな板にキズがつくと、中でカビと細菌が繁殖します」と言います。使用後は洗剤で十分に洗い、定期的な殺菌を欠かさずにするのが鉄則です。

【退治法】
塩素系漂白剤にまな板をつけおきし、殺菌します。汚れ落としがないよう、まな板の表面は液を浸したふきんでおおうのがコツ。水でよく洗い流し、乾燥させます。

【予防法】
使うたびにスポンジと台所用中性洗剤で洗い、洗いカゴなどに斜めに置いて水気をよくきります。ときどき天日干しにし、殺菌を。風通しのいい場所で保管してください。

<排水口、三角コーナー>油断するとたちまちヌメリ、カビが繁殖。日々のケアはマスト

恐れていた排水口は、黒く汚染する黒色酵母様菌をはじめ、酵母菌、細菌を検出しました。「ヌメリの正体が酵母菌で、カビの前兆。早めのケアをしてください」と川上さんが言うほど、日ごろのお手入れが大事な箇所です。

キッチンシンクカビいつも水気にさらされ、特にヌメリが発生しやすいスポットでもあります。「排水口のバスケットは洗っても、中までは…」とひるむHさんに、川上さんから「危険な状態。内部でカビや細菌が大繁殖していますよ」と厳しい指摘がありました。

ヌメリが発生しやすいスポット

【退治法】

排水口のバスケットをつけおきポリ袋に塩素系漂白剤の液をつくり、排水口のバスケットをつけおきし、ヌメリを除去。パイプ回りはブラシでこすります。三角コーナーも同様に行います。

【予防法】
一日の最後に食材のクズなどを捨ててからにし、水洗いします。2、3日に一度、排水口はバスケットとトラップを外し、スポンジなどでこすり、ヌメリを予防しましょう。

<スポンジ>洗剤や水気を残さない! 交換はこまめに

スポンジは洗い物があるたび、頻繁に水気にさらされてしまうものですが、「またあとで使うから、とスポンジに洗剤を含ませたままにすると、たちまち細菌が増殖。水きりがあまいのも細菌を呼ぶ原因です」と川上さんからの注意が入ります。においがついたり、古びたスポンジはいつまでも使わず、こまめに交換しましょう。

スポンジ【退治法】
1か月に一度をめどに交換しますが、多少のヌメリは熱湯で除菌が可能。洗いおけなどにスポンジを入れて熱湯をかけ、手で触れる熱さになったら水気を絞り、天日干しにしましょう。

【予防法】
使用後は水でよくすすぎ、ぎゅっと絞って水気をきります。水ぎれのいいスポンジ置きを使うか、ピンチでつるし、通気性のよいところで保管します。

<食品ストック>粉や麺類はダニの好物。汚染されるとアレルギーの危険が

ついつい長く保存してしまいがちな食品ストック。安全かと思いきや、数か月前に開封して輪ゴムで留めていたお好み焼きの粉には1g当たり1匹のコナヒョウヒダニが検出されました。「調理していたら大変なことになっていました!」と驚くHさんに対し、「粉類や乾麺は、ダニの好物。開封した袋に入れたままだと、ダニがつきやすくなります」と川上さんが言います。
そのほかは、液体調味料もカビに用心です。使用後は液だれをふいてからしまって。どちらも口にするものなので、細心の注意を払いましょう。

お好み焼き粉 コナヒョウヒダニ

【退治法】
開封後の調味料は、カビ・ダニが入り込む恐れが。とくに袋に入れたままの粉類や乾麺は注意。一度発生したダニを取り除くのは不可能なので、すぐに処分をしましょう。

【予防法】
開封した粉類や乾麺は密閉容器に入れて保管します。口回りに粉がついたら、必ずふき取ってからしまうこと。梅雨どきから夏の間は冷蔵庫で保管すると安心です。

<食器棚、シンク下>つめ込みすぎは避け、通気性をよくして

「扉のある収納内は空気がよどみ、意外にカビやすい場所。ものはつめ込まず、掃除がしやすい配置を心がけて」。食器は水気をよくふき取ってからしまうこと。排水管のあるシンク下も通気をよくしないとカビてしまいます。

【退治法】
中のものを取り出し、消毒用エタノールを布につけてカビに押し当てるようにふき取ります。水でかたく絞った布でふいたら、しばらく扉をあけて、湿気を追い出してください。

【予防法】
棚には新聞紙を敷きつめ、汚れを見つけたらすぐに交換します。湿気がこもりやすいシンク下は、ときどき扉をあけ放ち、換気するようにしましょう。

※本記事はESSE2015年7月号の記事を抜粋したものです

<撮影/山田耕司 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【川上裕司さん】

農学博士。(株)エフシージー総合研究所暮らしの科学部(フジテレビ商品研究所)取締役・部長。カビ・ダニの生態や健康被害に詳しい「カビ・ダニ博士」。人体への影響を中心に研究し、最新の情報を発信。この記事ではカビ・ダニの採取と分析を担当

【高橋敬子さん】
NPO法人日本ハウスクリーニング協会理事。「ピュアレディス・ライフ」代表。住まいのケアを中心にハウスキーピングのプロとして、雑誌やテレビ、講演会などで活躍。この記事ではカビ・ダニを退治する掃除法と予防ケアを指導