日本人は料理をがんばりすぎ。負荷にならない献立づくりのコツ
ESSEonline編集部
2019.11.29
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「毎日バラエティ豊かな献立を考え、家族に料理をつくらなければいけない」と考える人は多いもの。でもその価値観が、自分を苦しめてしまうこともあります。

「日本人は映える料理を何皿もテーブルに並べなくてはいけないと思い過ぎて、それが日々料理をつくる人を苦しめているのではないかとずっと考えていました。でも、日々の献立は10品程度でいいと思うんです」と話すのは、寿木(すずき)けいさん。

「いつものごはんは、きほんの10品あればいい」
おいしくて食べ飽きない「きほんの10品」とは

「今日の献立、どうしよう?」で苦しまない。「きほんの10品」を見つけました

ツイッターの人気料理アカウント、きょうの140字ごはん(@140words_recipe)の運営者である寿木さんの新著『いつものごはんは、きほんの10品あればいい』(小学館)は、そんな思いを込めてつくられた本です。
働きながら2人の子育てをするなかで寿木さんがたどりついた、毎日の料理をラクにする「きほんの10品」について、インタビューしました。

●その日の気分や好みに合わせて、自分らしい献立づくりを

『いつものごはんは、きほんの10品あればいい』は、寿木さん自身が繰り返しつくってきた料理のなかから、毎日に活躍する「きほんの10品」を割りだし、それらの組み合わせで日々の献立を決められることを示した画期的な書籍。

「きほんの10品」とは、「白菜と豚肉の中華炒め」のような、決まった食材がないとつくれないものではありません。
とき卵を熱したフライパンで20秒焼いただけの「名もなき20秒卵」や、焼いた魚を野菜やキノコと一緒に煮た「焼き魚のさっと煮」など、その日の冷蔵庫にある食材を応用してつくれる、いわばレシピのヒントのようなものです。

だからこそ制服のようにがちがちに固まった献立ではなく、その日の気分や好みに合わせて自分らしい献立づくりをできるようになる、道しるべのような1冊でもあります。

撮影に使用した器
撮影に使用した器は、すべて日々実際に使っているお気に入り。撮影前に、使う器を並べてみて見え方のバランスをチェックしました
●9年間料理や献立を投稿したアカウントを見返したら、献立の傾向が見えてきた

――通常の料理本や、献立レシピの書籍とは違ったスタイルの書籍になりました。この書籍をつくろうと思ったきっかけはありますか?

「日々の献立は10品程度でいいというアイデアは4~5年前から温めていました。日本人は映える料理を何皿もテーブルに並べなくてはいけないと思い過ぎて、それが日々料理をつくる人を苦しめているのではないかとずっと考えていて。

雑誌や広告、ウェブサイト上のコンテンツには、見た目が華やかで凝ったレシピがたくさんあります。特別な日になにか1品だけつくればいいなら、参考になるかもしれません。でも、毎日の献立を組み立てるのにはあまり役に立たない…と私自身が痛感してきました。私が9年間続けてきたTwitterを分析してみると、いいね! が多くつくレシピや、繰り返し登場するレシピには傾向があります。その傾向をきちんとまとめてみたいと思ったことが、本をつくる原動力になりました」

お盆と写真
お盆の上に並べているのは、これまで作った料理写真をプリントアウトして切り抜いたもの。レシピを決めるにあたり、本当にこの10品でいいか、献立の「着せ替え」遊びのように料理を並べて推敲しました
――献立を考えるときに、大切にしている”ルール“はありますか?

「まず、食べたい気分を大切にすることです。とにかくお肉を食べたいとか、すっぱいものが恋しいとか、体が欲しているものってありますよね。その声をないがしろにしないで、食材を選ぶこと。食べたいものを主役にして、献立を組み立てて行きます。

その際にヒントになるのが『まごこにわやさしい』というスローガンです。『まごわやさしい』というのが一般的に浸透しているかと思いますが、それを少しだけアレンジしたもので、バランスよくいろいろな食材を食べる方法を書籍でご紹介しています。ゲーム感覚でクリアできる買い物方法なので、ぜひ試してみてください。

いずれにしても、一汁三菜でなくてはダメ、和食でなくてはダメ、という風に決めつけることはしていません。日によっては具だくさんのスープ+炊き込みご飯だけでいい、といった提案の実例も本にはたくさん盛り込みました」

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