おいしくて比較的安価で手に入る、おなじみの果物バナナ。イギリスでは食べ終わったバナナの皮を、意外な使い方で活用しているといいます。
イギリス在住のライター・ボッティング大田朋子さんに詳しくレポートしてもらいました。
靴みがきや肥料に!イギリスで行われているバナナの皮活用法
イギリスでもバナナはポピュラーな果物。そのまま食べたり、マフィンに入れて焼いたり…と大活躍しています。
でも、食べれば食べるほど気になったのが、ゴミ箱に捨てていたバナナの皮。コンポストに入れてリサイクルするのもいいですが、それではたりないくらい大量に皮が出てしまっていました。
そこでイギリスの友人に教わった、バナナの皮の活用法を試してみました。
●靴みがきとして
バナナの皮の内側の白い方でみがいて、乾いた布でふきとるだけ。試しにやってみたら、びっくりするくらいツヤがでて、確かにピカピカになりました。
うちの子どもたちは、学校にはいていく革靴を自分でみがきたがります。それはいいのですが、革靴用クリームだと手や服を汚すだけではなく、床や家具にもクリームをつけてしまっていたことがありました。なので、靴みがきをしている間はそばで見ている必要があったのですが、バナナの皮を使えば、その心配はなくなりました。
財布やバッグ、ソファーといった革製品にも、同様にレザーワックスとして活用できるそうです。
●肥料として
園芸大国イギリスならではでしょうか、「バナナの皮をひと晩水につけておいて、その液を5倍ほどに薄めて植物に水やりすると肥料になる」とか「バナナの皮をオーブンで焼いてドライバナナの皮をつくり、それを砕いて土に混ぜるといい土がつくれる」なんて情報も教わりました。
とはいえ、面倒くさがりの私にはそれはちょっと続けられないかも…と思っていたところ、「バナナの皮を細かく切って土の上に置くだけでも肥料になる」とわかり、今はそうしています。バナナの皮から溶け出したカリウムが栄養素になって、土や植物を元気にしてくれる、という理屈のようです。
また、細かくカットしたバナナの皮と水と一緒にペットボトルに入れ、リビングの窓際に置いています。室内植物には、このバナナに浸けた水をあげています。
ほかにもいろいろ!イギリスの不思議な?バナナの皮活用法
ほかにも、イギリス人はバナナの皮を活用するのが大好き。科学的根拠が不明なものも含めて、さまざまに重宝されています。
・指に刺さったトゲにバナナの皮を巻いて、トゲを抜く
・バナナの皮を額や目の下にあててシワ予防
・虫に刺されたときに、皮の白い部分を患部に数分間あててかゆみ止めに
・肉を焼くときに、フライパンにバナナの皮を一緒に入れて肉をやわらかくする
とても愛されているバナナの皮。これらの背景には、イギリスならではの「ムダを出したくない」という考え方があるようです。
●教えてくれた人
【ボッティング大田朋子さん】
同志社大学商学部卒。ドイツ、インド、メキシコ、アルゼンチンで外資勤務、起業ののち、2011年からスペインへ。現在イギリス在住。執筆参加著書に『値段から世界が見える!日本よりこんなに安い国、高い国 』(朝日新書刊)など多数。英国人パートナーと多言語を話す息子、娘の4人暮らし。ブログ「世界が拠点な生き方☆世界が拠点な子育て」を更新中
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『値段から世界が見える!日本よりこんなに安い国、高い国』世界20ヵ国のさまざまな「お値段」を徹底解明。「そんなものがなぜ高いの?」という素朴な興味を入り口に、「いくつかの国が共通で抱える悩み」や「その解決への取り組み」を浮き彫りに! ![]() |