「寝る前に掃除機」は最悪!ノロやインフルエンザを防ぐ掃除法
2018.10.14

今年9月、例年より早く、インフルエンザによる学級閉鎖が発生。

「インフルエンザの流行が前倒しになることで懸念されるのが、ノロとインフルのピーク時期が重なり、W流行してしまう『ノロインフル』のリスクです」と話すのは、テレビにも多数出演する掃除のプロ・松本忠男さん。

ノロウイルス、インフルエンザウイルスは、家庭内で感染するウイルスのなかでも、非常に感染力が強いもの。そこで重要になってくるのが、毎日の家の掃除です。

正しい掃除法
ノロやインフルエンザにならないために、正しい掃除を心がけて!

ノロウイルスに感染しやすいトイレ。「便器から掃除」はNG!

「ノロウイルスやインフルエンザウイルスは、家の中のホコリと混ざり、『病原ホコリ』となって蓄積してしまいます。この『病原ホコリ』は、正しい方法で掃除をしないと、かえって家じゅうに拡散してしまい、家庭内感染の原因になってしまうのです」

家の中でもとくにノロウイルスの感染リスクが高いのは、トイレ。一方、インフルエンザの感染リスクが高い場所は寝室といいます。
「ノロインフル」を防ぐために実践したい正しい掃除法と、やりがちなNG掃除法を伺いました。

●トイレはまず壁から掃除する!

下痢、嘔吐などの急性胃腸炎を引き起こすノロウイルス。感染者の便や嘔吐物から広がるため、感染対策でもっとも重要な場所が、トイレだといいます。

「トイレは、ティッシュペーパーや衣服の繊維、また換気扇でドアの隙間から吸い寄せられた廊下のホコリなど、非常にホコリがたまりやすい場所。この病原ホコリを正しく除去しないと、ノロウイルスの感染リスクを高めてしまいます」

やりがちな「便器から掃除する」という方法は、感染症予防の点からいうと、じつは間違いというから驚きです。

「便器を先に掃除すると、病原体を含んだ水が壁や床に飛び散り、もともとたまっていたホコリが濡れて取りづらくなるばかりか、ホコリの中で1か月以上ウイルスが活性化してしまうのです」

<正しいトイレ掃除法>

正しいトイレ掃除法・まず壁についたホコリを上から下に向かって落とし、床のホコリと一緒に集めて確実に除去する

・次に便器を、やはり上から下に向かって除菌シートで汚れを落とすようにゴシゴシとふいていく。ペーパーホルダーや水洗レバー、温水洗浄ボタン、スイッチ、ドアノブなども忘れずに

・最後に、便座の手前部分、ドアノブ、レバーやボタンなど、手でよく触る場所を新しい除菌シートで一方向にふきあげる

●100均商品が簡単アレンジでホコリ取りの優秀アイテムに

スクイージー「100円ショップで売っているスクイージーのゴム部分に、ハサミで約5mm間隔の切り込みを入れます。ホコリの飛散を防ぎながら、しっかり除去することができるんです」

●感染者が出た場合は、消毒液でふき掃除を

では、もし、家族内にノロウイルスの感染者が出てしまった場合には、次のように掃除するといいそう。
使うのは、台所用漂白剤と2枚のマイクロファイバークロスです。

・まず、500mlのペットボトルのフタの半量(2ml)の台所用漂白剤を500mlの水で薄めて、0.02%消毒液をつくる(台所用漂白剤の原液濃度5%の場合)

・その消毒液に浸したマイクロファイバークロスで、手でよく触る場所を、やはり一方向に消毒ぶきする

・最低1分間は濡らした状態をキープして、最後に別のマイクロファイバークロスで、一方向に向かって乾ぶきする

消毒液消毒液はつくりおきができないので、希釈は使用する直前に行ってください。

クロスクロスは往復させず、一方向に向かってふき上げるのがポイントです。

「一方向でふく理由は、往復ぶきだとウイルスを塗り広げてしまうため。ゴシゴシと力を入れてふくのは、かえって逆効果です」

インフルエンザウイルスに感染しやすい寝室。“寝る前に掃除”はNG!

感染者の咳やくしゃみなど、基本的に飛沫感染で広がっていくインフルエンザ。家庭内でもっとも感染リスクが高い場所は、寝室だといいます。

「寝室には、ふとんなどの寝具やクローゼットの衣類など、ホコリを生み出すものが数多くあります。そして、インフルエンザウイルスを含んだ飛沫は、一度寝室の床に落ちたあと、エアコンの気流や掃除の仕方によって、寝具などから大量に舞うホコリとともに空中に拡散してしまうのです」

そこで、インフルエンザウイルスを含んだホコリを確実に除去することが大切になります。

「よく、寝る前についでに掃除機やフローリングワイパーをかけて掃除する人がいますが、これは掃除によって舞い上がった病原ホコリの中で眠りに就くことになるため、最悪です。床を掃除したあとは、床から70cmの高さにホコリがもっとも多く飛散します。これは、ベッドで寝ているときのちょうど顔がくる位置に相当するのです」

●夜の床掃除は、就寝中に病原ホコリをダイレクトに吸い込む危険が

夜の床掃除また、寝室に限らず、掃除するときに窓やドアを開けて換気するのも、やはり病原ホコリを舞い上げてしまうのでNG。

「寝室は、窓やドアを閉めたうえで、ホコリが落ちきった朝、家族が起きだす前に行うのがベスト。また、カーテンレールや棚の上など、高い場所のホコリは見落とされがちで、ウイルスが繁殖している可能性が大です。せっかく床を掃除しても、高いところから病原ホコリが舞い落ちてしまっては意味がありません。カーテンレールや棚の上から床へと、高いところから順に、ホコリを舞い上げずに除去してください」

化繊ハタキこちらは、あきペットボトルの側面に切り込みを入れて化繊ハタキをセットしたもの。

化繊ハタキ「ホコリを舞い上げずに除去できるのでおすすめです」

掃除機やフローリングワイパーを大きな動きでゴシゴシとかけるのは、一生懸命掃除をしているように見えて、じつは病原ホコリを拡散しているだけ、と松本さんは話します。
「静かな動きで、ゆっくりと一方向に向かって取り去るのが、ホコリ掃除の基本です」

せっかく一生懸命掃除しても、逆にホコリをまき散らしていては残念。
秋から冬にかけての感染症シーズン、せっかく毎日掃除するなら、正しい方法を身につけて健康に過ごしたいものです。

病気を予防する正しい掃除術は、松本さんの新刊『図解 健康になりたければ家の掃除を変えなさい』(扶桑社刊)に詳しく紹介されています。ぜひこちらも参考にしてみてください。

※塩素系漂白剤、塩素系カビ取り剤は、クエン酸などの酸性のものと混ぜると有毒ガスが発生するので、絶対に同時に使用しないでください。塩素系の洗剤を使用する場合にはゴム手袋をして、必ず換気を行うようにしましょう。

●教えてくれた人
【松本忠男さん】

東京ディズニーランドの開園時の正社員、ダスキンヘルスケアを経て、亀田総合病院のグループ会社に転職。清掃管理者として約10年間、現場のマネジメントや営業に従事。1997年、医療関連サービスのトータルマネジメントを事業目的として、プラナを設立。日本ヘルスケアクリーニング協会代表理事。現場で体得したコツやノウハウを、医療、介護施設、清掃会社に提供する。著書に『図解 健康になりたければ家の掃除を変えなさい』(扶桑社刊)がある

<撮影/山川修一 取材・文/ESSE編集部>

図解 健康になりたければ家の掃除を変えなさい


正しい掃除法を知れば、私たちはもっと健やかな毎日を送ることができます。 時間と労力がかかるだけの「やみくも掃除」からは、もう卒業しませんか?