2日目のカレーは危険!?梅雨どき料理&お弁当の食中毒対策
2018.06.15

梅雨から夏にかけて気をつけたい病気といえば、細菌による食中毒。
「ほとんどの食中毒菌は室温ぐらいの温度と、湿度が高い状態を好みます。菌は食品を買ったときにはすでについていますから、菌の数を増やさないために、調理や保存の仕方が重要なんです」と言うのは、公衆衛生学や食品衛生微生物学を専門する上田成子さん。

ここでは普段の調理やお弁当で気をつけたいポイントを教わりました。

調理と保存の方法が重要です!梅雨どきの料理別・食中毒対策

この時期の調理には、温度と水分に配慮が必要。
「食中毒菌の多くは熱に弱く、死滅させるには、食品の中心部まで75℃で1分間加熱することが有効です。しっかりと加熱し、水分の多いものはできるだけ飛ばします。食中毒菌は10℃以下の低温になると休眠して活動が抑えられるため、保存は冷蔵庫や冷凍庫で。お弁当として持ち運んだりするときは、容器の使い方やつめ方にも十分注意しましょう」

●ハンバーグ:調理中に中身を確認!薄くするか、小さくして

ハンバーグ
肉料理は、中までしっかり火がとおっているのを確認しましょう
ハンバーグや肉団子は、内部に菌が入り込みやすいうえ、火がとおりにくい料理。
外がいい色に焼けていても中心まで加熱できていないことがあるので、調理中に確認を。竹串などを刺して肉汁が透明になっていることなどが目安です。

薄め、小さめに成形するなど、火がとおりやすいような工夫も有効。

●ポテトサラダ:熱いものと冷えたものを混ぜるときは注意

熱いものと冷えたものを一緒にあえると、傷みやすくなりがち。
ゆでたジャガイモと、ハムやキュウリなど加熱しない食品をあえるときは、ジャガイモを十分に冷ましてから合わせましょう。

●つくりおきサラダ:ドレッシングは抗菌作用のある食材を取り入れる

色とりどりの生野菜を重ねてビンにつめる「ジャーサラダ」などのつくりおきサラダは、菌の増殖に注意。保存ビンは煮沸消毒し、野菜は流水でよく洗います。
ドレッシングには、梅干し、ニンニク、青ジソなど、抗菌作用のある食材を加えるのがおすすめ。冷蔵庫で保存し、3日以内ぐらいで食べきりましょう。

●スクランブルエッグ:卵は割ったら使いきり、火はしっかりとおす

スクランブルエッグ卵の中には、代表的な食中毒菌、サルモネラ属菌がいる可能性が。一度殻を割ったら、残さず使いきります。
梅雨どきは半熟状態のスクランブルエッグは避け、かたくなるまでしっかり火をとおしましょう。

●肉じゃが&キンピラ:根菜類は菌がいっぱい!つくったら早めに食べて

根菜類の泥には菌がたくさんついています。調理前によく洗い、しっかり泥を落として。煮込み料理はできるだけ汁気を飛ばして煮詰めます。
肉ジャガやキンピラはよく火をとおしたからと油断しがちですが、熱に強いウエルシュ菌が残っていることも。常温保存は避け、つくったら早めに食べるように。

●おひたし:ゆですぎは注意!カツオ節で水分を吸収するのも手

おひたしブロッコリーやホウレンソウなどは加熱しすぎると傷みやすくなるので、さっとゆでるようにし、しっかり水気をきって調理しましょう。
カツオ節であえると、水分が吸収されて傷みにくくなります。

●チャ-ハン:残りご飯に菌が繁殖することも。パラパラになるまで炒める

残りご飯は、冷蔵庫に入れていても菌が繁殖していることがあります。
チャーハンをつくるときは、パラパラになるまでよく炒めてください。また、ご飯を炊くときに抗菌作用のある梅干しや酢を入れるのも効果的。

●カレー:2日目に気をつけて!熱いうちに小分けして保存を

カレー前日つくったカレーによる食中毒は、意外に多いもの。熱に強いウエルシュ菌が潜んでいることがあるからです。
常温で置きっ放しにしたり、大量につくって中まで冷えるのに時間がかかったりすると、菌が増殖。保存する場合は、まだ熱いうちに小分けして、冷蔵庫か冷凍庫へ。

梅雨どきに気をつけたい!お弁当の食中毒対策

お弁当

長時間持ち歩くことの多いお弁当にも注意が必要。
おかずやご飯がいたまない、安全に食べるための工夫を教わりました。

●前日のつくりおきは再加熱を忘れずに

前日の夕食の残りやつくりおきおかずをお弁当に入れるときは、冷蔵庫で保存したものに、必ずもう一度火をとおします。
電子レンジで加熱するだけでもOK。中まで火をとおし、冷ましてからつめます。

●自家製冷凍食品を凍ったまま入れるのは危険

自然解凍できるからと、冷凍食品を凍ったまま入れる人がいますが、市販の「自然解凍食品」以外はNG。
自家製の冷凍食品などは、常温になると休んでいた細菌が活動し、増殖する危険があります。必ず一度加熱してから冷まし、つめるようにしましょう。

●フルーツはカットせずに丸ごと入れる

加熱しないサラダ類や果物は、加熱した食品と一緒につめず、別の容器に入れた方がベター。
バナナやミカンなどなら、皮をむいたりカットしたりせず、丸ごと入れるようにします。

●仕きりはバランやアルミカップを使って

おかずの仕きりにサラダ菜やレタスなどの葉物野菜を使うと、菌が移りやすくなるので注意。
アルミやシリコンのカップ、バランなどを使ってそれぞれのおかずが接触しないようにつめるのが衛生的です。

●手で握るのはNG!梅干しで食中毒対策を

手にはさまざまな細菌がついていて、それが食品について時間がたつと、食中毒のリスクがアップ。おにぎりをにぎるときは、必ずラップなどを使って直接ご飯に触らないようにします。
具材は抗菌作用のある梅干しがおすすめです。

●フタをするのは中のものが冷めてから

ご飯やおかずが冷めないうちにフタをすると、水滴がついて菌が増殖する原因になります。
中のものがしっかり冷めてからフタをするようにしましょう。

●運ぶときは弁当箱を保冷剤ではさんで

温度が上がると菌が増殖するリスクが。お弁当を持ち歩くときは保冷剤で上下をはさみ、できれば保冷バッグに入れます。
また、クルマの中や直接日の当たる場所に置きっ放しにしないように注意してください。

【監修/上田成子さん】
獣医学博士。元女子栄養大学・大学院教授。公衆衛生学や食品衛生微生物学を専門とし、細菌、微生物などの研究を深める。著書に『食品の安全性』(朝倉書店刊)、『食中毒―予防と対処のすべて』(共著・法研刊)など

<撮影/林絋輝 イラスト/木波本陽子 取材・文/ESSE編集部>

食品の安全性

1950年兵庫県に生まれる。1977年日本大学大学院獣医学研究科研究生。1990年同修了。現在、女子栄養大学栄養学部教授


食中毒―予防と対処のすべて

安全な食を確保するために一般消費者はどう行動すればよいかに視点を置いて、食中毒の原因、キッチンまわりの防衛法、食品表示の見分け方、原因菌別予防法と応急処置などについて分かりやすく解説