31歳で乳がんが発覚した女性。その後2人の子どもにも恵まれたけれど…
2018.09.30
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全国に9万人の患者がいる、身近な病気・乳がん。若いうちに発症することも珍しくはありません。

ここでは31歳で乳がんが発覚した読者の体験談をご紹介します。

読者の乳がん体験記。術後に2人の娘に恵まれるも最近、逆の胸にも兆候が出て不安…

高浜毬子さん(41歳・仮名)

乳がん
31歳で乳がんが発覚。その日は泣きながら帰って…
会社の検診で超音波検査を受けて小さなしこりが見つかったのは、10年前、31歳のときでした。

手で触ってもわからないくらいのしこりでしたが、伯母ががんで亡くなっていたので、乳腺科外来へ。覚悟はしていたものの、検査でがんとわかった日は泣きながら帰ったことを覚えています。

すぐに部分切除の手術をしましたが、なるべく小さく切ってほしいと言ったせいか、全部取りきれず再手術に。結局、左胸の1/3ほどを切除することとになりました。

2泊3日の入院で、退院の翌日には、胸をかばいながら満員電車で通勤。その後は会社の出勤時間を遅らせてもらい、40日間の放射線治療にも毎日通いました。

●経験談をフランクに話すことで、1人でも多くの人に検診に行ってほしい

もともと立派な胸ではなく、寄せて上げてのブラジャー着用で外見的にはわからないので、ママ友たちに乳がん経験を話すとびっくりされます。
最近、抗がん剤治療が始まった乳がん治療中のママもいて、「いいウィッグが見つかったのよ」などフランクに話すのを聞き、いい傾向だなと思いました。そんなこともあり、周囲のママ友たちはみんな検診に通っているようです。

手術後、2人の娘に恵まれましたが、この10年、定期検診で不安に思わない日はありませんでした。じつは2か月前の検診で逆の胸に兆候があるかもしれないと言われ、今とても不安です。検診を欠かさずに、どんなに小さくても変化を見つけたら、すぐに病院に行こうと覚悟しています。

乳がんになったらどんな治療をするの?

乳がんになったらどんな治療をするのか、認定NPO法人乳房健康研究会副理事長・島田菜穂子先生に伺いました。

●進行の度合いによって薬物治療や放射線治療、摘出手術を行う

乳がんの可能性があると診断されたら、細胞診、組織診を行います。さらに、がんと診断されたら、進行に応じて乳房の一部または全部を切除し、その後放射線治療や薬物治療を組み合わせての治療に。

一部の切除は0、1、2期のステージで、それ以降のがんは乳房切除術(全摘)となることが多く、さらにリンパ節への転移や、しこりが大きい場合は、手術の前に薬物療法(ホルモン剤や抗がん剤の投与)を行うのが一般的です。

手術後も経過を見ながら、担当医師と相談しつつ、抗がん剤やホルモン剤による治療を行う場合も。また、再発の可能性もあるので、定期的に検診を受ける必要があります。

●乳がんの病期(ステージ)分類

乳がんの進行度は5つのステージに分類され、手術を行うか、どのような手術を選ぶか、放射線治療や薬物治療を行うか、など治療方針を決める際の指針となります。

<0期>
・しこりや画像診断で異常な影を認めないもの、または乳管内にとどまっているがん

<1 期>
・しこりの大きさが2cm以下で、脇の下のリンパ節への転移がない

<2 A期>
・しこりの大きさが2cm以下で、脇の下のリンパ節に転移が疑われる
・しこりの大きさが2~5cmで、脇の下のリンパ節に転移がない

<2 B期>
・しこりの大きさが2~5cmで、脇の下のリンパ節に転移がある
・しこりの大きさが5cm以上で、リンパ節に転移がない

<3 A期>
・しこりの大きさにかかわらず、脇の下のリンパ節に転移があり、リンパ節同士が癒着するか周囲に固定している
・しこりの大きさが2cm以下で、脇の下のリンパ節に転移がないが、胸骨の内側のリンパ節が腫れている
・しこりの大きさが5cm以上で、脇の下のリンパ節か胸骨の内側のリンパ節に転移がある

<3 B期>
・しこりが胸壁に固定している
・しこりが皮膚に現れたり、がんが乳房表面の皮膚に及んだりしている

<3 C期>
・脇の下のリンパ節と胸骨の内側のリンパ節のどちらにも転移している
・鎖骨の上下にあるリンパ節に転移している

<4 期>
・しこりの大きさを問わず、ほかの臓器に転移している

【監修/島田菜穂子先生】
認定NPO法人乳房健康研究会副理事長、ピンクリボンブレストケアクリニック表参道院長。筑波大学付属病院放射線科などを経て、東京逓信病院で1993年に乳腺外来を開設。2007年より現職。ピンクリボン運動を通じて乳がん啓発活動に取り組む

<イラスト/macco 取材・文/ESSE編集部>