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がん治療中に働く薬剤師。「私のように“気づいたらステージ4”という人が減ってほしい」

坂元希美
2021.04.30

●薬剤師として、がん患者として伝えたいこと

処方箋受付
処方箋受付でも治療中であることを知らせている

「調剤薬局の薬剤師として、皆さんにもっと頼ってほしいと思いますね。患者さん本人だけでなく、ご家族の相談にものることができますので、遠慮しないでほしいです。お医者さんに言いにくいことはたくさんあるのでしょう、お薬を取りに来る方で、いつもごく普通の世間話しかしないのに、じつは大変なことになっていた人が何人もおられます。たとえば『この薬は高いから、生活が苦しくなる』とか、医師には言いにくいでしょうが、私たち薬剤師が値段を考えて似た薬を提案したりできるんです。医師との橋渡しもできますし、患者さんに『これを試してみたいと先生に言ってみてください』とアドバイスもできます。薬のことで不安になったり、気になることは、ぜひ薬剤師を頼ってくださいね」

「乳がん患者としては、若い人たちにがんのことを、もっと身近に考えてもらいたいなと思います。『子どもを産んだら乳がんになるリスクが低い』という情報がありますよね。でも、出産した人が乳がんにならない訳じゃない。たとえ科学的なエビデンスに基づいた情報であったとしても『この情報があるから、自分は大丈夫』と思わずに、機会があったらめんどくさがらずに、検診を受けてほしいと思います」

「私は35歳で乳がんと診断されましたが、腫瘍の大きさや転移の広がりを考えると、原発巣ができたのはもっと前でしょう。20代でこまめに乳がん検診を受ける必要はありませんが、若い人ほど自分のちょっとした変化や不具合を見逃しちゃいけないと、今なら思います」

「乳房のセルフチェックは、月に1回だけでも美容マッサージと思ってやってほしい。そして、早く気づくことができたら、早く治療に入ってほしいです。乳がんは発見が早いほど治せるものが多いですし、早期の治療は経済的な負担もそんなに高くありません。ステージ4になると、かなりお金がかかるんです。私も治療費のために働いているのかと思うほどですよ。30~40代の働き盛りや子育て世代で、進行した状態のがんを治療するとなると、経済的なつらさも大きいと思います。
私のように、『気づいたらステージ4』という人が、減ってほしいと願っています」

<取材・文/坂元希美>

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