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慣れない土地で子育て。30歳女性が苛まれた無力感の正体
川本義巳
2019.12.11
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恵子さん以外にも「子どもを窓から投げたいと思ってしまった」とか「夫に怒りをぶつけてしまって、自己嫌悪に陥った」という話もよく聞きます。
産後から子育て期は、物理的にとても大変なうえに、恵子さんのように孤立しやすい環境です。
とくに核家族化が進んだ現在では、隣近所のつきあいも昔ほど密ではないので、「ちょっと手伝ってほしい」ということも難しくなりました。

「物理的なこと」と「心理的なこと」を分けて考える

私は相談者に対し「物理的なこと」と「心理的なこと」を分けて考えることを提案しています。

物理的なことは、育児や家事にかかる労力や時間、コストなどです。この部分をやりくりすることで、心理的な負担が減らせないか? を考えてみることをまずはオススメします。
そして心理的なことは「どうすれば、前向きになれるのか?」をその人の環境や性格を考慮しながら一緒に考えていきます。

●頼れる場所を知っているだけで安心できることも

頼れる場所を知っているだけで安心できることも
うつ状態を防ぐには「孤立しないようにする」ことが大切
恵子さんの場合は、物理的なこととして「頼れる場所の確保」「話を聞いてくれる人の確保(これは私です)」「夫にしてもらえそうなことの整理」をやりました。
その結果、公的機関を含めいくつか「頼れる場所」が見つかりました、結局そこを使うことはありませんでしたが、「知っているだけで安心」という状況はつくれました。

ご主人には「休日などできる範囲で構わないから、私ひとりの時間がほしい」と伝えるようにし、休日の昼間1~2時間、積極的に子育てを担当してもらうことになり、少しですがリフレッシュできるようになりました。

心理的な面では、「しんどいときにメールしてね」と伝え、届いたメールに丁寧に対応するようにしたうえで「今日、子どもさんと一緒に居てよかったことはなに?」という質問を毎回しました。そうすることで恵子さんのなかに「子どもとの生活でよかったこと」に意識がいくようになり、落ち込む回数が減っていきました。

環境によっては恵子さんのようには難しいということもあるとは思います。それでも産後うつを含め、うつ状態を防ぐには「孤立しないようにする」ことです。
そしてご主人を含め周囲の人が「孤立させない」という意識をもってもらうことも大切だと思います。

●教えてくれた人
【川本義巳さん】

うつ専門メンタルコーチ。高校卒業後、SEとして20年以上メーカーに勤務。大手IT企業への転職を機にうつ病を発症、寝たきり状態になり、1年2か月の休職を余儀なくされる。職場復帰後も6年間うつ病に悩まされ、さまざまな方法を試すが失敗。2007年コーチングに出合い、うつ病を完全克服。その体験をきっかけにうつ専門のプロコーチになることを決意

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