40代から要注意。尿漏れが重症化する前にやるべきこと
ESSE編集部
2019.11.16

出産や加齢をきっかけに生じる「尿漏れ」。なかなか人に言えないけど、悩んでいる女性は多いようです。
ここではESSE読者の尿漏れの悩みに、医師が答えてくれました。

尿漏れの悩み
人に言えない…尿漏れの対策は?

くしゃみをした拍子に尿漏れしてしまう…どうすればいい?

くしゃみをしたときに、尿が漏れてしまうことがちょくちょくあります。心配で、外出時はおりものシートを使っています。恥ずかしくて、だれにも言えません。自分で治す方法はありますか?(みぃちゃんママさん・40歳)

腹圧性の尿失禁。50代になると3人にひとりは経験すると言われます

●出産、遺伝、加齢がおもな原因

尿漏れにはさまざまなタイプがありますが、せきやくしゃみをした拍子に尿が漏れてしまうのは、腹圧性の尿失禁。40代から増え始め、50代になると3人にひとりは経験しているというデータもあります。

腹圧性尿失禁のおもな原因は出産と遺伝的なもの、そして加齢による筋力低下です。妊娠中は大きくなった子宮を支えるために、骨盤の底の筋肉(骨盤底筋)や靭じん帯たいに負担がかかります。さらに出産が近くなると、お産に備えて骨盤底筋や靭帯、骨盤の関節などが緩むのでどうしても尿漏れしやすくなるんです。さらに出産時には骨盤回りの組織が傷むので、出産直後は9割もの人が尿漏れを経験するとも。ただほとんどは産後1年以内に回復します。

遺伝的なものとしては、生まれつき骨盤底筋がやわらかい人がいて、そういう人は高校生ぐらいから尿漏れを経験していることも。

そして加齢。40代に入るとだれでも全身の筋肉量が減ります。さらに50歳前後で閉経すると、女性ホルモンが減ることで骨盤底筋も緩んで弱くなります。加齢とともに筋力はどんどん低下するので、なにもしないでいると尿漏れは年々ひどくなるばかり。それを防ぐには骨盤底筋を鍛えることです。

●骨盤底筋を鍛える「ながら体操」を毎日行って!

マンガ重症化する前なら、骨盤底筋を鍛える体操をすることで、8割の人の尿漏れは改善できるそう。下記の3ステップを毎日、朝・昼・夜に各10回を目安に行いましょう。
体操は立っていても、イスに座っていてもOK。いつでもどこでもできるので、気づいたときに行い、習慣化することが大事です。

STEP1

おなかとお尻の力を抜く。肛門をギューッと5秒かけて締めたあと、緩める。

STEP2

次に、膣と尿道をギューッと5秒かけて締めたあと、緩めて。STEP1とは使う筋肉が違うのがポイント。

STEP3

最後に、肛門と膣と尿道、全部を締める。
(このとき、息を吐きながら、おなかとお尻の位置は変えず、肛門・膣・尿道をギュッと締めて、胃の方へもち上げる意識で)5秒キープしたら、緩める。

骨盤の底にある筋肉を鍛えることで症状は改善できます。まずは体操を習慣化しましょう!

●体操やピフィラテスで筋肉の老化を防止

上で紹介する方法を参考に、骨盤底筋体操を習慣化して、筋肉の老化予防に努めましょう。ただこの体操は効果が実感できるまでに1~2か月かかりますし、地味な体操なので続かないという人も。

そんな人のために開発された「ピフィラテス」という骨盤底筋に効くエクササイズもあります。全国に800人ほどインストラクターがいて、女性泌尿器科やヨガ・ピラティススタジオなどで実施しているので、興味のある人は問い合わせてみては。当クリニックでも指導しています。

体操で改善しない場合は、フラクショナル炭酸ガスレーザーで治療する方法もあります。顔のたるみをとるレーザーを膣に照射することで、頻尿や尿漏れを改善するというもの。さらに重症の場合は手術での治療方法もあるので、体操をしても改善しない場合や日常生活に支障がある場合は女性泌尿器科で相談してみるといいでしょう。

<イラスト/野田節美 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【関口由紀先生】

女性医療クリニックLUNAグループ理事長。横浜市立大学泌尿器科病態学講座客員教授。神奈川県横浜市にて「女性医療クリニックLUNAネクストステージ」、大阪市では「女性医療クリニックLUNA心斎橋」で、女性泌尿器科専門外来を開設