台風で体調不良に…じつは深刻な「天気痛」を防ぐには?
ESSEonline編集部
2019.09.21

大きな自然被害をもたらす台風。じつは頭痛やめまいなど、健康にも悪影響を与えることがわかっています。

「天気痛」専門のドクターである佐藤純先生に、台風がくるときに具合が悪くなるメカニズムと、対策について教わりました。

眉間をおさえる女性
天気痛で悩む人は少なくありません

台風の前は要注意!天気痛を防ぐには?

●天気痛が起きる理由

その人がもともともっていた症状が、天気による気圧の変化で顕著に表れる状態を「天気痛」と呼びます。
多く見られる症状としては、頭痛、乗り物酔いのようなめまい、眠気、気分の落ち込み、古傷の傷みがうずくといったもの。

「人間の耳の奥(内耳)には、外部からの気圧の変化を感じとるセンサーのような部分があると考えられています。内耳の平衡感覚に関係する前庭神経は、気圧変化に対して興奮。その結果、交感神経の活動が活発になり、心拍数や血圧が変化して、天気痛を引き起こすのです」と佐藤先生は言います。

●激しい台風が増えている

近年、激しい台風が増えていることで、天気痛を訴える人も増えているそう。

「私が開設している外来への問い合わせは、年々増えています。また、SNSでの訴えも多くなっています。台風は急激な気圧変化をともなうので、頭痛などの症状も強く出る傾向があります」

かつては熱帯で生まれていた台風が、地球温暖化で海水の温度が上昇したことにともない、日本近海でも生まれるように。

「遠くで生まれていた頃の台風の気圧は、日本近海へやってくる頃には970~980hpaぐらいの数値で安定していました。しかし近年の、日本の近くで生まれるようになった台風は、近い分だけパワーも膨大。気圧もこれまでよりぐっと下がって、930~940hpaという数値が見られるようになっています」

●更年期障害やPMSとの関係も

佐藤先生の愛知医大の外来では、女性の患者が約63%、平均年齢は42才だそう。

「男性よりも女性の方が、頭痛や肩こりに罹患している人が多いので、これらの症状がより天気の影響を受けやすいように思います。また、更年期障害も天気の影響を受けること、PMSと気圧変化が重なると症状が悪化しやすいように思います。自律神経が男性に比べ脆弱なこともあり、冷え性も多く、気圧だけでなく温度の変化にも影響を受けやすいのではないでしょうか」

該当する女性は、とくに注意が必要です。

●台風がくるときの対策は?

・気圧が下がる前に酔い止め薬を飲む
手頃な方法のひとつは、酔い止め薬を飲むこと。
「乗り物酔いしたときの、気持ちが悪くなる、頭痛、吐き気などの症状は、天気痛の症状そのものです。原因が内耳の感覚の乱れからきているところも同じです。ただし患者さんの抱えている症状や、飲んでいる薬との相互作用などの危険性もあるので、まずは医師に症状を伝えて、薬剤師さんに相談して購入するようにしてください」

・耳をマッサージする

耳をマッサージする様子耳全体を優しくマッサージするのもおすすめです。

「耳の周りの血流が悪いと、内耳の中にあるリンパ液も滞り、めまいや頭痛などの症状を引き起こすと考えられています。耳たぶを半分にぽこっと折るだけでも効果があります。耳の真ん中から、縦に2つに折り曲げてみてください」

・天気痛耳栓を使う
耳栓をすることで不快感を緩和する方法も。

「監修した天気痛耳栓も即効性があるので、患者さんに活用してもらっています」

9~10月は台風のシーズンです。寝込んでしまわないためにも、事前の対策を心がけたいですね。

<取材・文/ESSEonline編集部>

●教えてくれた人
【佐藤純先生】

名古屋大学と愛知医科大学で、気圧医学を24年間にわたり研究し臨床に応用。天気痛ドクターとして、テレビ・マスコミに多数出演。著書に『天気痛を治せば、頭痛、めまい、ストレスがなくなる!』(扶桑社刊)、『まんがでわかる天気痛の治し方~気圧による不調をズバッと解決~』(イーストプレス刊)など

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