勝負強い脳をつくる!!メダリストになる子の「心の育て方」
2016.08.20

 メダルラッシュでリオデジャネイロオリンピックが大変盛り上がりました。選手の活躍を目の当たりにして、自分の子どもにも将来を期待してしまうのが親心というもの。一体、オリンピックのメダリストになるような子の強い心と勝負強さはどうやってはぐくまれるのでしょうか。脳神経外科の第一人者で、元水泳選手の北島康介さんを数々のメダルに導いた「勝負脳」の指導者、林 成之先生に脳と心の育て方を伺いました。

脳の働きを理解すれば勝負強い子に育てられる

脳の働きを理解すれば勝負強い子に育てられる「子どもの脳は、親や指導者の育て方や環境次第でよくも悪くもなります。脳が本来もっている本能の性質を鍛え、そのクセを利用すれば、モチベーションが高く、勝負強く、達成率の高い人間を育成することが可能です」と林先生。

 先生は、北島康介さんや元フィギュアスケート選手の鈴木明子さんなどに、脳の本能を生かした勝負脳を伝授し、最高のパフォーマンスを発揮させてきました。

 先生によると、脳を構成する神経細胞は、生まれながらにしてそのひとつひとつが本能をもっているそうです。その本能とは「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」の3つ。

「人間は自分に害のあるものはなにか危険を『知って』、『仲間』と徒党を組んで危険と対決し、『生き』抜いてきたのですから、これは生存していくためにもっとも基本的な本能です」と林先生。こうした本能の入った細胞同士がくっついて組織をなし、まず自分を守ろうとする「自己保存の本能」ができ上がるとのこと。

 次に発達するのは、正しく判断・理解し、物事の筋道をとおす脳の働きを生む「統一・一貫性の本能」。さらに、仲間と生きるために「共存の本能」が生まれ、これらがベースとなって、10歳くらいで大人の脳になる頃には、主体性をもって報酬(ごほうび)を得ようとする「自我」が形成されるのだそう。

「ここでいうごほうびとは、自分でやろうと思ったときに味わう達成感のこと。人間は、この達成感を得たときに、思考力や記憶力を高めることができます」

目標を達成できる! 子どもの才能を伸ばす5つのポイント

子どもの才能を伸ばす5つのポイント トップアスリートを育てたお母さんたちに話を聞くなかで浮かび上がってきた5つの子育てポイント。どれもこれもわが子に応用できそうです。

1.「自分でやろう」という方向に導く

「宿題はないの?」「練習は?」と声をかけたとき、「今しようと思ったのに」と言いだしたら、自立心が働き始めた証拠。親は「ああしろ」「こうしろ」でなく、子どもがよい習慣を身につけるためのサポート役に徹しよう

2.最後まで「やり遂げる」ことを習慣に

幼い頃は、同じ絵本を繰り返し読み聞かせたり、何度も同じ遊びを繰り返すことが大切。その結果、微妙な違いがわかるようになり、物事を正しく判断し理解するために必要な「統一・一貫性の本能」が磨かれることに

3.否定的な言葉はとにかく避ける

否定的な言葉は口にせず、子どものやる気が上がる前向きな言葉を感情を込めて伝え続けると、子どもの脳に「同期発火」という現象が起こる。これにより親の言葉への理解力が急速に高まり、人の気持ちがわかる子に育つ

4.「だいたいできた」はNG

「だいたいわかった」と思ったとたん、脳は「もうがんばらなくてもいい」と判断して機能を落とす。するとどんな力も発揮できなくなってしまう。繰り返し考え、完璧に理解するための思考力を鍛えることが欠かせない

5.戦略的にならず、損得を考えずに行動する

人間の脳には、自分と違う意見を排除したり(統一・一貫性の本能)、自分さえよければと考える(自己保存の本能)するクセがある。この過剰な反応を避けるには、損得や勝ち負けではなく、目標達成にこだわることが大切

【林 成之先生】
日本大学医学部脳神経外科助教授、マイアミ大学脳外科生涯臨床教授を経て、救命救急医学教授。2006年より日本大学大学院総合科学研究科教授。『〈勝負脳〉の鍛え方』(講談社刊)『脳に悪い7つの習慣』(幻冬舎刊)など著書多数

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どのお母さんも、わが子を天才に育てることはできます!多くのオリンピック選手を育てた林成之先生の最新刊。


脳に悪い7つの習慣

脳は気持ちや生活習慣で、その働きがよくも悪くもなる。この事実を知らないばかりに、脳力を後退させるのはもったいない。