医師が教える正しい健康情報!「休肝日はなくていい」ってウソ?ホント?
2018.07.10
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インターネットを検索するとたくさんの健康情報が並んでいますが、出典がしっかりしていないものも多数。

「まず、覚えておきたいのは『健康になるための方法に“抜け道”はない』ということ。“不摂生をしてもこれさえ飲めばOK”“どんなに食べても、帳消しにできる”といったものや健康常識はすべてウソです」と言うのは、医師の秋津壽男先生。

その健康常識、間違ってるかも!がんや休肝日に関するウソ・ホント

そこで秋津先生に、ちまたに流布する健康常識のウソ&ホントを教えてもらいました。

●「焦げた焼き魚を食べるとがんになる」はウソ

焦げた焼き魚を食べるとがんになる子どもの頃、「焦げた焼き魚を食べるとがんになる」と親に言われた記憶はありませんか?
気になるのは「焦げ」の発がん性。しかし、普通に生活するうえで口にする量であれば、それほど心配する必要はありません。

むしろ、気をつけたいのは肉類の食べすぎです。日本人の腸内細菌は欧米人と異なり、米や魚はうまく消化できるものの、動物性の肉や脂肪は分解しづらいのが特徴です。そのため、肉ばかり食べていると腸内環境が荒れ、大腸がんのリスクが高まります。

肉中心の食生活の人は、腸内環境を整えるヨーグルトなどを食べるとよいでしょう。

●「ケーキより干物の方ががんを誘発する」はホント

「ケーキ」と「干物」、どちらが体に悪そうでしょうか? 一見すると、ケーキの方が悪そうですが、意外にも干物の方が食べ続けるとがんになりやすいのです。
がんにおいて、圧倒的に問題になるのは「塩」です。塩分のとりすぎは高血圧を引き起こすのと同時に、刺激が強く、胃壁を荒らします。その結果、胃がんのリスクが高くなるのです。

世界保健機関(WHO)の食塩摂取目標は1日5gですが、国民栄養調査(平成28年)によると、日本人の成人の食塩摂取量は平均9.9gと大幅に上回っています。なるべく、減塩を心がけていきましょう。

●「甘党より辛党の方が突然死しやすい」はホント

甘党より辛党の方が突然死しやすい食べ物の好みは寿命を左右する大きな要因のひとつと言われます。なにを選び、どのくらいの量を食べるかで、長い目で見ると健康に大きな違いが出ます。

たとえば、塩辛いものが好きな人がなりやすいのは高血圧。脳梗塞(のうこうそく)や脳出血、心筋梗塞、大動脈瘤解離(だいどうみゃくりゅうかいり)など、突然死につながる病気のリスクが高まります。

一方、甘いものが好きな人は、肥満や糖尿病といった生活習慣病を招く恐れが。大前提として、塩分も糖分もとりすぎは健康を害しますが、突然死の危険を考えると、高血圧による血管系疾患の方がハイリスク。塩分控え目の食事を心がけましょう。

もちろん、糖尿病も長い目で見ると命に関わるため、油断は禁物です。

●「週に1日の休肝日はなくていい」はホント

健康のためには、お酒を飲まない「休肝日」を設けた方がいいとよくいわれます。しかし、週に1、2日程度お酒を飲まなくても、休肝日としてはあまり意味がありません。適量なら、毎日お酒を楽しんでもOK。

ただし、肝臓機能を表すガンマGTPの数値を下げるには、1、2週間お酒を断つ必要があります。大切なのは、休肝日より、お酒を飲む量が適切であることです。

また、肝臓の強さは生まれつきのもので、お酒に酔いやすいことと、肝臓の強さは必ずしもイコールではありません。
「顔がすぐ赤くならないし、酔わないから肝臓も強いはず」と決めつけず、適量(下表参照)の範囲内で楽しみましょう。

【1日のアルコール摂取量の目安】

・清酒:1合
・ビール:500ml缶1本
・ワイン:1/4本
・焼酎:0.6合(110ml)
・チューハイ:1.5缶(520ml)
・ウイスキー:ダブル1杯

※出典:厚生労働省「平成28年 国民健康・栄養調査」

●「年をとったら野菜中心の食事にして肉は控えた方がいい」はウソ

年をとったら野菜中心の食事年をとったら肉料理は食べない方が健康にいい、といったイメージがありますが、じつはある程度年齢を重ねた人こそ、積極的に肉をとった方がいいのです。

70歳になってもしっかり肉を食べられるのは、“食べる力”がある証拠。年をとったからといって、無理に魚でタンパク質をとる必要はありません。
肉には、タンパク質やビタミンB群などが豊富に含まれており、積極的に食事に取り入れるといいでしょう。

ただし、カロリーやコレステロールには注意したいもの。脂肪をとりすぎないよう、肩やヒレ、モモなど脂身の少ない部位を選ぶのがコツ。
また、「網焼きにする」「ゆでる」「煮る」など、脂を落とすよう調理法を工夫しましょう。

【監修/秋津壽男先生】
秋津医院院長。医院で診療するかたわら、テレビ番組にも多数出演。著書に『長生きするのはどっち?』(あさ出版刊)、『83歳の誕生日まで元気に生きて、その1週間後に苦しまずに死ぬ方法』(徳間書店刊)など

<イラスト/野田節美 取材・文/ESSE編集部>

長生きするのはどっち?

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