人生100年時代、これから先の暮らしについて考えるの人も多いのではないでしょうか?
ここでは、年齢を重ねて、ますますパワフルに、輝きを増している料理研究家の村上祥子さんにお話を聞きました。村上さんのシンプルで潔い暮らしぶりには、老後を楽しく生きるためのヒントがつまっていました。

村上祥子さんの“おひとりさま”の老後を楽しむ秘訣

ひとり暮らしになって7年目の村上さん。健やかで快適なシニアライフを送るためにしている工夫を、教えていただきました。

キッチンに立つ女性
夫と2人暮らしになった65歳のときにつくったコンパクトなキッチン。セミオーダーのシステムキッチンで、コンロは1台だけ。
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村上さんのパワフルな日常を支えているのは、「コンパクトでシンプルな暮らし」です。広い住まいの中で、実際に生活に使っているスペースはほんの一部。そこに厳選した少ないものだけを置いて、こざっぱりと気持ちよく暮らしています。

「よく使うものだけを見えるところに収納することで、欲しいものにすぐ手が届くし、ムダな時間も省くことができます」。

なにより大切にしているのは、どんなに忙しくても3食きちんと食べること。「シニア世代は、つくるのも食べるのも面倒になりがち。でも、人生を底支えしてくれるのが『食べ力』です」。自家製の「一食分冷凍パック」を常備するなど、忙しくてもエネルギー不足にならない工夫をしています。

「ひとり暮らしは自由だけれど、だらしない生活をしていては、自立の喜びを味わうことはできません。だれが見ていなくても部屋をきれいに保ち、3食つくって食べる。人生最後の日まで好きなことをして生きていくためには、その繰り返しこそが大切だと思います」。

●“小さいスペースで”“少ないもので”が身軽に生きるコツ

小さいキッチンを置いた約6畳のLDKが、村上さんの生活の拠点です。

「部屋が広かったりものが多かったりすると、掃除や片づけに時間がかかって、それだけで疲れてしまいます。シニア世代になったら、暮らしをシンプルにするべき」

衣類

30着をオールシーズンで着まわすので、クローゼットの中はスカスカ。衣替えも不要です。

調味料

キッチンツールや調味料も最小限に。「可動式のキッチンワゴンは、手を伸ばせば届くので便利」

食器

食器棚は置かず、食器はすべて壁に取りつけた2段のオープン棚に「見える収納」を。

●すぐに食べれてきちんとエネルギーがとれる「1食分冷凍パック」

食事

「食事の時間が来たらすぐに食べられるようにできないものか」と考えて生まれたのが、冷凍庫に常備する、自家製の「1食分冷凍パック」。

「このパックがあれば、いつでも栄養バランスのとれた料理がすぐにできますよ」。

冷凍庫

タンパク質50g+野菜100gを保存袋に入れて冷凍。調味料を加え、電子レンジでチンするだけで栄養満点の夕食に。