とくに不便というわけではないけれど、できれば変えたい、という場所、家の中にありませんか。ライフオーガナイザーで家事研究家の香村薫さんは、床や壁紙の色など、DIYで変更した場所が家の中にいくつかあるそうです。DIYで変更したことを知ると、ほとんどのゲストから「これ、自分でやったの?」と驚かれるといいます。意外と簡単なのに見栄えがよく、効果的だと感じている5つのDIYについてご紹介いただきます。
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リビング壁をクロスの上から塗装。温かみのある雰囲気に洗面所とトイレの床をモルタル調のクッションフロアにレースカーテンとカーテンレールを撤去してIKEAの紙製プリーツブラインドに「漆喰うま~くヌレール」で洗面・浴室の壁を塗装押し入れのふすまを取り払って多目的スペースにリビング壁をクロスの上から塗装。温かみのある雰囲気に
筆者は築17年の分譲マンションを新築で購入し、家族5人で暮らしています。マンションの立地や部屋の広さなどには満足しているのですが、壁紙や床の色など気になる部分がいくつかありました。以前は「仕方がない」と諦めていたのですが、自分でなんとかならないか?と試行錯誤を始めました。
まず着手したのがリビングの壁です。
こちらは塗装する前です。
こちらが塗装後です。わが家にとってリビングの顔ともいえる大切な場所になりました。
クロスをはがさず、クロスの上から塗装しています。じつは、いきなりリビングの壁を塗るのが心配で、一度トイレの壁で練習してから取り組みました。クロスをはがしてから塗るか、クロスの上から塗るかで迷っていたので、トイレの壁のクロスを半分はがして塗装し、違いを確認。その結果、クロスの上から塗った方が温かみのある雰囲気が出せることがわかりました。
また、クロスの細かい模様の中にペンキが入り込むため、ペンキの使用量が多くなること、すみっこが塗りにくいこともわかったので、ペンキを多めに用意。すみっこを塗るとき用に100均のメイク用のブラシも購入しました。材料は2000円ほど、作業は3時間ほどかかりました。
洗面所とトイレの床をモルタル調のクッションフロアに
次に取り掛かったのが洗面所の床の張り替えです。
新築時のまま使用してきましたが、テカテカして昭和っぽい色や質感が好みでなく、うっすらとした汚れが取れないのが気になっていました。
そこで一旦床をはがして、モルタル調のクッションフロアに貼り替えました。その際気をつけたのは以下の点です。
- 隣接するフローリングとの段差が気にならないよう現状の床とクッションフロアの厚みを合わせる
- 気軽に貼り替えられるように、接着剤ではなく両面テープで貼りつける
厚みに関しては実際に床の一部分をはがして、厚みを測ることで解決。両面テープはワイドタイプのものを準備しました。
複雑に入り組んだ形なので、新聞紙を床に敷き詰めて型をとりました。
クッションフロアはサンゲツのモルタル調のものをセレクト。
しばらく使ってみてとても気に入ったので、トイレの床も同じものに変更することに。こちらは張り替える前の状態。
現在張り替えてから2年以上経過していますが、はがれたりめくれたりすることもなく、非常に快適に過ごせています。トイレを使ったほとんどのゲストから「この床、自分で貼り替えたの?」と驚かれます。
レースカーテンとカーテンレールを撤去してIKEAの紙製プリーツブラインドに
個室のレースカーテンやカーテンレールがどうも好みではなかったので、IKEAの紙製プリーツブラインド「SCHOTTIS(ショッティス)」に変更しました。
カーテンレールがあったころの写真はこちら。
SCHOTTIS(ショッティス)を取りつけたあとはこうなりました。ちなみに1枚499円という驚異的な価格です
両面テープで窓上部に直接貼りつけるだけなので、カーテンレールは不要。設置がとても簡単です。カーテンレールがないと、部屋がグッと広くなったように感じます。開閉が少し面倒なので、あまり頻繁に開け閉めしない窓につけるのがオススメです。
「漆喰うま~くヌレール」で洗面・浴室の壁を塗装
洗面・浴室の壁を漆喰で塗装した、というのもゲストからよく驚かれるポイントです。漆喰は調湿機能や防臭機能が期待できる点に魅力を感じ、使ってみたいと思いました。
こちらは漆喰を塗る前の洗面・浴室です。
家庭でも使いやすい「漆喰うま~くヌレール」という商品をホームセンターで購入し、塗装したあとの壁がこちら。コテだとうまく塗れる自信がなかったので、ゴム手袋をつけた手で塗り広げてみました。意外にうまくいき、「味のあるムラ」を表現できたのではないかと思っています。
押し入れのふすまを取り払って多目的スペースに
押し入れが使いにくいので、ふすまを取り払って、上段を多目的に使えるスペースに変更することに。しばらくはそのまま使っていましたが、どうしても押し入れ感が強いので、押し入れの中にクロスを貼ってみてはどうか?と思いつきました。
森林の香りがして、抗菌・防虫・消臭・脱臭・リフレッシュ効果が期待できるという「フィトンチッド壁紙」を選びました。柄は控えめなチェックに。クロスを貼ったことで押し入れがちょっとした「部屋」のようになり、子どもたちがよくそこで遊ぶようになりました。ここもよくゲストに驚かれるスペースです。
今回ご紹介したのは、どれも比較的簡単にできるDIYばかりです。気に入らないけど仕方ない、と諦めている場所がある方の参考になれば幸いです。
●教えてくれた人/香村薫さん
家事研究家/ライフオーガナイザー、株式会社ミニマライフ代表取締役。大学卒業後、トヨタグループのAT・ナビ専門メーカー・アイシンAWに入社、商品企画・統括業務を担当。結婚後には夫と一緒に、モノの適正数を決め、しくみで維持する片づけ方を考案。「トヨタ式おうち片づけ」と名づける。著書は「トヨタ式おうち片づけ」をはじめ多数