住宅ローンの金利には「全期間固定型」「変動金利型」「固定金利期間選択型」の3種類があります。同じ金額を借り入れたとしても、どれを選ぶかによって毎月の返済額や総返済額が変わってくることに。ここでは、それぞれの特徴に加え、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類の返済方法の組み合わせについて学びましょう。ファイナンシャルプランナー・畠中雅子さんのアドバイスを交えながら、説明していきます。

金利のタイプと返済方法
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目次:

金利の種類によって、メリットとデメリットがある住宅ローンの金利プラン、3種類について知る2つの返済方法について学ぶシミュレ-ション「金利の種類で総返済額はどう変わる?」

金利の種類によって、メリットとデメリットがある

景気の変動に関係なく、返済期間中ずっと金利が変わらない「全期間固定金利型」は返済総額が明確なのが何よりのメリットです。ただし、金利そのものは「変動金利型」「固定金利選択型」に比べると高めに設定されている点には留意が必要です。

これまでを振り返ってみると、「金利が上がる」と繰り返し言われながらも、20年以上空前の低金利が続き、変動金利が有利な状況が続いています。

「金利の変動が心配な人はもちろん、住宅ロ-ンを借りづらい事情がある人は『フラット35』の検討も。物件に対して融資を行うため、審査面で融通がきく場合があります」

金利が変動しないことを選ぶか、少しでも金利が安いことを優先するか、冷静に判断しましょう。

住宅ローンの金利プラン、3種類について知る

1. 全期間固定金利型

全期間固定金利型

住宅ロ-ンを組んだときの金利がロ-ンを完済するまでずっと続くタイプ。「フラット35」が代表例。返済額が経済の動きや金利情勢に左右されないのが魅力ですが、金利が高めに設定されているデメリットもあります。

2. 変動金利型

変動金利型

市場金利の動向に合わせて返済の途中で金利が変わるタイプ。金利は半年に一度、4月と10月に見直されるのが一般的ですが、返済額は5年間変わらない。しかしその後、金利が上がり、支払い額が増える可能性も。

3. 固定金利期間選択型

固定金利期間選択型

一定期間は金利が固定され、その後、金利が変動するタイプ。固定期間は1年、3年、5年、10年、20年など様々。固定金利期間が終了したのち、再び固定金利にするか、変動金利にするかを再度選べます。

2つの返済方法について学ぶ

元利均等返済

元利均等返済

元金と利息を合わせた「毎月の支払額」が一定になる返済方法。すべての住宅ロ-ンで取り扱っているため、利用する人が多いです。返済計画が立てやすいのがメリット。しかし、利息分の支払いが多くなかなか元金が減らないのがデメリット。

元金均等返済

元金均等返済

元金部分を返済期間で均等に割り、元金残高に応じた利息を上乗せして返済する方法。最初の頃は返済額が大きくなりますが、元利均等返済に比べて元金の減り方が早く、利息も少なくてすみます。収入制限や、そもそも取り扱っていない住宅ロ-ンも。

シミュレ-ション「金利の種類で総返済額はどう変わる?」

返済シミュレ-ション

3000万円の住宅ローンを、返済期間35年で組んだ場合をシミュレーションしてみました。全期間固定金利と変動金利では、25年後には返済額に、83万1032円の差が生じることになります。

●教えてくれた人/畠中雅子さん
ファイナンシャルプランナー。連載、講演、セミナ-など幅広く活躍。複数の不動産を所有し、住宅ロ-ンのアドバイスも得意とする

イラスト/カツヤマケイコ