ひとくちに二世帯住宅といっても、部分共用型・完全分離型・完全同居型などいくつかのパターンがあります。数か月前に実家をリフォームし、夫、実母と3人で暮らす日刊すまいライターの場合は、いわゆる部分共用型。暮らし始めてみて「ここは共用にせず、自分たち専用にして正解だった」と感じているスペースについて、写真を交えて詳しくレポートします(写真はすべて子世帯のものです)。

子世帯の洗面所
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目次:

生活感の出やすい洗面所は分けて正解子世帯はシャワールームのみに。省スペースにもつながったトイレは当然各世帯に必要自分たちだけのキッチンを設けてよかったお互い気兼ねなくくつろげるようリビングも別々に駐車スペースは、かさばるものの一時置き場としても重宝

生活感の出やすい洗面所は分けて正解

洗面所は家の中でも生活感が出やすく、かなりプライベートな空間のひとつ。日に何度も使う場所でもあり、場合によっては渋滞してしまうこともありますよね。筆者の家では下着なども洗面所に収納しているので、いくら私の実母でもあまり見られたくない、と思い各世帯ごとに洗面所を設けました。自分たち専用の洗面所があるおがげで、二世帯住宅でも煩わしさを感じない、と夫からも高評価です。

子世帯はシャワールームのみに。省スペースにもつながった

子世帯のシャワールーム

バスルームを2つつくるとなると、どうしても工事費が高くなってしまいます。またそれなりにスペースも必要なため、リフォーム会社の担当者からは「ひとつでも良いのでは?」と提案されました。

ですが、バスルームがひとつしかないと、どうしても入る時間が重なってしまう場面が出てきそうですよね。また、日々の生活の中で「いま入ったら迷惑かな?」と気にするのは地味にストレスがたまります。うっかり裸で鉢合わせでもしてしまったら目も当てられません。

夫はどちらかといえばシャワーさえあれば良いタイなので、子世帯はシャワールームのみとすることに。これならバスルームの約半分のスペースで設置することができます。おもに夫のプライバシー確保のために設置しましたが、ペットの足や体を洗ったり、洗濯物のつけ置き洗いになどにも活用でき、何かと重宝しています。

トイレは当然各世帯に必要

子世帯のトイレ

最近は各フロアにトイレがあるのが当たり前になってきましたが、二世帯住宅の場合はなおさらつくっておいたほうが良いと思います。

完全に分けておけばトイレットペーパーなどの消耗品を「誰が多く使った」などの不満も出ませんし、トイレ掃除の頻度や掃除の仕方でもめることもありません。

自分たちだけのキッチンを設けてよかった

子世帯のキッチン

たとえ実母であっても、キッチンの使い方やものの置き方などはまったく違うので、キッチンは別々にした方が揉め事が少なくなると思います。また、夫からすると「義母のキッチンには入りにくい」という遠慮があるので、気楽に出入りできる自分たちだけのキッチンを設けてよかったと感じています。

お互い気兼ねなくくつろげるようリビングも別々に

子世帯のリビング

二世帯同居している友人から、リビングがひとつしかないため親世帯、子世帯ともにリラックスしにくい、という話を聞いていたので、リビングは分けることにしました。おかげで、お互いに気兼ねなくくつろぐことができています。

駐車スペースは、かさばるものの一時置き場としても重宝

2台分ある駐車スペース

共用スペースではありませんが、駐車スペースは2台分つくって大正解でした。筆者宅では車は1台しか所有していませんが、もう1台分スペースを空けてあるため、車での来客があっても安心です。筆者宅の近所には時間貸しのコインパーキングもありますが、埋まってしまっていることも多いので、安心して友だちを招待できます。

当初、来客がないときは余分なスペースかも、と思っていましたが、ゴミ当番の日にカゴを置いておいたり、使用済みの傘を干したり、かさばるものの一時置き場としてもかなり重宝しています。

もともとは共有部分を多めにした設計を考えていたわが家。しかし、打ち合わせを重ねるごとに生活スタイルの違いが浮き彫りになり、共用部分が多いとストレスがたまりそうと判断し、別々にするスペースが多めになりました。でも、そのおかげでお互いにストレスなく暮らせています。筆者の経験が、少しでも二世帯住宅を計画されている方の参考になれば幸いです。