注文住宅やリノベーションで家づくりをするとき、必ず通るのが設計士やデザイナーとのデザイン相談。好きなものを伝えるだけではなく、嫌いなものも伝えれば、プランを提示されたときに「なんか違う」「ちょっと惜しい」となることが避けられます。もちろん、漠然と「こんな感じが好き・嫌い」と伝えても問題ありませんが、好きと嫌いの中身を細分化して伝えるとデザイン相談がよりスムーズに。リノベーション会社に勤めていた経験から、ライターの安藤小百合さんが、その方法を紹介します。

目次:

STEP1. テイストの好きと嫌いを分けるSTEP2.好きなテイストの中で好き嫌いを分けるSTEP3.素材の好き嫌いを分ける

STEP1. テイストの好きと嫌いを分ける

まずはおおまかに、好みのテイストと苦手なテイストを分けます。
「〇〇〇テイスト」だけでなく「〇〇〇風」「〇〇〇な感じ」という分け方もOKです。

例)

  • 好き→マリンテイスト、カフェ風、白い部屋
  • 嫌い→インダストリアルテイスト、古民家風、冷たい感じ、暗い部屋
テイストの好きと嫌いを分ける
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STEP2.好きなテイストの中で好き嫌いを分ける

次に、好きなテイストを細分化して、さらに好きと嫌いを分けます。
「それ、どういうこと?」と不思議に思う方もいますよね。
一言に〇〇〇テイストと言っても、実はその中にカテゴリーがあるんです。

例えばマリンテイスト。ハワイ風か湘南風かなど、どの土地のマリンをイメージするかによっても雰囲気は異なります。

MonochromProfi / PIXTA(ピクスタ)

100均ショップに並んでいるようなファンシーなマリン雑貨が似合う白い空間、ネイビーが基調の大人マリン空間など、ひとことでマリンテイストと言っても、人によってイメージする空間は様々です。

pixelchaos / PIXTA(ピクスタ)

カフェ風であれば、こちらのようにブルックリン風のカフェなのか、

Ugan / PIXTA(ピクスタ)

こちらのように北欧風のカフェなのかでまったく雰囲気が違いますよね。

makkynm / PIXTA(ピクスタ)

インターネットで「マリンテイスト 画像」「カフェ風 画像」などと調べると、様々な事例が出てきます。
それらをたくさんチェックして、直感を頼りに分けてみましょう。

好きなテイストの中で好き嫌いを分ける

STEP3.素材の好き嫌いを分ける

空間の好きと嫌いが分かったら、最後に素材も分析して、好きと嫌いを分けます。

床や壁など面積が大きい部位に使う建材はもちろん、取っ手などの細かなパーツにも様々な素材、タイプのものがあります。毎日見て触れるものなので、好きなものに囲まれて暮らしたいですよね。

STEP1と2でチェックした画像を細かく見ていくと、「この空間全体は好きだけど、キッチンの天板だけ好きじゃない」「このテイストは嫌いだけど、部分的に使われているこのタイルは気になる」という発見があると思います。これを分けていきましょう。

例)

  • 好き→無垢材、マットな質感、モルタル、すりガラス、ホログラムの入ったタイル、六角形のタイル、白いレンガ
  • 嫌い→ツルツルした素材、大理石、コンクリート、アイアン、茶色いレンガ
好きと嫌いの中身を細分化する

分けていく中で、好きと嫌いに統一感が無かったり、矛盾しているように感じたりすることも出てきますが、大丈夫です。

なぜなら、最終的に家づくりのテーマが「北欧カフェ」になった場合、基本はナチュラルな質感の素材を使うはずですが、「ホログラムのタイルも気になるようでしたので、トイレなどの狭い空間に使ってみましょうか」といった提案をしてくれることもあるからです。

設計士やデザイナーは、その人の「好き」をたくさん取り入れられるように工夫してくれるので、躊躇せずたくさんの「好き」と「嫌い」を知らせましょう。

設計士やデザイナーに「好き」「嫌い」をたくさん伝える

「素材の名称が分からない」という人は、素材の画像を見せればOKです。住宅会社のホームページや住宅雑誌の事例紹介には、使用素材が掲載されていることが多いので、ぜひ参考にしてみてください。

「好き」と「嫌い」の両方をあらかじめ整理しておくことは、デザイン相談をスムーズにするだけでなく、家具選びや雑貨選びをするときにも役立ちます。自分の「好き」をとことん追求して、細部まで好きなもので統一された住まいを実現してくださいね。