シンボルツリーをはじめ、豊富なグリーンに囲まれた暮らしを楽しむFさん夫妻。愛知県岡崎市の築10年のマンションの一室を購入し、エイトデザインにリノベーションを依頼。築浅のメリットを最大限に生かして既存設備を利用をしつつ、塗装やタイル貼りなどで雰囲気を変えることで、100万円ほどコストダウン。大好きな緑と本に囲まれながら、明るく風通しのいい暮らしを楽しんでいます。

二面採光のLDK
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目次:

シンボルツリーのある緑豊かなLDK土間玄関の室内窓が家全体に風を通す既存活用と設備一新でメリハリをつけた水回り

シンボルツリーのある緑豊かなLDK

マンションなのに部屋の中心には天井に届くほどの大きな木が。「新緑バカと言われるくらいに緑が好き。とにかくグリーンをいっぱい置きたい」というのは夫の希望。そして本やマンガが好きな夫妻は、大きな本棚を造りつけることも希望しました。

それを聞いたデザイナーの押谷武さんが「それならリビングにシンボルツリーを置いて、木陰で読書できるようにしましょう」という提案で実現したのがこの空間。

リビングノシンボルツリー

F邸のシンボルツリーはゲッキツ(シルクジャスミン)で、細かくてサラサラ揺れる感じの葉っぱを気に入っているそう。そんなLDKは南西角部屋なので2面から光が入り、白い壁とグリーンの美しいコントラストが楽しめます。

ダイニングとワークスペース

リビングダイニングの一角にはワークデスクを設置。将来は子どもの勉強机にする予定です。ナチュラルなダイニングセットは「unico」で購入したもの。

開放的なLDK

シンボルツリーのあるLDKの中心からリビングに目を向けると、3m近い天井高を生かした壁一面の本棚が。大好きなグリーンや小物なども配して、ディスプレイを楽しんでいるのだそう。幅広のオークフローリングがリラックス感を演出し、グリーンを一層引き立てます。

反対側に視線を向けると、明るく開放的なキッチンがあります。セミオープン式だったキッチンの上部の棚を撤去したことで、視界がぐんと広がりました。

ブルーに塗装したキッチン

既存のシステムキッチンの白い扉をブルーに塗装してイメージを一新。「色を変えただけで、雰囲気がかなり変わりました」と妻。

キッチンとリビング扉

キッチンの壁には妻の希望でタイルを採用。また、キッチンのすぐそばにあるリビング扉は、室内の雰囲気に合わせてグリーンに塗装を施しました。

グリーンのある暮らし

LDKにはシンボルツリーだけでなく、足元や本棚にもグリーンがいっぱい。日差しも風もたっぷり入り、ソファに映し出される葉っぱの影がやさしく揺れて、森の中か公園のベンチにでも座っているかのようです。夜、スポットライトでできる木の陰も素敵なのだそう。

土間玄関の室内窓が家全体に風を通す

ベンチ付きの土間玄関

明るく開放的な玄関では、ジャーナルスタンダードで購入した存在感のある鏡や個性的な照明がよく映えています。照明は笠松電機製作所の人気シリーズのひとつ。

玄関の土間は横に伸びていて、そこには収納も兼ねた長いベンチと天井まである靴収納が。隣接する寝室との間には室内窓があり、南から北へまっすぐに心地いい風が抜けていきます。

玄関の刻印

玄関からリビング方向を見ると、上がり口には夫妻の要望により、リノベーションが完了した日付が記されています。

玄関ンホールのディスプレイ棚

そして玄関の壁際には、手すりにもなる小さな棚を設置しました。

寝室からWICへつながる動線

玄関土間と室内窓でつながる寝室は、淡いパープルの壁が印象的。右手の扉を開けると、ウォークインクローゼットにつながっています。

ウォークインクローゼットには造作の収納棚を贅沢に3本配し、収納量をたっぷり確保。さらにウォークインクローゼットを抜けると和室につながっています。

室内窓のある和室

3畳の畳と板の間がある和室には、リビングとの間にオリジナルの上げ下げ窓を設置。

既存活用と設備一新でメリハリをつけた水回り

洗面所は既存の洗面台を撤去し、シンプルなカウンターを造り付けました。下部をオープンにしているので掃除もしやすく、清潔感があって爽やかな印象です。

ミラーキャビネットの下にキッチンと同じタイルを貼っていて、レトロな雰囲気の水栓とよく似合っています。

バスルームは既存利用

当初は水垢が気になったというユニットバスですが、丁寧にクリーニングしてもらったら十分使える状態になり、再利用することに。角部屋のため浴室に窓があり、明るくて風通しがいいのだそう。

便器は新しいものに交換。上部に設置されていた吊り戸棚をなくし、壁をグレーと白で塗装して、シンプルで洗練された空間に。既存の水回りを活用してコストを抑えたことで、緑あふれるリビングに加え、ごろんとくつろげる和室や贅沢な広さのウォークインクロゼット、静かで安心して眠れる寝室など、気持ちよく風が抜ける快適な空間を手に入れることができたFさん夫妻でした。

設計・施工 エイトデザイン
撮影 山田耕司
※情報は「リライフプラスvol.15」取材時のものです