がんばって節約しているつもりなのに、なぜかお金がたまらない…。そんな家庭、意外と多いんです。「その原因は、無意識に続けている生活習慣やクセにあります」というのは、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さん。ESSEと横山さんは、これらのお金が貯まらない習慣を「ビンボー習慣」と名づけ、読者のお悩み相談を受けてきました。

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書き写しただけの家計簿を見直して貯まる体質に

マンガ2

今回ご紹介するのは、木田慶子さん(仮名・東京都・33歳)のケース。きちんと家計簿をつけてやりくりに励み、児童手当を貯金に回しているものの、結果的に赤字になっているそう。夫とも協力して赤字解消を目指していますが、なかなか解決に至らず…。その理由を横山さんが分析します!

木田家DATA

夫(38歳)、長女(3歳)、二女(5か月)の4人家族
東京都在住

木田家の家計表

夫の月収(手取り)    ¥300,000
児童手当         ¥25,000
収入合計         ¥325,000
住宅費          ¥97,000
食費           ¥39,000
外食費          ¥5,000
電気料金         ¥7,000
ガス料金         ¥8,000
水道料金         ¥4,500
通信費(携帯電話2台分) ¥18,000
   (プロバイダー)  ¥3,000
NHK受信料        ¥2,500
日用雑費         ¥10,000
レジャー・交際費     ¥25,000
子ども費         ¥30,000
こづかい(夫)      ¥15,000
    (妻)      ¥10,000
生命保険料        ¥37,000
貯蓄           ¥25,000

支出合計         ¥336,000
収支           ―¥11,000
現在の貯蓄        ¥600,000

●<ビンボー習慣の特徴>つけているだけの家計簿→ 明細を細かく書くのではなく収支をきちんと記入する

一見すると、きちんと書き込まれている木田さんの家計簿ですが、じつは財布にたまったレシートを書き写しているだけ。肝心の収支の欄に記入がないなど不備が多いことが判明!

【横山さんのアドバイス】
レシートを見ながら、お店の名前と金額を記入するだけでなく、費目ごとに書くようにしましょう。そうすれば、収支を計算しやすくなり、今月は赤字か黒字か、赤字の場合はなにに使いすぎたのか、どこにムダがあったのかが見えてきます。その反省を翌月に生かすことが、もっとも大切なんですよ。

●<ビンボー習慣の特徴>カードの使用額がわからない→ クレジットカードは使用した日付を家計簿に書く

クレジットカードで買い物をすると、家計簿にどう記帳していいのかわからず、結局は記録しないまま。使途不明金が増え、いつのまにか口座の残高が減る原因に。

【横山さんのアドバイス】
カードを使用したら、口座から引き落とされる日ではなく、使った日の支出として記入し、現金の支出と一緒に集計しましょう。使いすぎにすぐ気がつくし、月末に生活費が月収内で収まったかどうかのチェックも可能です。

●<ビンボー習慣の特徴>貯金はできないと諦めている→ 固定費を見直して先取り貯金分を確保する

「食費やおこづかいは、これ以上削れないから貯金は無理」と木田さん。でも、問題は食費などの流動費ではなく、生命保険料や携帯電話代などの固定費。「木田家の固定費はなんと65%超。理想の割合が45%ですから、固定費を大胆に見直して出費を削り、先取りで貯める習慣をつけて」(横山さん)。

【横山さんが教えてくれた固定費と流動人貯金の理想の割合】
固定費=45% 毎月変わらない費用。住宅費、通信費、新聞代、子ども費、生命保険料、こづかい、クルマのローンなど
流動費=35% 毎月増減する費用。食費、光熱費、水道料金、日用雑費、レジャー・交際費、医療費、交通費、ガソリン代など
貯金=25% 児童手当てを含む月の収入のうち20%相当の額を貯金

●<ビンボー習慣の特徴>すすめられるまま選んだケータイを使用→ 通話が少ないならSIMフリーケータイがおすすめ

マンガ3

携帯電話代が夫婦2人で1万8000円。店頭で販売員にすすめられて大手キャリアを選んだそう。夫婦とも見直せば、携帯電話代は一気に1万5000円ほどのダウンも可能です。携帯電話代は、かさんでいても見逃されやすいお金のひとつ。

【横山さんのアドバイス】
キャリアに縛られないSIMフリーケータイなら、通話料は断然安くなります。私も使っていますが、電話代はIP電話をつけて1か月の基本料金約1000円+通話料金のみ。通話料金は少し割高になりますが、メール中心で通話をあまりしない人におすすめです。

●<ビンボー習慣の特徴>保険はおつき合いで加入→ 教育費を優先し、保険は解約して貯蓄に切り替える

保険の加入

営業マンや知人にすすめられるまま加入した保険が、木田家の現状と不つり合い。「貯蓄を兼ねて入った夫の死亡保障は低解約返戻金型終身保険。この保険は、10年間で保険料を払い込み、20~30年後の解約時に通常より多くお金を受け取ることができるもの。木田家の場合、20年後のお金よりも、教育費のための貯金が優先されます」(横山さん)。また、医療保険も、同様に保険料が割高でした。

【横山さんのアドバイス】
現在の保険は解約して、かけ捨ての保険で必要な保障を確保すれば保険料は2万円減。その分を貯金に! 保険はすすめられるままに入るのでなく、内容で選ぶようにしてみましょう。

●<ビンボー習慣の特徴>外出先で現金がたりなくなる→ 必要額を財布に入れてカード払いは禁止に

外出先

「今日のレジャー費は1万円」と予算を決めて出かけても、楽しく遊ぶうちに気持ちがゆるみ、ついつい木田家ではクレジットカードでムダづかい…。

【横山さんのアドバイス】
予算を決めたら、財布に入れるのはその額だけ。カードは持ち歩かないように。使いたくても使えないから予算オーバーがなく、お金の使い方が丁寧になります。

●<ビンボー習慣の特徴>家にものをため込む→ 部屋を整理すればムダ買い防止に

クローゼット

部屋の片づけは得意な木田さんですが、ものが捨てられない性格。洋服も靴も「まだ使えるから」とため込んで、クローゼットや靴箱が満杯に。

【横山さんのアドバイス】
家にものが多い人は、捨てるものを選択する判断基準が甘く、なんとなくという気持ちでものを買ってしまう傾向があります。まずは、自分にとって本当に必要かどうかで判断して、いらないものは思いきって処分しましょう。部屋がスッキリすれば、その状態を維持するためにムダ買いをしなくなり、同じものをダブって買うこともなくなるはずです。