インダストリアル感のある武骨なデザイン、アメリカのヴィンテージ家具……。大好きなインテリアで思い通りの空間を実現したい、と家を持つことを決意したIさん夫妻。横浜市内に77.52平米の中古マンションを購入し、「施工事例にピン!ときた」というフィールドガレージにリノベーションを依頼しました。リクエストは「個室はいらないのでLDKを広く、収納を多めに」のみ。「あとのレイアウトは完全にお任せでした」と夫妻。

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キッチンは「何をどこに収納するか」を念頭にプランリビングの一角にブックシェルフと一体の遊び心あふれるロフトを身支度も帰宅後もスムーズ。土間とつながる広いWIC洗面室も収納たっぷり。すみずみまで自分らしいインテリアに

キッチンは「何をどこに収納するか」を念頭にプラン

広いLDKで存在感を放つのが、ラフな印象の黒いアイランドキッチンです。オリジナルで制作したもので、シンク側、コンロ側どちらにも扉のある収納つき。キッチン周りのものはほとんどここに収まるため、空間をスッキリ保ってくれます。

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キッチンを常に整えるコツは、「何をどこに置くか」を明確にプランすること。例えばシンク下の一部はゴミ箱の定位置に(写真上左)。
コンロ横の柱とデスクスペースの間には収納を造作し、炊飯器や電子レンジ、食器類を収めました(写真上右)。

シンク右手の可動棚(写真下)は、食材のストックを収納するパントリーにしています。

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リビングの一角にブックシェルフと一体の遊び心あふれるロフトを

「リビングには、大量の本や雑誌を収納できるブックシェルフがほしい」と希望した夫妻。

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その案を、デザイナーの青木さんが「シェルフを壁代わりにしてその裏にロフトをつくれば、部屋も広く見えるし使い勝手もいいはず」とロフトを合体させたプランにバージョンアップしました。

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「提案を聞いたときはびっくりしました。今は上が物置、下が子どもの遊び場になっているけど、子どもが大きくなったらここを夫婦の寝室にしてもいいし、ゲストルームにしてもいいかも」と夫が話す通り、家族の変化に合わせて使い道がたくさんありそうです。

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下の写真は、リノベーション前のLDKの様子。間取りだけでなく、フローリングの変更や壁の塗装で一新されたことが分かります。

Iさん宅改修前

現在のリビングの床は5mm厚の足場板、ダイニングはモルタル、キッチンは塩ビタイル。ひとつながりのLDKですが床材で緩やかに場を分け、メリハリをつけています。出窓のOSBボードはホームセンターでカットしてもらい、夫がDIYで貼ったもの。

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家具はパシフィックファニチャーのダイニングテーブル、トラックのソファなどお気に入りばかり。収納をしっかり設けたことで、心地よいLDKが完成しました。

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身支度も帰宅後もスムーズ。土間とつながる広いWIC

さらに暮らしを便利にする収納が、玄関から続く大容量のWICです。以前は洋室だった北側の一室をすべて収納に作り変え、玄関からぐるりと回遊できるつくりに。

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帰宅して靴を脱ぎ、コートをかけて荷物を置くという一連の動作が、WICを一回りしただけで終わるので快適。広い土間にはベビーカーも置けます。廊下側の有孔ボードには趣味の自転車関連のグッズを飾りながら収納。その奥は、棚が丸見えにならないようカーテンを取り付けました。

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洗面室も収納たっぷり。すみずみまで自分らしいインテリアに

タオルや洗剤ストックなどで雑然としがちな洗面室にも、十分な収納を確保。洗濯機まわりの棚にはハンガーバスケットを引っ掛け、容量も使いやすさもアップ。洗面台の下の棚はあえて扉をつけず、用途ごとにボックスに分けて収納しています。

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親子3人で寝ている個室の床は、モルタル仕上げで硬質な雰囲気に。

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建具はほぼ既存のものを塗装し直してリユース。寝室のクローゼットは取っ手のみ交換して表情を変えました。

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工事費は950万円(税・設計料込み、施主支給品は含まず)。「好みの空間を手に入れたいなら、まずは収納から」ということを教えてくれる住まいです。

設計・施工 フィールドガレージ
撮影 飯貝拓司
※情報は「リライフプラスvol.24」取材時のものです