「どんな家を建てて、どんな家具を置くのか?」マイホームは欲しいけど、具体的にイメージをするのは難しい……そんな風に考えている人は少なくありません。だったら発想の転換!家具でも趣味の道具でも「好きなもの」を真ん中に置いて、それに合う家づくりを考えてみたらどうでしょう?今回は、大好きな「イームズチェアに合う家づくり」を実践したご夫婦の、こだわりの住まいを覗いてみることにしました。

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目指すは、愛用の「椅子が似合う家」生活感があっても、「おしゃれなカフェみたいな家」にしたいこだわりのイームズチェアの数々「ミッドセンチュリーモダン」はこんなところにも

目指すは、愛用の「椅子が似合う家」

夫と愛犬と「2人+1匹暮らし」のHさん。家づくりのきっかけは、ある日ご主人が持ち帰った住宅情報誌でした。Hさんが好きなものは、イームズチェアなどの「ミッドセンチュリーモダン」なインテリア。
「スターディ・スタイル」のシンプルモダンな家は、そんなHさんとって“どストライク”だったそうです。早速、次の週には相談会へ足を運び、その日のうちに候補地まで見に行くなど、家づくりは急展開で進んでいきました。

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そして完成したのは、白い箱型のシンプルな一軒家。ご主人は家の外観に合わせて、車まで選んでしまったとか。白とブルーのコンントラストが素敵です。さあ、気になるインテリアはどうなっているのでしょうか?

生活感があっても、「おしゃれなカフェみたいな家」にしたい

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インテリアを考えるにあたり、Hさんがお手本にしたのは、おしゃれなカフェ。「生活感があっても素敵な家って何だろう? と考えて、行き着いたのがカフェでした。カフェは大勢が食事をしたり、本を読んだりしていても、それなりにかっこいいので。」
色や脚のデザインがばらばらな椅子を選んでいるのは、「雑多な生活用品が混在していても、生活感が目立たなくなるから」なんだとか。

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そんなルールがあって階段脇の書斎コーナーに選んだのは、ちょっぴりテイストの違う「ハリー・ベルトイヤ」のワイヤーチェア。こうした名作椅子の大半は現行モデルではなく、ネットオークションなどで手に入れたヴィンテージもの。使い込まれた味わいが、生活空間に温かみを与えています。

こだわりのイームズチェアの数々

結婚後買い集めたもの、新しく家を建ててから集めたもの……。Hさんのお宅にはたくさんの「イームズチェア」があり、とてもセンス良く配置されています。

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ダイニングチェアには、あえて色と脚のデザインが異なるタイプを選択。一際目を惹くペンダントライトは、「ノーマンコペンハーゲン」のもの。

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寝室に置いたロッキングタイプのアームチェアは、見て楽しむだけでほとんど座らないのだそう。壁の鳩時計はイタリアの「Diamantini&Domeniconi」社製。

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階段下には、「ビキニ」の愛称で知られるイームズチェア。壁のシルクスクリーンは、Hさんが大好きなフランスのポスター作家「サヴィニャック」の名画です。
イームズチェアのコーナーだけを切り取っても、とても絵になりますね。時計や壁に飾られたポスター、照明の選び方にもセンスを感じさせます。

「ミッドセンチュリーモダン」はこんなところにも

イームズチェアだけでなく、Hさん宅のいたるところに「ミッドセンチュリーモダン」なアイテムが使われています。

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ミッドセンチュリーモダンな空間に合わせた白いキッチン。シンクの上の電球型照明は、「PLUMEN 001」。これが見つかるまで、照明なしで我慢するほどの徹底ぶりだったとか。

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シンプルに徹した寝室には、モノトーンのポスターを飾って。これはアメリカの子供服ブランド「Mini and Maximus」のもの。

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予備室の収納家具には、アメリカの学校ではポピュラーな金属製のロッカーをチョイスして、ミッドセンチュリー感をUPさせています。一見男っぽいインテリアの数々ですが、これらすべてがHさんの好みで、彼女自身が選んだもの。
でも、「自分はインテリアには無頓着だ」と笑うご主人も、家の住み心地には満足しているようです。そして今では、かけがえのない「ふたりのスイートホーム」となりました。

撮影/目黒伸宜
設計・施工/スターディ・スタイル
※情報は「住まいの設計」掲載時のものです。