インスタグラムを開いてみれば、おしゃれなお弁当やかわいいお弁当の写真をたくさん目にすることができます。でも、いざ自分できれいにつめてみようとすると結構うまくいかないもの。マンネリ感があったり、彩りもいまいちだったり…。見栄えも大事ですが、じつは本当に大切なのは中身を傷ませず、味も劣化させることなくつめること。これには、食の扱いに関する基本的なルールを知っておく必要があります。
こうした悩みを解消するのが、つくりおきを活用したお弁当です。「つくりおき」というジャンルを確立した料理研究家の小田真規子さんのレシピなら、1週間おいしさと保存性がキープできます。しかも、「時間が経つほどにおいしくなるように」科学的な根拠をもとにレシピに工夫が凝らされているので安心。

お弁当づくりをレクチャー
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そんな小田さんが、お弁当づくりをレクチャーするイベントが開催されました。会場となった小田さんのキッチンでは、つくりおきのおかずを使って、ESSE読者がお弁当つめを体験。ここではその様子をレポートします。

お弁当のつめ方ひとつで、見栄えも入る量もぐっと変わる!

この日のつくりおきおかずは、主菜の鶏肉のはちみつマスタードソテー、副菜のゆで卵とカリフラワーのピクルス、キャベツとキノコのおひたしというラインナップ。ちなみに鶏肉のはちみつマスタードソテーは、小田さんの歴代のつくりおきレシピのなかで人気No.2という逸品です。
さて、これをどのような順番でつめていけばいいのでしょうか?

●手元に箸と水とペーパータオルを用意する

水とペーパータオル

お弁当をつめる際に、水を入れたコップとペーパータオルを手元に準備します。お箸は濡れている方が盛りつけしやすいので、コップの水で濡らしながら作業します。ただし同じ箸で何種類ものおかずを次々につめると、菌が繁殖する原因になるので、使うごとにペーパータオルできれいにふき、常に清潔な状態を保ちます。
お弁当を長く持ち歩くような日は、水と酢を1:1で合わせたものをペーパータオルにしみこませ、容器をさっとふいておくと安心です。

●ご飯は広げて斜めにつめる

ご飯はお弁当箱の半分につめてから、おかずとの区切りの部分を斜めにします(上からのぞいたら坂のような形状になる)。この方が見栄えがよく、またおかずも入れやすいためです。おかずとの境は青ジソやリーフレタスなどを坂の部分に置いて仕切ると、味も移らず、彩りもアップ! おかずの酸味でしならないように、クキのしっかりした、強度のある野菜がいいでしょう。

●ご飯を冷ます間におかずを切る

おかずを切る

ご飯をつめて、冷ます間におかずを切ります。汁気のあるおかずは、ペーパータオルの上で切ることで、余分な汁気を押さえます。そうしないと移動中に汁もれを起こしたり、ほかのおかずと味が混ざったりして、お弁当の味が台なしになるばかりか、傷みやすくなるので注意を。
ちなみに小田さん曰く、つくりおきおかずは大きめにつくっておき、食べる直前に切るのがおすすめとのこと。つくるときに細かく切ってしまうと、表面積が増え、雑菌が繁殖する可能性が高くなるからです。

●おかずは主菜→副菜の順につめる

まずは主菜を、おかずのスペースの1/2~2/3につめます。この際、ご飯にたてかけるようにし、奥から手前につめるのがポイント。

●副菜2品は大→小の順につめる

続いて副菜をつめます。副菜2品は、先に大きいかたまりのおかずからつめ、小さいおかずで隙間を埋めるのがコツ。そうすれば、自然にバランスがとれます。今回でいえば、ゆで卵とカリフラワーのピクルスを先におき、キャベツとキノコのおひたしで隙間を埋めていきます。

●最後にご飯の上に、ふりかけや梅干しをトッピングする

ふりかけや梅干し

「ふりかけや梅干しは、絵の具のようなものだと考えて」と小田さん。正解はないので、自由に楽しくトッピングしましょう。

完成品

こちらが完成品です! 具がぎゅぎゅっと詰まって、彩りもよく、食欲をそそるお弁当になりました。

のっけ弁

ごはんの上におかずをのせる「のっけ弁」の場合も、基本の順番は変わりません。のっけ弁の際は、主菜を大きめに切って大胆にのせると迫力が出ます。

実際に体験した読者からも、「いつも順番を気にせずにつめていたけど、やってみたら確かにつめやすく、安定感があります」「ふりかけをかけるひと手間で、こんなに見栄えが変わるなんてビックリしました」などの感嘆の声があがりました。もちろんつくりおきしたおかずについても「日にちが経ったものの方が、味が濃くなっておいしい」「忙しい朝にわざわざ調理しなくても、おいしいつくりおきを使えば、余裕をもってお弁当がつくれますね」と好評でした。

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※保存期間は試作を重ねた結果に基づくものですが、家庭ごとの冷蔵庫の開閉の頻度や保存環境によって差が出る可能性があります。