夫とは好きで結婚したはずなのに、10年20年とずっと一緒に暮らしていると、家にいられるだけでイライラする…。なんてことはありませんか?

「そんなときはイライラしてしまう原因を考えて、夫の行動によってストレスをためない方法を試してみることをおすすめします」と話すのは、精神保健福祉士の東亜衣子さん。精神疾患の方のケアのほか、家族や人間関係、心の不調など多くの相談を受けている東さんに、夫へのイライラを軽くする方法を教えてもらいました。

ソファに寝転ぶ男性とそれを見る女性
家にいるのになにもしない夫へのイライラを解消するには?(※写真はイメージです)
すべての画像を見る(全4枚)

家事をしない夫へのイライラを減らす方法。まずはいら立ちの原因を見つけて

以前は毎日朝には出勤して夜遅くまで帰って来なかった夫が、コロナ禍で週に何日か在宅ワークとなったり、夫の帰宅時間が早くなったりしたご家庭も多いのではないでしょうか。

私も経験がありますが、休みの日はまだいいんですよね! 平日いないはずの夫が家にいるストレスといったらなんとも言いようがない…。子どもが手が離れたり、巣立ってしまい2人きりの時間が増えるとなおさら。このイライラ感なんとかしたい…。そんな気持ちを癒す方法をお伝えしたいと思います。

●イライラの原因はなんなのか考えてみる

まずは、夫にイライラする原因を考えてみましょう。私の周りの40代50代の主婦の方にリサーチしてみると…。

・一日家にいて、夜は遅くまで晩酌し、テレビを見て、スマホを触っている

(せめて早く寝てくれ!)

・同じ在宅ワークなのにお昼ごはんは私が作るのが当たり前になっている

(「お昼どうする?」じゃないよ!)

・家にいるだけで家事の量が増える。洗濯物も洗い物もすべてが増える。

(なぜそれに気づかず生きていけるのか…)

( )の中は妻の悲しい心の叫びです。こうして並べてみるとあることに気がつきます。これらはすべて、

夫が妻の気持ちを理解していない

上の行動なのです。だから妻側はこのような夫の行動を見て「わかってよ!」「察してよ!」とイライラし、いつまでたっても理解しない夫の行動にストレスをためてしまうのです。

●なにをしてほしいか分かりやすく伝える(家事の経験がある夫編)

食器を洗う男性
夫ができそうな家事を仕事のように頼んでみましょう(※写真はイメージです)

この方法は夫に多少の家事の経験があり、共働きの自覚がある夫に有効です。
理解してほしいと妻側がどんなに望んでも、放っておいてはいつまでたっても夫が変わることはありません。あきらめている方も多いようですが、まずは伝える努力をしてみることを私はおすすめしています。夫に伝えるときに気をつけることはたった1つ。

「仕事のように伝える」

ということです。意外かもしれませんが、男の人には伝わりやすい方法です。

夫にとって妻の感情はわかりにくく、想像しにくいものです。普通に過ごしているだけなのに、妻はどんどん機嫌が悪くなっていくなんてことは、夫にとってあるあるなのです。だから妻側が、

「今日のあなたの仕事は掃除機をかけること」
「今日のあなたの役割は2人分のお昼ご飯を用意すること」

これさえやってくれたら自分がイライラしなくてすむことを簡潔に教えてあげましょう。夫が経験のある家事を、まずは低いハードルで伝えることも大切です。

●家事を選んでもらう(元々なにもしてこなかった夫編)

普段、まったくなにもしない夫については、急になにかできるようになったりはしません。

そして意外かもしれませんが、妻側もなにかしてほしいと思っていない場合が多いのです。でもそんな夫にも、在宅時間が長くなるほど、協力してもらわないとイライラは募る一方に。

そんな夫には、

「お風呂洗いかゴミ出しどちらができそう?」 と自分で家事を選んでもらいましょう

。もちろんこちらも簡単な家事のなから選んでもらいます。

そしてどちらの夫にも、

「助かったわ~ありがとう」

と伝えましょう。妻はその瞬間イライラせずに助かったのですから、本当のことです。

●夫を気遣うことは自分自身を守ること

笑いあう男女
今までやらなかったことをやってくれた夫はほめて(※写真はイメージです)

このように夫にこういう風に伝えてみては? と相談に来られた方にお話しすると、「どうして私ばかりが、夫に気を遣って優しくしてあげないといけないの?」と憤慨される方もいらっしゃいます。そうですよね、妻ばかりが夫を気遣い、夫にお願いする、理不尽に感じる気持ちもよくわかります。

でも少し視点を変えてみると、これは自分がイライラしないための自分のための行動なのです。イライラすることはとても疲れます。イライラしない1日を過ごすことの方が妻の心や身体のためもいいことなのです。

妻に気遣われ、家事をやり、ありがとうと言われた夫の気分もよくなるので、次に家事を頼まれるときにはよりスムーズにこなしてくれるようになるはずです。そしてそれがなにもしない夫から家事の経験のある夫に変わり、家事のできる夫になっていく第一歩につながります。

●1人の時間も大切に

ペットボトルを持って走る女性
1人でリフレッシュする時間も大事(※写真はイメージです)

どんなに仲がよい相手でも、大人同士がずーっと一緒にいることはやはりストレスを生みます。24時間一緒の空間で過ごすことにならないように、たまには1人で外の空気を吸いにウォーキングに行ったり、軽くジョギングしたりするのが効果的です。趣味があるなら、その趣味の時間も大切にしてください。

コロナ禍での変わってしまった暮らし。戸惑うこともたくさんありますし、夫婦の関係にも影響が出て当然です。この状況がいつまで続くか想像がつきません。それならこちらの過ごし方を、withコロナ仕様にしていく方がきっとラクかもしれません。イライラがたまっている方はぜひ試してみてください。