本誌でも活躍中のスタイリストの山本あきこさんの人気連載。「もしかしてファッション以前?」という素朴な疑問から、「この服のスタイリングはどうしたらいい?」という現実的な着こなしまで、大人の女性の「それ、あるある!」というおしゃれのお悩みにお答えしていきます。

●くすみカラーは大人にぜひ取り入てほしいトレンド

今回は、「大人世代も着られる優しいカラー」として注目を集める「くすみカラー」の着こなしについて。淡いパステルカラーはさすがに気後れしてしまうけれど、たまには大人世代も、明るいカラーを楽しみたいですよね! そんなときに便利なのが、「くすみカラー」。

にごりのないパステルカラーに比べて、「くすみカラー」はその名の通り、少しくすんだ、落ち着いた色合いなので、年齢を重ねた肌からも浮きにくく、自然に馴染みやすいのが特徴。それでいて、可愛らしい色を楽しめるので、ぜひ取り入れほしいトレンドのひとつです。着やすさは間違いなしなのですが、実は少しだけ「失敗あるある」もありますので、今回はそのあたりを解説していきますね!

●くすみカラーをうまく着られない!?

4コママンガ
くすみカラーの失敗あるある
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以上、「くすみカラー」を着ようとしたときに陥りがちな「失敗あるある」をまとめてみました。「いや、おすすめしておいてなんなんだ〜い!」と言われてしまいそうですが、すみません! 実は、くすみカラーを着こなすときには少しだけ「気をつけないといけないポイント」があるんです。

でも大切なのはたった2つ! 決して難しくありませんから、ぜひ覚えてみてください。

●くすみカラーを素敵に着るための2つのポイント

解決策

ポイント①ベージュが混ざったカラーを選ぶ

まずは「色選び」! ひとくちに「くすみカラー」と言っても、その色の幅は多彩です。その中で、大人世代におすすめなのは、ズバリ、「ベージュが混ざったようなカラー」

ピンク系なら、ライラックのような色ではなく、サーモンピンクやコーラルピンクのような色。こんな色みなら、日本人の黄味がかった肌にも合いますし、温かみがあるので顔色も良く見えます。

一方、気をつけなければいけないのは、グレーが混ざったようなカラー。おしゃれではあるのですが、こちらを選ぶと、顔全体が暗く見えてしまい、老けてみられる恐れが。もちろんうまく着こなすこともできますが、やや上級のテクニックが必要なので、おしゃれに自信がないという方はまず、「ベージュが混ざったようなカラー」を選ぶのがおすすめです。

ポイント②濃い色のアイテムと合わせる

そしてもう1つのポイントは、着こなしです。

「くすみカラー」は顔なじみが良く、気負わずに着られるところがいい点ですが、逆に言えば「インパクトに欠ける」「印象がぼやける」のが悪い点。

同じような色味で統一した「ワントーンコーデ」は確かに素敵なのですが、淡いカラーの重ね着は膨張して見えてしまったり、中間色が背景に溶け込んで印象がぼやけてしまったりと、さまざまな危険と隣り合わせであることも事実。ですからここは、そのデメリットをカバーする着こなしがおすすめ。

具体的には、「濃い色を合わせる!

要は、着こなしで色のメリハリをつけ、印象を強くすればいい、ということです。

濃い色は、「黒」「ネイビー」「焦茶」などの、ベーシックカラーでOK。「くすみカラー」のアイテムがニットなら、ネイビーなどのパンツを合わせる、「くすみカラー」アイテムがパンツなら、黒のニットを合わせる…など、コーディネートするアイテムの色を濃くするだけで、引き締まった印象に見せることができます。

先ほど「危険!」と言っていたワントーンの同系色コーディネートも、たとえば薄いグリーンのニットに、濃いグリーンのパンツなど、色の濃淡をつければすっきりと印象的に着こなすことができます。