年末年始はイベントごとが多く、なにかと出費がかさみ、ついつい節約意識がゆるんでしまいます。
節約アドバイザーの丸山晴美さんは、年末年始であっても「自炊が基本」のスタイルだそう。無理なく続けるための工夫について聞いてみました。

お惣菜コーナー
なんとなく気分が上がってくる年末年始は1年でもっとも出費が多い季節。忙しいと外食やお惣菜に頼りたくなります
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年末年始であっても自炊が基本!下味冷凍が家計に優秀な理由

なにかと忙しく、家事が二の次になってしまうのもこの時期。年末進行の仕事、大掃除、年賀の準備など、イレギュラーなことに時間を取られてくると、家事が面倒になり、お総菜や外食などに頼りたくなってしまいませんか?

忙しくても食費節約の基本は自炊です。年末年始は1年のなかでもお金の出入りが多い時期。ボーナスなどで一時的に収入が増えたとしても、その分お金を使ってしまっていては、せっかくの貯蓄チャンスを逃してしまうことになります。

●忙しいときに役立つ「下味冷凍」

節約一家のわが家は、年末で忙しいからといって、外食やお総菜に頼ることはできるだけしないようにしています。
食費節約の味方が、「下味冷凍」。ジッパーつき保存袋に、切った肉と調味液を加えて冷凍をしておき、食べる分だけを冷蔵庫で解凍して調理をするものです。

袋に入っている鶏むね肉
2kgで500円だった鶏むね肉をすべて下味冷凍にします

時間があるときにまとめて調理をして冷凍をすることで、食材が傷んでムダにすることがありません。さらに下味をつけて冷凍することで、お肉がやわらかくなっておいしくなるのです。

年末だけではなく、常時、下味冷凍をした肉をストックしているのですが、年末用に鶏むね肉2kgを合計11食分、下味冷凍にしました。

ジップロックに入れたカレー味と甘酒みそ味の鶏むね肉

カレー味×7と甘酒みそ味×4をつくりました。

下味冷凍は、鶏むね肉だけではなく、豚小間肉といったコスパのいい肉との相性も抜群です。味つけは、しょうゆとオイスターソース、ゴマ油と塩、みそなど、家にある調味料で簡単。肉と一緒にキノコや野菜を加えて一緒に冷凍することもできます。

基本的な使い方は、朝、冷凍庫から出して冷蔵庫で解凍をして、夜にフライパンで焼くだけ。肉は、衣をつけてから焼いたり、揚げることでバリエーションをもたせることができます。

●自炊は面倒なことではない。節約意識を高める方法

これを外食などに置き換えてみましょう。

子どもと私でファストフードで食事をした場合:600円のセット×2個=1200円

お総菜やコンビニでお弁当を買っても同じくらいの金額になるでしょう。
今回の鶏むね肉は500円。11食分できたので、1食あたり約45円。同じ11食分を外食やお総菜にした場合と考えると、1200円×11回=1万3200円。約1万2700円もの節約になることが容易に計算できるかと思います。

忙しいときの自炊は気が重くなりがちです。私の場合は、炭水化物を用意しておけばなんとかなると考えているので、ご飯は一度に7合をまとめて圧力鍋で炊いたものを冷蔵庫で保存しています。
うどんやパスタといった乾麺も常備しておき、仕事帰りはなるべくスーパーやコンビニに寄らず、まっすぐ帰宅するようにしています。疲れてお腹がすいた状態で買い物をすると、袋をあけてすぐに食べられるものやスイーツを、つい余計に買ってしまいがちだからです。

このような出費も積もれば大きな金額になります。買い物をせず、家にあるご飯や乾麺で夕食をすませばそういった出費も抑えられます。

外食>ファストフード>お弁当>お惣菜>レトルト食品>自炊

この順番で食費は安くなるので、迷ったときはそのときの体力と気力などを考えて、折り合いをつけるとよいでしょう。食費が膨らみがちな家計は、食費専用の財布に1週間分の食費だけをもって、予算の中でやりくりをするようにすると、買い物時には必要な食材から買うようになるので、無駄な出費を減らすことができます。

節約は一日にしてならず。年明けのお財布も、年末年始のお金の使い方がポイントとなりますので、お財布のヒモとともに気を引き締めてやりくりをしましょう。