天皇陛下の御即位を広く宣言するための「即位礼(正殿の儀)」などが、明日10月22日(火)から31日(木)までの間、国の儀式として行われます。

国内外から約2600人が参列し、テレビでも中継される即位礼(正殿の儀)。その後のパレードなどと合わせ、ぜひ知っておきたい見どころや豆知識について、雑誌『皇室』編集部監修のもと、ご紹介します(写真はすべて前回の即位の礼のもの)。

前回の即位の礼の様子
10月の「即位礼」の見どころは?
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10月22日の即位の礼の見どころと豆知識

●即位礼正殿の儀(そくいれいせいでんのぎ)

皇居・宮殿「松の間」

御即位を公に宣明され、その御即位を内外の代表がお祝いする儀式です。10月22日(火)13時~13時半、皇居・宮殿「松の間」で行われます。

松の間は「正殿」と呼ばれ、皇居の中でもっとも格式の高い場所。年頭に行われる「歌会始の儀」なども、ここで開かれます。

天皇陛下の装束

天皇陛下の装束は、「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」と呼ばれます。黄櫨染とは、黄の染料であるハゼと赤の染料である蘇芳で染めたもので、平安時代初期の嵯峨天皇以来、天皇以外は着ることのできない色となりました。「黄」という言葉が入っていますが、茶色がかった発色です。

皇后陛下の装束

皇后陛下の装束は、「御五衣・御唐衣・御裳(おんいつつぎぬ、おんからぎぬ、おんも)」と呼ばれ、いわゆる十二単です。

●祝賀御列の儀(しゅくがおんれつのぎ)(パレード)

天皇皇后両陛下のパレードの様子

天皇皇后両陛下のパレードは、当初は即位礼正殿の儀のあとに行われる予定でしたが、台風19号による甚大な被害を考慮し、当初の予定を変更して、11月10日に実施されることになりました。

正面から向かって左に天皇陛下、右に皇后陛下という並びになります。パレードを実際に見に行く場合は、その位置関係も考えて場所を取るといいでしょう。

今回使用されるオープンカーは、トヨタの「センチュリー(3代目)」を改造したもの。「皇10」のナンバーがつけられています。

車体の色は通常のセンチュリーと同じ「神威エターナルブラック」ですが、塗装を通常のものよりも多く重ね、鏡面のような仕上がりになっているそうです。

パレードでの両陛下は洋装となり、天皇陛下は燕尾服、皇后陛下はローブデコルテをお召しになります。

天皇陛下が襟元にかけている勲章は「大勲位菊花章頸飾(けいしょく)」で、日本で最高位の勲章。「頸飾」は首飾りのことです。

皇后陛下のティアラは、歴代皇后に受け継がれている由緒正しいもの。これらの勲章や装飾品にも、ぜひ注目を。

また、宮内庁楽部、警視庁音楽隊などによる演奏も見どころのひとつです。

●饗宴の儀(きょうえんのぎ)

平成の即位の礼の饗宴の儀
平成の即位の礼の饗宴の儀には、故ダイアナ元妃の姿も

御即位を披露され、祝福を受けられるための饗宴です。10月22日(火)、25日(金)、29日(火)、31日(木)に宮中で行われます。参列者は、内外の代表2600名程度です。

平成の饗宴の儀で出されたお料理はこちら。

<外国元首等用>
平成の饗宴の儀で出された外国元首等用のお料理
『宮中 季節のお料理』(扶桑社刊)より

(1)前菜 (2)酢の物 (3)焼物 (4)温物 (5)揚物 (6)加薬飯 (7)吸物 (8)果物 (9)菓子

<国内被招待者用>
平成の饗宴の儀で出された国内被招待者用のお料理
『宮中 季節のお料理』(扶桑社刊)より

(1)汁物 (2)作身 (3)取肴 (4)焼物 (5)温物 (6)酢の物 (7)加薬飯 ※右手前の箱はご下賜の記念品

今回も、このときの内容を踏襲したものが振る舞われると考えられます。また舞楽の披露なども予定されています。

10月22日から23日は、多数の外国要人の来日にともない、都内では広範囲で交通規制が実施されます。期間中は混雑が予想されますので、お出かけの際にはご注意を。