節約したいとき、まずは家賃などの大きな固定費を見直すのが第一ですが、それが難しい場合はどうしたらいいのでしょうか? 
実際に相談を受ける“お金のプロ”である節約アドバイザーの丸山晴美さんが、ご自身の家計の工夫について教えてくれました。

お財布事情が厳しいなか、プロが実践した大幅見直しとは?

親子が向かいあっている様子
子どもと2人の生活に。お金のやりくりにこれまで以上に厳しくなりました(写真はイメージです)
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私は22歳のときに節約に目覚め、1年間で年収300万円台、一人暮らしで200万円貯めたことで、その節約術がメディアに注目されました。その後、節約アドバイザーとして独立し、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー、調理師、宅地建物取扱主任士(登録)認定心理士などの資格を取得して各メディアや講演などを通じて、身の回りの節約だけではなく、投資運用、格安スマホの乗り換えといった最新のサービスを含めて幅広く提案しています。簡単に言いますと、生活のお金まわりのなんでも屋さんです。

現在は、こうした活動のほかにも小学生の子どもの母であり、大学にも通っています。いろんな顔をもっています。しかし、妻という顔は現在ありません。
私が置かれている状況を端的に言うと、慎ましくも楽しい生活をしているシングルマザーです。

今の暮らしはとにかくお金が出て行ってしまいます。その大きな理由は住居費です。
本来ならば大きな固定費である家賃を安くするために引っ越しを考えますが、ただでさえ親の離婚で不安定になっている子どもの小学校を変えないためにと、悩みに悩んだ末の決断で、所得ギリギリのラインの賃貸マンションに住むことにしたのです。

●高めの住居費だけは変えられない。ならば日頃の出費を大幅見直し!

一般的に住居費は収入の3割ですが、わが家の住居費は正直ギリギリのラインです。収入に対して住居費の割合が増えればそれだけ貯蓄の割合が減ることになります。収入に対して住居費と貯蓄を合わせて4割が目安ですから、住居費が安ければそれだけ貯蓄がしやすいというわけです。

住居費を高いまま変えなかったのは、優先順位のトップである子どもの小学校を変えずに卒業させたいと思ったから。ですから、ここは子どもが卒業するまでの期間限定だと割りきっています。
とはいえ、毎月かかる家賃はしっかりと払い続けなければいけません。そこで、日頃の出費を大幅に見直すことにしました。

【見直した出費】


ヨガ 16000円/月
サプリ 3456円/月
美容オイル 2592円/月
通信費 9880円/月
年会費がかかるクレジットカードの解約 500円/年
年会費がかかるデビットカードの解約 1000円/年
年間合計38万4636円

おもに、私自身が使っていたものを次々と解約しました。年間にすると38万4636円もの節約になります。

ヨガはとても気に入っていて、ずっと通っていたいという気持ちはあったのですが、忙しくなってなかなか行く時間が取れなくなってしまったことと、優先順位は家賃や生活費の捻出なので、思いきって退会することに。

サプリは効果がよくわからなかったことと、オイルはもっと安くて良いものを見つけたのでそちらに乗り換えました。定期購入や定額払いをしているものは、適宜見直すといいでしょう。使っていないのに払い続けているものもあるかもしれませんよ。

月々の出費としてはあまり気にならなくても、年間で考えた場合に必要かどうかというところまで考えるといいと思います。わが家の場合、月約6000円の定期購入は、1週間分の食費に相当しますので、迷うことなく解約できました。

●スマートフォンなどの通信費は適宜見直し。少しでも安くする

クレジットカードとお札の画像
毎月もしくは年間で払っている固定費は見直しやすい部分(写真はイメージです)

通信費も、以前は大手キャリアの携帯電話とスマホに加えてモバイルルーターも所有していました。現在は、携帯電話はそのままでキッズ携帯(子ども用)をプラスして、スマホは大手キャリアから格安にして、モバイルルーターは解約。
通話は携帯電話(ガラケー)、格安スマホはデータプラン+SMS(ショートメールサービス)にして安くしています。スマホでの通話はLINEの通話ですましています。もっと節約する余地があると思うので、通信費は適宜見直しをして行こうと思います。

●利用頻度が低いのに年会費を払い続けているカードも見直し対象に

クレジットカードやデビットカードなど年会費がかかる部分にも見直しをしていきました。初年度無料で加入してみたものの、利用頻度が低く年会費を払うほどのメリットも受けていないものは解約しました。

毎月もしくは年間で払っている出費を見直すと、それ以降はずっとそのお金はかからなくなります。節約をしたいと考える人にとっては見直しやすく、効果も高い部分だと言えます。生活費の見直しは、優先順位の低いものから削っていくことが大切です。

丸山家のお財布事情は厳しくもありますが、こうした見直しをするだけでも暮らしの安心材料になります。皆さんの参考になればと思います。