日本最大級のオンラインサロン経営者で、いまもっとも注目を集める起業家・河村真木子さん。過去には、高校を20歳で卒業したり、外資系金融機関で働きながら20代でシングルマザーになったりなど、さまざまな困難に直面してきたそう。

そんな河村さんが先日上梓した初著書『超フレキシブル人生論 “当たり前”を手放せば人生はもっと豊かになる』(扶桑社刊)には、仕事や子育てなどさまざまな場面において、当たり前を手放してよりよく生きるためのヒントがつまっています。

一児の母でもある河村さんが、「親には、ほかの人の子育てを知る『親の学校』が必要だと思います」と話す理由は…?

親が「ほめ専」に徹するべき理由。女性起業家の目から鱗の子育て術

家族の教育も必要~毒親をなくせ

河村真木子
河村真木子さん
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子育てをしていると「毒親」を発見することがあります。それがまた、普段はとても性格のいい友人や穏やかなママ友。大人とコミュニケーションを取る分にはなんら問題ない方々が、やれ自分の子どものことになると豹変する。やたらと悪いところばかりを見つけて指摘したり、怒ったり、ピリピリしまくる。これだけならまだ毒親とは言えないけど、私が毒親認定するのは、この手のママたちが以下のことを成し遂げようとするのが垣間見えたとき。

まず、自分の理想を子どもに押しつける親がいます。自分の世間体を守りたいためのお受験、他人から見た時に世間体のいい結婚や就職。なんでもかんでも意見を言って口出ししてきます。子どものスペックを上げて、自分もそこに乗っかりたい人。そして子どもがそれに応じない、または、応じようとしてもうまく達成できないときにまるで許す気がない人たち。

全否定するような言葉を平気で投げかけたりします。毒親は子どもを自分の延長のように考える傾向にあって、一人の人間としての人格を尊重しません。自分自身と同化し過ぎているあまりに、遠慮なく子どもに自分の理想像を押し付ける。そして子どもが自分の理想を達成できないときに、毒親も自分自身を激しく責めたりします。

●「毒親」に共通すること

先日、それこそ周りから「性格がいい人」とされている友人が、親子でわが家に遊びにきたとき、「将来なりたいもの」の話になりました。お子さんは、おしゃれが好きだから美容師になりたいというと、友人が鬼の形相で「◯◯ちゃんはお医者さまになるんじゃなかったの?」とにらみつけています。怖すぎるので私がツッコミを入れたら「子どもなんてよく分かってないんだから、親が小さいうちから刷り込まないと」とのこと。

毒親に共通するのが、「子どもなんてなにも分かってない」と決めつけたり、子どもの意思や個性を鬼スルーするところ。子ども一人一人をよく見てないのかな? と思ってしまうほど、「自分」がセンターに登場します。そのために子どもに過度に干渉しやすい。

毒親という大きなカテゴリーでいうと、前出の「過干渉タイプ」と「ネグレクトタイプ」の二つに分けられます。「ネグレクトタイプ」は少数派だと思いますが、産んだだけで、ほとんど子どもに興味なし。子どもも愛されていないのが分かるから、どんどん人間界に心を閉ざしていきます。人間、愛をもらった人しか他人を愛せないため、ネグレクトタイプの毒親のもとに生まれた子どもは、愛着障害(※2)を起こすことが多いと言われています。

※2イギリスの児童精神分析学者ボウルビー(John Bowlby)が提唱した「愛着理論」(attachment theory)によると、訴えや要求に対する応答が密なほど安定した愛着(安定型愛着)が形成され、小児期以降に安定した対人関係をつくりあげる礎となる。しかし、安定した愛着が形成されない不安定型愛着では愛着形成障害を生じ、その後の心身の不安定や行動障害をもたらす、とされている。