レバーハンドルに手を触れずに吐水・止水ができるタッチレス水栓。コロナ禍の2021年に家づくりをした日刊住まいライターは、迷うことなくキッチンと洗面所にタッチレス水栓を採用しました。実際に住んでみて1年半。キッチンと洗面所のタッチレス水栓の使用感をレポートします。

キッチンのタッチレス水栓
便利で衛生的と思われたタッチレス水栓。家事視点では、意外な落とし穴も
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タッチレス水栓は、水圧の微調整が難しい!

キッチンのタッチレス水栓

わが家はキッチンに、タッチレス水栓を採用しています。タッチレスで吐水・止水はできますが、温度と水圧は手動でレバーハンドルを操作して調整が必要なタイプ。

調理やあと片づけの際の手は、水で濡れていたり、油で汚れていたり。そんな手で、レバーハンドルを触らずに吐水・止水ができるのは、非常に便利。

しかし、台所仕事では、水道の温度と水圧の調整が思った以上に必要で、そんなときは、使い勝手にものたりなさを感じることも。

たとえば、下ごしらえで水を使ったあと、ボウルを洗うためにお湯を使うとき。下ごしらえで使う水は、弱い水圧で少量使いたい。一方で、ボウルを洗うときは、お湯にして強い水圧でさっと洗ってしまいたい。これが、実際に作業をする者の希望なのですが…。

吐水・止水のためにタッチは不要でも、結局、温度と水圧の調整で水栓に触らなければなりません。しかも、濡れた手や汚れた手で、というケースもしばしば…。

これではタッチレス意味が結局なくなるし、水栓掃除の手間も減らないことになってしまいます。

 

思ったとおりに反応せずに、イライラすることも

キッチンのタッチレス水栓

タッチレス水栓がイマイチな点はほかにも。ときには思ったように反応しないことがあります。これもとくに、キッチンでの作業中に、よくあることです。

タッチして吐水したつもりが出ていない、止水したつもりが止まっていない。そして、タッチするつもりがなかったのに、たまたまセンサーの反応場所の近くに手を伸ばしてしまって吐水してしまう…などなど。

「あれ!?」と思うことが、じつはけっこう多いのです。

「タッチレス水栓は、節水にもなる!」と思って採用したものの、こんな調子では、本当に節水できているのか疑問に感じることも。

 

洗面所に採用したら、洗面の水浸しがなくなった

幼い子が洗面を使う様子

わが家で採用している洗面所のタッチレス水栓は、水栓の下に手を伸ばすことで吐水するタイプです。温度と水圧はキッチンと同じようにレバーハンドルで調整する必要が。とはいえ、洗面所で水を使う目的は、ほとんどが手洗いやうがい。同じような温度と水圧で使うことばかりなので、わざわざレバーハンドルを操作することは、ほとんどありません。

洗面所は筆者以外にも、夫や4歳の娘も頻繁に使う場所。タッチレス水栓にしたことで、濡れた手でレバーハンドルを触る必要がなくなりました。

賃貸マンション時代、おもに掃除をする立場だった筆者は、水びたしになった洗面ボウルや床を見るたびに「あ〜、べちゃべちゃ!」とガッカリしていました。でも今は、そんな思いをすることはありません。

帰宅したあと、また、トイレのあとなど、汚れた手でレバーハンドルを触る必要がなくなったのも、とてもうれしいポイントです。