最近の家づくりでキーワードとなっているのが「サスティナブル」。持続可能なという意味です。SDGsの広まりによって、関心が高まりつつあります。『サステイナブルに家を建てる』(アノニマ・スタジオ刊)の著者で、翻訳家の服部雄一郎さんが、数ある工夫のなかからとくに、多くの家に応用できそうな「エネルギーの効率化」について紹介します。できる限りエアコンに頼らない住まいとは?
すべての画像を見る(全12枚)家はコンパクトながら、外空間も活用してゆとりを
家づくりをするのは夫婦にとって初めてのこと。2年近く話し合いをして、完成したのは2階建て95㎡の家。5人家族、かつ仕事場も兼ねる家としてはかなりコンパクトです。でも、外空間を取り込むようなつくりになっているので、広がりがあります。
高知県の山のふもとにあるこの敷地は、広々とした南向きの土地。もともと棚田だった場所なので、急な段差がありました。家づくりにあたって、土をならしてなだらかな傾斜にし、使いやすい地形にしています。西には離れの小屋を建て、果樹を植えたり、野菜を育てたり。
家の一部でありながら、外空間でもある、わが家の土間。出入り口として、また、野菜や果物などの一時置き場として利用しています。テーブルを置いて、ちょっとした接客スペースにすることも。ちなみに、玄関は省略しています。
家事スペースも戸外に。いわば、青空洗濯室といったところです。家の西側に深めの「差し掛け屋根」をつったので、雨天でも家事ができます。
貴重な床面積を洗濯機回りのスペースに割かない、というのがポイント。予算的にもエコ的にもメリットがあります。