窓は外観デザインの重要なポイントであるとともに、暮らしを快適にしてくれる装置でもあります。一級建築士の大島健二さんが、家づくりに役立つ窓の基礎知識を解説。家全体に風を通す窓の考え方や、リビングや寝室、そして、浴室や洗面室を快適にする窓のつけ方について教えてもらいました。

リビングの窓
一年を通して快適な住まいを実現するには、窓の位置や種類にこだわりたい(写真はイメージ)
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Q1 外観デザインにこだわるには?

A.南側は開かれた外観デザイン、北側は閉じたデザインを意識

必要なところに、必要な数だけ窓を設けることは基本ですが、とくに家の顔になる道路側の窓に関しては、その形や大きさ、数を意識して整える必要があります。

南側には光や風を採り込むための大きな窓が集まるので、開かれた外観デザインを意識。北側にはトイレや浴室、キッチンなどの機能重視の窓が集中しがちなので、プライバシーを重視して閉じたデザインを意識する必要があります。

そろえるならそろえる、ランダムにするなら徹底してランダムに散りばめるなど、直接機能的に必要のない窓も巻き込んでデザインする必要があります。

 

Q2 家全体に風を通すには?

A.夏の季節風を考慮して窓を配置。最低でも2か所以上に開口部を!

窓の種類

季節や地域によって風向きは異なりますが、基本的には湿気や熱がこもりやすい、夏の季節風を考慮して窓を配置します。南と北、もしくは対角線方向など、最低でも2か所以上に開口部を設けなければ通風しません。

また風は直線に流れるわけではないので、1階と2階に開口しても、圧力差によって通風できます。ただ大きな引き違い窓を開けても、カーテンやブラインドなどがバタバタするようでは居心地はよくありません。横長の滑り出し窓や縦長のスリット窓を少し開けておくだけでも、通風は可能になります。

また年中風が吹くとは限らないので、熱や湿気がこもりそうな場所、ウォークインクローゼットや洗面室、吹き抜けの上部などに換気扇を設ければ、家全体に空気の流れをつくりだすことができます。