保護ネコと暮らしたいと考えた住まい手が、ペット可で、勤務先や実家へのアクセスがいい物件を見つけ、ネコにとっても居心地のいいアイデアを随所に施したマンションリノベーションの事例です。寝室に毎朝気持ちよくメイクができるインナーテラスをつくったり、アメリカのアンティークドアをリビングドアに使って楽しんだりして、自分好みのインテリアを楽しめるように。人とネコが気持ちよく暮らしています。

キャットステップを上るわさび
キャットステップを上るわさび。すぐ下にある見守り用のカメラで、日中、留守にしていてもスマホから様子をチェックできる
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ネコとの出会いがきっかけ。理想の間取りとインテリアも実現

●この家のプロフィール

  • ・Kさんの家 東京都
    ・家族構成:本人50代 わさび6歳
    ・築年数:51年(1970年築) 専有面積:70.99㎡
    ・工事費:1000万円(税・設計料込み)
    ・設計・施工:インテリックス空間設計
LDK全体

保護ネコだったわさびと、見晴らしのいい都心のヴィンテージマンションに暮らすKさん。知人が弱った子ネコを保護し、相談を受けたことで、以前からネコと暮らしたいと考えていたKさんが引き取ることにしました。

「当時の住まいはペット禁止。年齢的にも物件購入のリミットを考えていたこともあり、わさびに背中を押される形で、ペット可で、勤務先や実家へのアクセスがいい物件を探し始めました」

条件に合う立地で、明るさと眺望に恵まれた物件と出会い、リノベーションをスタート。内装のベースは、Kさんの好きな和の古家具と相性のいい、シンプルめのインダストリアルテイストにしました。

リビングの天井は躯体現しにして、キッチンにはモールテックスの腰壁を設けてクールな雰囲気をプラス。「ひとり暮らしなので空間を広く使いたい」と、室内窓つきの間仕切り壁でLDKと寝室をゆるく仕切った、ほぼワンルームの間取りを採用しました。

 

わさびという名前のネコ
6歳のメスの「わさび」。名前は、黒と赤茶色が交ざったネコの毛色の「錆びネコ」から。かまってちゃんなのに、かまうと冷たいツンデレ気質。それでいて布団にもぐり込んでくることも

リノベのプランには、わさびとの暮らしを考慮したものもあります。造作で設けたキャットウォークは、足場板のような質感の塗装を施して、空間にマッチした仕上げに。玄関からの飛び出し防止用に設けたリビングドアは、ひと目ぼれしたアンティークを選択。

「予算の都合でペット向きといわれる無垢材の床はあきらめましたが、できるだけすべりにくいものを選んでもらいました」

念願だったネコとの暮らしが「ただただ楽しい」と笑顔のKさん。窓から外を眺めたり、オープンな部屋を走り回ったりするわさびの姿に、やすらぎを感じています。