ゴミやムダ(ウェイスト)をなるべく出さない暮らしを実践する「ゼロウェイスト」。家族4人でゴミを年間1リットル以下しか出さないベア・ジョンソンさんの暮らしぶりが世界的に注目され、欧米を中心に取り入れる人が増えています。今回は、『別冊天然生活 エコでやさしい暮らし』(扶桑社刊)より、高知県でムダのない暮らしを楽しむ服部麻子さんの暮らしの知恵を7つご紹介します。

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服部麻子さん
服部麻子さん
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もともとは神奈川県の葉山で「やまねごはん」として活動していた服部麻子さん。当時からオーガニックや地産地消に意識的でしたが、夫の雄一郎さんがゼロウェイストの仕事に関わり、ベア・ジョンソンさんの著書『ゼロ・ウェイスト・ホーム』(アノニマ・スタジオ)の翻訳も手掛けたことをきっかけに、ゼロウェイストを実践するようになったとか。

●ゴミが減ることで、感じるようになった「心地よさ」

料理

最初は、服部さん自身はゼロウェイストに対して受け身だったものの、だんだんゴミが減っていく様子を見て、感情の変化が生まれるように。

「ゴミが少ないとゴミ出しの回数が減り、ゴミ箱がにおうことも皆無に。純粋に“心地いいな”と感じるようになりました」

では、そんな服部さんが実践する「ゴミやムダを減らす生活の工夫」とは?

●コツ1:ゴミを減らす基本は、買い物を最小限にすること

鍋
ごはんを炊く土鍋。フタが割れたが、パスタ鍋のフタがぴったりはまったので、捨てずに利用中

服部家のゴミは、かなり少な目。生ゴミは土へ。過剰包装は断り、出たゴミはきちんと分別。自然素材のものを選び、買い物は最小限を心がけるのが基本です。

「ゴミというと“リサイクル”のイメージですが、エネルギーを使うリサイクルは最終手段。その前の“ムダを省く”プロセスにこそ、ゼロウェイストの楽しさがつまっている気がします」

すべてのものはいつか壊れてゴミになるので、「代用できるものは買わない」がゼロウェイストへの一番の近道。服部家では、ごはんは鍋炊き、温め直しは蒸し器、パンは焼き網で焼くので、炊飯器も電子レンジもトースターもありません。買わなければ、壊れたときに処理を心配する必要もなくなります。

●コツ2:調味料はリターナブルな一升ビンで購入

ビン
一升ビンは買ったお店でなくても払い戻しをしてくれる

ガラスビンは通常、細かく粉砕してリサイクルされます。でも、一升ビンなどのリターナブルなビンは、洗浄してそのまま再利用されるので、よりエコロジカル。

酒、しょうゆ、みりんなどは、一升ビンで買って、あきビンを酒屋さんやスーパーに持っていくと、数円払い戻してくれます。この場合、買ったお店でなくても払い戻しをしてくれるそうです。

●コツ3:マイ容器を持参して、包装のムダを減らす

マイ容器
農家からはカゴで購入

スーパーでは、ほぼすべての商品がパッケージに包まれているので、せっかくマイバッグやマイ容器を持参しても、なかなかパッケージゴミは減りません。

ただ、肉屋さんやパン屋さんなどの個人商店では、マイ容器で買い物がしやすいのだとか。スーパーのインストアベーカリーや魚コーナーも同様です。近所の生産者さんから直接購入できる場合、服部さんは「マイカゴ」を持参して野菜や卵を入れてもらっています。

通販などを利用する際も、割れ物ではない限り、緩衝材を断るのもコツ。

注文時、備考欄に「ゴミを減らしたいので気泡緩衝材等は一切入れないでください。破損のクレームはつけません」と書くと、ほとんどのお店がそのまま送ってくれるそうです。ただし、備考欄のないお店ではできないようなのでご注意を!