49歳で整理収納アドバイザーになった、阿部静子さん。若い世代が活躍する仕事ですが、 55歳の今では、優秀講師として表彰されるほどの人気講師に。53歳で初著書『ハンカチは5枚あればいい』(すばる舎)を出版し、現在は2冊目の本も進行中です。そんな阿部さんの得意分野は、シニア世代向けの片づけ・収納です。自分の家はもちろん、実家の片づけにも役立つヒントを教えてもらいました。

関連記事

49歳で整理収納アドバイザーに転身。「若すぎない講師」として成功するまで
オンライン講座をする阿部さん
コロナ禍で増えたオンラインの講座。ラベンダー色のブラウスと眼鏡で、話しやすくやわらかい雰囲気です。
すべての画像を見る(全6枚)

50代60代からうまくいく片づけ術。テクニックはいらない

整理収納アドバイザーとしては、遅咲きの阿部さん。小さい子どもがいる家の片づけ、おしゃれな収納法など、若い世代向けのアドバイスはその世代に任せ、自分と同世代、そしてその上の先輩世代への提案に重きをおきました。

 

●シニアの片づけの悩みには捨てられないこと

「子どものものが増えて困るなど若い世代向けの悩みを解決する片づけ法は、いろいろありますが、シニア世代に向けた提案は意外に少なくて。シニア世代の悩みの多くは、“ものが捨てられない”こと」と阿部さん。そこで、おすすめするのは“片づける前にものを減らす”こと。ものが少ないほうが高度な収納テクニックがなくても、ラクに片づけられます。

キッチン収納
東日本大震災を経験したので、キッチンには食品ストック専用の引き出しを。ローリングストックで食べながら保存するのは、受講生さんにも興味のある収納です。

シニア世代の受講生さんから、“自分たちより少し若い講師”と思われ、服装や考え方まで共感を持ってもらうことも。若すぎないことがメリットになりました。

キッチン収納
阿部さんでも、忙しいときは引き出しがこんなふうになることも。でも、仕切って立てて収納しているので、上の写真のように5分で元に戻ります。

ものは減らしたいけれど、なかなかできないと思っている人も多いと思います。そんな方こそ、これから紹介する阿部流メソッドを試してみてください。

●実家の片づけにも応用できる、片づけの手順

「これは、私が実際に開催している、シニア向けの『ハッピーお片づけ講座』で多くの受講生さんに共感を得たものを元にしています。“私はまだシニアではないわ”と思われる方は、気になる部分だけでも。実家の片づけに悩まれる40~50代の方からも、『母と一緒にやってみます』という声もあるんですよ」

 

・目標を決める

「講座の初めに、受講生さんに必ず聞くことは『スッキリした部屋で何をしたいですか?』ということ。ものを減らす=苦しいことのイメージを払拭してください。『好きな音楽を聴きながら、コーヒーを飲みたい』『のんびりと趣味の手芸をしたい』など、楽しいゴールを思いながら片づけて」。

前回の、阿部さん自身が実践された“新しい挑戦をするときのポイント”として紹介したことと同じです。何事も目標を立てると、達成しやすくなります。

 

・無理してものを減らさない

「ものを減らすために、お気に入りのものや思い出のものを処分してしまうと、後悔します。減らすものは、もう使っていないもの、思い入れがないものなど、なくなっても後悔しないものです」。

わかっていてもなかなか減らせないという人は、次に紹介する、家の中の片づける順番を参考にしてみてください。