リモートワークが推奨されていることもあって、移住や二拠点生活を始める人が増えています。でも、実際に住み始めてみると思いがけないトラブルや不便さに戸惑うことも少なくない模様。実際にあったトラブルの具体例と、トラブルにあってしまったときの対応策を紹介。移住や二拠点生活のための物件仲介も多いという、宅地建物取引士の吉井希宥美さんに聞きました。

冬の軽井沢のイメージ
軽井沢の冬は、想像以上に寒い
すべての画像を見る(全4枚)

トラブル内容:水道管が破裂し、まともな生活が送れない

冬の軽井沢が寒すぎて、水道管が凍結してしまい、破裂してしまった。

そんなトラブルを抱えて暮らすのは、ともに40代のAさん夫婦。「犬と一緒に暮らしやすい軽井沢に移住したい」という希望もあって、3年ほど前に中軽井沢の中古住宅を購入。東京・品川のマンションと二拠点生活をスタートしました。

 

寒さに耐える自信がなくて、移住ではなく二拠点を選択

ビーグル犬のイメージ

筆者が接客したのは、東京在住のAさん夫婦。子どもはいませんが、飼っているビーグル犬を溺愛しています。

以前から「犬と一緒に暮らしやすい軽井沢に移住したい」という希望を持っていましたが、ひとつだけ不安なことがあったたため、移住ではなく二拠点生活を選びました。

 

中軽井沢駅

不安なこととは、軽井沢の冬の寒さ。軽井沢は、関東エリアにお住まいの方にとって、想像以上に冬の寒さが厳しい場所です。標高約1000mの場所に位置するため、夏は涼しいですが、冬はとても厳しい寒さとなります。

東京からは、新幹線で1時間ちょっと。アクセスしやすい距離ですが、冬は最低気温がマイナス10℃前後まで下がる日も多くあります。10月になるとすぐストーブが必要になり、厳しい寒さは3月末くらいまで続きます。

つまり、軽井沢は半年間くらいが「冬」なのです。ともに東京生まれのAさん夫婦は、冬の寒さに耐えられる自信がなかったため、週末だけ軽井沢に住むことにしたのです。

当初からAさん夫婦は「別荘地は管理費がかかるので、別荘地以外の戸建てがいい」と強く希望していました。そこで、スーパーやホームセンターが近くにある、中軽井沢にある一戸建ての中古住宅を数件見学し、そのうちの1件を購入することに。

土地の広さは約200坪、建物は約40坪ほど。都内では考えられない広々とした物件で、築12年と築浅。水回りの故障や雨漏りなどもありません。大事に使われていたため、状態がよく、まさに「掘り出し物」でした。