春らしい装いでESSE4月号の表紙を飾ってくれた木村佳乃さんにインタビュー。
映画『騙し絵の牙』に大河ドラマ『青天を衝け』と、話題作への出演が続いています。

日常が変わっていくなかでも、「普段どおりでいたい」という言葉に健やかに過ごす秘訣がありそうです。

立つ女性
木村佳乃さんインタビュー
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木村佳乃さんインタビュー。「子どもたちが毎日楽しく学校へ通えるありがたさを実感しています」

カメラの前に立った木村佳乃さんは白いシャツにデニムと、ひと足早く春が訪れたような装い。プライベートでもおしゃれが大好きで、「娘たちのコーディネートを考えるのが、毎日の楽しみ」と話します。

●娘たちのコーディネートを考えるのが最近の楽しみです

「普段着は原色を使ってカラフルに、始業式などきちんとした場では紺でシックに…と、TPOに合わせてメリハリをつけるのが楽しいんですよね。ただ、最近は長女もこだわりが出てきて『これはイヤ!』と抵抗されることも。本人たちは相変わらずディズニープリンセスのドレスが好きなようで、お休みの日はスパンコールをキラキラさせながら歩いてます(笑)」

今は2人の娘さんも小学生となり、お弁当づくりも毎朝の習慣に。慣れましたか? と尋ねると、「大変ですよお!」と苦笑します。

「でも忙しいときには冷凍食品も使って、ほどよく手抜きしています。よく入れるおかずは、牛肉のしぐれ煮。ちょっと濃いめの味つけがご飯に合うんですよね。まとめてつくって冷凍しています」

ただ…と続け、「今はお昼ごはんも私語禁止で、みんな前を向いて食べなきゃいけないのはちょっとかわいそうですよね」と木村さん。

「去年は休校の時期もあったけど、子どもはやっぱり学校に行っている方が元気。今日はドッジボールした、二重跳びが何回できた、と楽しそうに報告してきます。子どもはそうやってお友達と遊んだり、ケンカしたりして成長していくものだから。子どもたちが楽しく学校に行けることはとてもありがたいし、必要なことだと実感しています」

●『騙し絵の牙』では編集長役に

顎に手を置く女性

間もなく公開される出演作『騙し絵の牙』は、大手出版社を舞台にひと癖ある編集者や作家たちが、騙し合いを繰り広げていく、先の読めないスリリングな物語。

木村さんは出版社の看板雑誌でもある、文芸誌の編集長を演じています。

「彼女は、本当はシンプルに『いい本がつくりたい』と願っているだけなのに、編集長という立場に縛られて、上司との板ばさみになっている人。文芸誌の編集長と聞くと、もっと年上で知的なイメージがあるから、最初は私に務まるかな? と心配でした(笑)」

主演の大泉洋さんをはじめ、佐藤浩市さん、國村隼さん…といった豪華キャストも見どころの本作。物語が大きく転換していくシーンでは、宮沢氷魚さんとのやり取りが印象に残っているそう。

「あまりにも氷魚くんがキラキラしているので、一緒にお昼を食べて質問攻めにしました。先輩としてアドバイスしよう、というより、単にカッコいいな~と思って(笑)。

でもこの作品に限らず、せっかく縁があってご一緒したからには、できるだけコミュニケーションを取りたい。役づくりのために1人でいたいという場合は別ですけどね。自分から話しかけて、どんな方なのか知るようにしています」

●「普段どおり」を意識しつつ新たな挑戦を続けたい

現在は、始まったばかりの大河ドラマ『青天を衝け』の撮影も進行中。感染予防のため、現場も以前とは変わっていますが、「さすがに慣れてきたかも!」とからり。「ただ困るのは、初対面のあいさつのときにマスクをしているから、次に会ったときだれだかわからないこと。あとから気づいて、ごめんなさい! と謝ることもしばしばです」

仕事でも家庭でも、なるべく構えず「普段どおりに」。それも木村さんならではのスタンスです。

「世界じゅうが同じ状況ですから、あわてていても仕方ない。私自身があまり器用なタイプじゃないので、急に習慣を変えるのも難しいですし。旅行に行けないのは寂しいですけどね。健康に気をつけつつ、今までどおり自分にできることにチャレンジしていきたいです」

どんな状況でも、ぶれずに軸をしっかりもっている木村さん。だからこそ、いつも周りを明るく照らしてくれるのでしょう。

【木村佳乃さん】

1976年生まれ、東京都出身。1996年ドラマデビュー。2011年に長女、2013年に二女を出産。映画やドラマに加え、近年はバラエティ番組でも活躍。近作にドラマ『アライブ がん専門医のカルテ』『恋する母たち』など。映画『騙し絵の牙』が3月26日に公開。現在、NHK大河ドラマ『青天を衝け』にも出演中