インスタグラムやブログですてきな収納を見て、似たような収納グッズを買ってみたものの、「なんか違う」「思ったように片づかない」となった経験はありませんか?

後悔しない収納グッズの買い方について、ライフオーガナイザー・ファイナンシャルプランナーの下村志保美さんに語っていただきました。

収納グッズは「収納場所の高さ」と「収納するものの量」で選ぶ!

どこに収納したのかわからなくなってしまったり、中身が取り出しにくかったりと、いまいちしっくりこない収納グッズ。
とはいえ「せっかくそろえたのに」と思うとなかなか捨てる気になれず、部屋の中で「かさばるゴミ」と化してしまうことも。

たとえ100円グッズだとしても、使えないものにお金を使い、また不便を感じながら使い続けるのはムダですよね。

今回は、収納グッズを買う前や捨ててしまう前に、知っておくべきポイントをまとめました。

●1.収納グッズを置く場所と高さをチェック

同じ収納用品を使っても、置く場所によって使いやすさは変わります。また、身長によっても「使いやすい高さ」は異なるもの。

ここでは収納棚の位置を「高い」「真ん中」「低い」に分け、それぞれ最適な収納グッズをご紹介します。

「高い」「真ん中」「低い」
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引き出しをスムーズに使うには、あごの高さが限界。

それより高い場所におくと、使いにくい収納になってしまいます。ここでは引き出しは棚の真ん中に置いています。

高い位置は「取り出したら戻さない」ストック類の収納がおすすめ。

高い位置は「中身を取り出したら戻さない」ストック類の収納がおすすめ。「使ったら戻す」文房具のようなものには不向きです。
また、地震などで頭上に落ちてくることも考え、重量のあるものを置くのはやめましょう。

ここではストックの収納に写真のようなファイルボックスを使っています。
目線以上の高さに置かれているものは、中のものを確認するときにボックスごと取り出さなくてはならず、片づけるのが面倒になりがち。中身がわかるようラベリングするなどの工夫があるといいですね。

細かいもの、よく出し入れするものは真ん中の高さに収納するのが正解。

細かいもの、よく出し入れするものは真ん中の高さに収納するのが正解。
ストレスなく出し入れできること、ひと目で見渡せることで、ムダな買いものがなくなります。

使うときには「屈む」という動作が必要になります。

低い位置はざっくりとした収納がよいでしょう。この位置は視界に入りにくく、使うときには「屈む」という動作が必要になります。

膝より低い位置に小さい収納用品を使うと、なにが入っているかわかりにくく、収納したものは忘れ去られることに。「あれどこ?」の原因になります。

私は写真のように、片づけ作業に持って行く大きなバッグを入れています。このように大きなもの、重いものの定位置におすすめです。

●2.収納するものの量がどれくらいあるのかチェック

インスタグラムやブログにすてきな収納グッズが載っていたら、どれくらいの量のものを入れているのかチェックするクセをつけてください。

食器収納の画像があれば、どれくらいの量の食器をもっているのか。食器と食器の隙間はどれくらいあいているか。

収納するものの量がどれくらいあるのかチェック

多くの収納ブロガーさんの場合、収納グッズがあるから片づいているのではなく、ものを厳選して、片づけやすい量だけもっているから片づいているということがほとんどです。

収納グッズは、ゆとりの空間があるからこそ使いやすいのであって、ギュウギュウづめでは使いにくいもの。同じ収納グッズを買ってマネしても、取り出しにくい収納になってしまいます。

頂き物や趣味に合わないものなど「使えるけど使わない、だけど捨てるのがもったいないもの」のために収納グッズを買っていませんか?

使わないもののために貴重な収納場所を使い、それを片づけるために収納用品を買う、それこそもったいないことです。
収納グッズが使いにくいと感じている人は、中に入れるもの自体を見直す、ということも視野に入れてみてください。

●3.買う前に…まずは代用品で試してみる

収納用品の使いやすさは人それぞれ。だれかの「使いやすい」があなたにとっての「使いやすい」とは限りません。

見えない収納でも中になにが入っているか把握できる人もいれば、見えない収納だと忘れてしまうという人もいます。そしてそれは同じ家で暮らす家族間でも違います。

いきなり収納グッズを買うのではなく、あき箱や紙袋を使って「お試し期間」をつくるのもおすすめ。

いきなり収納グッズを買うのではなく、あき箱や紙袋を使って「お試し期間」をつくるのもおすすめ。

たとえばファイルボックスを買う前に、紙袋の上を折り込んでしばらく使ってみましょう。事前にサイズを調べて合わせるといいですね。

チェックすべき項目は、置く場所の位置や収納グッズの高さ、形など。写真のように、「取り出さないと中身がわからない」ことが不便かどうかも、しばらく使ってみるとわかります。

本当に納得できたら収納グッズを購入しましょう。たとえ100円グッズであっても、しっかり吟味検証することが大切です。

お試し期間から“本採用”する人も。

人によっては、お試しの結果、収納グッズを買わない場合もあります。とくにキッチン回りは、「汚れたら新しいものに取り替えればいいだけの紙袋収納の方が気楽!」と、お試し期間から“本採用”する人も。

「収納グッズを買っただけで即片づく!」なんて都合のよい魔法はありません。

いつも片づき、必要なものが見つかり、ストックが把握できてムダづかいが減る…そんな収納をつくるために、今回まとめたポイントをふまえつつ、置く場所の高さや中身の量などをぜひ工夫してみてください。ゴミ化していた収納グッズも、使い方を変えるだけで、生まれ変わるかもしれません。