昨年末、教育の現場で同僚教師による悪質ないじめのニュースが話題になりました。

ESSE読者267人に「大人のいじめ」に関するアンケートを実施したところ、半数以上にあたる150人が職場や周りの人間関係の中で「大人のいじめ」を体験したり見聞きしたことがあると回答。その実態を詳しく聞いてみました。

指をさされてうずくまる女性
就職したてのときに、職場でいじめの被害に(※画像はイメージです)
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こんなにあった!ESSEonline読者の職場でのいじめ体験談

大人のいじめに関するエピソードでもっとも多かったのが「職場」で起きたことでした。弱い立場の新人は、とくにターゲットにされやすいようです。

●新人に対するいじめ

「新卒就職したての頃の話。新人指導してもらったり、仕事を覚えるために売上をゆずってもらったのをねたみ、ぐちぐち言ってくる人がいました。私がいないところで、つるし上げにも…。知らないままいられたらまだよかったのですが、悪口内容を『~って言ってたよ』とわざわざ報告してくる人もいました」(35歳・Sさん)

「自分が新入社員のとき、前任者が残した仕事があり、それがいろいろなデータを調べないとできない内容のものでした。新人で右も左も分からず、必死でやっていましたが、前任者と仲のよかった上司(女性)に聞いても、冷たくあしらわれ『自分で考えて』と一言。前任者とその上司の方が話しているのを、たまたま私の同期の子が耳にしたそうで、『あの子にやらせておけばいいんだから!』と笑っていたそう…。
人数が少ない部署で、仕事を聞けるのがその上司の方しかおらず、裏ではそんな風に言われていたのかと思うとつらかったです」(29歳・Kさん)

●同じ年齢だけど向こうはベテラン

「新人の私に同じ年齢の勤続15年のベテランさんが、明らかに冷たい態度で接してきました。仕事の内容確認を私にだけしない。私がした仕事のことで聞きたいことがあっても、私ではなく、私の隣にいた人に聞く。伝票を事務所へ持って行くのに、ほかの人には笑顔で回収して、私は無視。ただ、仕事でわからないことを聞くと『それでいいんじゃない?』と適当な答えや、『私もわからないからほかの人に聞いて』という感じでした」(44歳・Sさん)

派遣社員から正社員になったら、ベテランの先輩たちからいじめられたという話も…。

●正社員になったらいじめられた

電話をする女性
ねたみがいじめのきっかけに(※画像はイメージです)

「非正規雇用のメンバー同士、10年近く仲よく働いていました。あるときから正社員登用制度ができ、上司の支えがあって無事に採用されました。すると突然全員から無視されるように。さらに悪い噂を流されたりしました。もう1人採用された方も同じ目に合っていた事を後から知りました。とくに私は1番年齢が若かった事もあり、気に障る人が多かったようです。それまで親しくしていたのでとてもショックでした。出る杭は打たれる、を体感した出来事でした。給料はアップしたけれど、人間不信になりました」(33歳・Kさん)

●自分がされたから同じことをする

「銀行の窓口で派遣社員として働いていたときに、指導員の方がとても怖く、意地悪でした。なにも教えてくれず、『私が新入社員のときはトイレで泣きながら働いていたんだから』と同じ思いをさせようとしている感じでした」(42歳・Kさん)

●ほんの些細なことがきっかけではじまったいじめ

「社会人になりたての頃、同期の男の子が就職してすぐに授かり婚をすることに。結婚式の招待状を返したときに、名前の漢字が間違っていたことを理由に受け取り拒否されました。以降、目も合わさずに無視をされることも」(37歳・Oさん)

「医療事務をやっていたときに、理不尽な理由で次々にターゲットを変えて無視する看護師がいました。今も続いているので、その職場は入れ替わりが激しく、ハローワークの常連。自分がターゲットになったときに、無視する理由を直接聞いたら、理由は、自分が気に入らないお店に私が友達と行ったことでした…」(43歳・Iさん)

●正社員がパートをいじめていた…

「保育園の先生同士のいじめがあります。正社員の先生がパートの先生だけをいじめて追いつめ、辞めさせました」(30歳・Oさん)

上司と部下や、正社員と非正規社員のように、パワーバランスが異なる立場のいじめはパワハラになることもあります。

●お金がからんだり、ものを隠されたり、病気に追い込まれるほどの悪質ないじめ

横顔女性
制服や靴を隠される陰湿ないじめも(※画像はイメージです)

「職場で、制服や靴を隠されたり、シフト表の私の名前を消されたり、嘘のことを陰口で言われたり、お金を騙し取られそうになりました。いじめられていることに気づくのに時間がかかりましたし、心当たりがなかったので、無視をしていましたが、仕事で使うものを盗まれたときには困ったので、引き継ぎノート(皆さんが見るもの)に実名を隠して公表しました」(36歳・Mさん)

「今、職場の課長から、パワハラを受けています。だれも助けてくれません。親睦会費として、毎月強制的に積立てをさせられ、飲み会に使われます。飲み会は夜なので、子どもの都合もあり、一度も出たことがありません。夜は出られない木曜日に狙ったように設定されますが、返金はされません。相談しても、巻き込まれることが嫌なので、だれも味方になってくれません」(48歳・Hさん)

「前職場でのパワハラで夫が鬱の手前の状態になってしまいました。出産で立ち会うときも、土日にもかかわらず繁忙期だから出勤しろ、体調不良で休めば家まで電話があり、1時間以上も延々と出勤しないことへのお叱り。酷いものでした。今は、転職しましたが、転職を決めてからもなかなか辞めさせてもらえず大変でした」(46歳・Iさん)

●マタハラの被害にあったケースも

「職場で若い自分が年上の先輩より先に妊娠したことによるマタハラ。仕事してないと呼び出され延々叱られた挙げ句、辞めろと言われました」(31歳・Mさん)

「妊娠発覚後、同僚から職場でシフトの相談や仕事の内容を共有してもらえなくなり、退職まで続きました。上司に相談しましたが『考えすぎじゃないか?』と相手にされず。家族にも相談し、産休と育休はもらわずに退職することにしました」(33歳・Tさん)

●幸せな会話ができない職場

「以前働いていた職場は新人いじめなどがひどい職場でした。悪口陰口噂話ばかりで毎日疲れました。ここの人は人の幸せが好きじゃないから、ハッピーな話はしない方がいいからね! と優しい先輩に言われ、結婚したら寿退社をすすめられました」(31歳・Kさん)

一定の能力をもって、同じ仕事に専念する職場でさえ、このようないじめが横行している現代社会。経済的な事情はあるかと思いますが、ご自身の心や体を守ることが一番大事。社内で相談できる相手や部署を探したり、つらすぎる場合には戦わず、さっと離脱(転職)する…というのもひとつの手かと思います。