もうすぐ2018年。しがらみから逃れて、心新たに新年をスタートしたいものです。「毎日使うクローゼットこそ、快適な空間にして新しい年を迎えられたら爽快ですよ。クローゼットには、⾒直しどきがあり、それを示すサインが出ているものです。でも、そのサインに気づかない人は多いかもしれません」。こう語るのは思考と空間の整理のプロ、ライフオーガナイザーの森麻紀さんです。見直しどきのサインとは? 森さんに詳しく話を伺いました。

たくさん洋服はあるのに、着る服がない…そう感じたら見直しどきです

クローゼットにずら~っと並んだ洋服を目の前にして、「あ~、着るものがない…」ってつぶやいたことありませんか? クローゼットが憂うつになっているサインです。これがまさに見直しどき。どういうポイントが憂うつな気分にさせているのか、原因を探っていくと、わかりやすいかもしれません。たとえば私の場合をご紹介します。

●着心地・履き心地が悪いと感じたとき

着心地・履き心地が悪い
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肌触りに年々敏感になってきたような気がしている今日この頃…。若い頃は、ちょっとくらい肌触りが悪くても、ちょっとくらい寒くても暑くても、「オシャレはガマン!」と思って着ることができていましたが、いつ頃からか、ガマンするのがつらくなってきました。写真中のいちばん上のタートルネックのセーターは、着ていると首元が苦しくなってくるのです。そこまで首がつまっているタイプでもないにもかかわらずです。チクチクはもちろんのこと、少しでも締めつけ感があると体調も悪くなってきてしまう始末。こういう服は結局着なくなるので、サヨナラします。

●みすぼらしさを感じたとき

みすぼらしさを感じた

気に入って着ていた服ほど、洗濯やクリーニングの回数も増え、生地が傷むのも早いもの。そんな気に入っていたはずの服でも、あるときふと、みすぼらしさを感じる瞬間がやってきます。よくよく見ると毛玉だらけだったり、大事な服だからこそ毛玉を取りすぎて生地が薄くなったり…。長年積み重ねた黄ばみも気になるポイント。白い服はとくに目立ちますよね。いくら気をつけていても、年数が経てば、やはり限界はやってくるものなのです。

●「昔は」似合っていた服が似合わなくなったとき

「昔は」似合っていた服が似合わなくなった

こちらの服はどれも10~15年前に買ったモノばかりです。現在42歳の私ですが、数年前から「なんだか似合ってない…」そんな気がしていました。でも、それをはっきりと認めることはできず、「今日、顔色が悪いからかも?」「髪型が決まってないせいかも?」…そんな言い訳で自分をごまかして着続けていました。30代前半の頃に「似合うね」と人からほめられた服だったので、そのうれしさをずっと引きずったまま着ていたように思います。でも、そういう服って、不思議と少しずつ手に取らなくなるものです。今の自分を認め、前に進むために手放しました。

●体型の変化を受け入れたとき

体型の変化を受け入れた

こちらは、妊娠を機に入らなくなったジーンズ。「やせたら、そのときに気に入った服をまた買えばいい」「やせたときには、昔買った服よりもっと気に入る服が見つかる」という言葉を聞いたことがあると思うのですが、私はこの考えにあまり賛成ではありません。なぜなら、履けなくなったこれらのジーンズより気に⼊るジーンズに、もう何年も出合えてないからです。とても気に入っているうえに、洋服自体の状態も悪くないので、これらを手放すのはなかなか難しいもの。でも、入らない…。
実際私には、これまでも「5年着ていなかったけど、またヘビーローテーションするようになった」という服がありました。だからこそ、サヨナラするのは迷ってしまうのです。あくまでこれは、心の底から気に入っている服であり、お店で今見てもまた買いたいと思えるくらいの服です。
でも結局、少し前にこのジーンズを手放しました。履けなくなってから約8年…。なぜ手放すことができたかというと、体型の変化は、もはや妊娠出産のせいだけではないことにようやく気づいたからです。さらに、やせる努力をしたところで、以前の体型にまで戻れるとは、とうてい思えなくなりました。お気に入りとして手元に置いていたはずの服。その服から「明るい未来を想像できなくなった」ことを機に手放すことにした、というわけです。

このほかにも、どうにも着こなせないまま眠っている服というのもありますよね。この場合、それに似合う服を買ってまで、その服を生かしたいかを考えます。心のどこかで買って後悔している服を持っていても、今の自分を幸せにしてくれることは決してありません。
なんでもかんでも捨てればいいというものでもありませんが、クローゼットを憂うつに感じているのであれば、思いきることも必要かもしれません。