これからの時期、クリスマスケーキをはじめ、みんなでケーキを囲む機会が増えます。ホールケーキは華やかでSNS映えしますが、「きれいに切り分けるのが難しい」という一面も。カットに失敗すれば、せっかくの盛り上がりは半減。何枚も写真におさめたくなるような、きれいなケーキの切り方はあるのでしょうか? 「ケーキは見た目が大事。くずれたり、表面がわれたりするとおいしそうに見えません。きれいに切るには、包丁の準備と動かし方がポイントです」と教えてくれたのは、料理研究家の福田淳子さん。詳しいコツを伺いました。

紅茶とケーキ
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インスタ映え間違いなし! ケーキの断面をきれいに切るワザ

ケーキをきれいに切るときに大切なのは、ケーキと包丁、それぞれの温度。
「冷えていないケーキを切ろうとすると、断面がつぶれがちになります。買ってきたケーキは1時間ほど冷蔵庫で冷やしてから切りましょう。手づくりのケーキも、冷めて落ち着いてから。スポンジの水分が全体になじんでしっとりし、クリームが固まるので切りやすくなります」
ケーキは冷たくするのに対し、包丁は温めてから切ることが大切です。
「包丁が冷たいと、ついた油分が固まり、刃にクリームが絡んで、断面が汚くなる原因になります。刃を温めておけば、コーティングや生地が温まって刃から離れ、くっつきません」
上部を切ったペットボトルや牛乳パックなど背の高い容器に50℃くらいのお湯を入れ、そこに包丁の刃を30秒くらい入れて温めると、ちょうどいい温かさになります。切る前に水気を切るのもお忘れなく。
そして切る際は、包丁を「押して引く、引いて押す」と動かすのがポイントです。
「包丁をケーキに当てたら、一気に垂直に下ろすのではなく、『押す、引く』の前後の動きで層を断ち切るように切りましょう。この切り方なら、底が硬いタルトやロールケーキも怖いものなしですよ。カットするごとに、刃についたクリームをペーパータオルでふき取り、包丁を温めると、最後まできれいに切れます」
包丁は、切り方のコツさえ押さえれば、三徳包丁でも大丈夫だそうです。

ケーキの断面をきれいに切るワザ

ちなみに、写真のように上にイチゴが乗っているケーキの場合、イチゴも一緒に切ろうとするとつぶれるおそれが。そんなときはイチゴを一度すべて外して、カットしたピースにのせ直すのも手です。「全体に薄切りのフルーツをのせたものは、気にせず、そのままカットしても平気です」。
意外と奥の深いケーキカット術の世界。この冬、ぜひ試してみてくださいね。