芸能人の離婚でも話題になりましたが、夫婦や恋人間で、言葉や態度で精神的に相手を傷つける「モラハラ」に苦しむ人が増えています。

 現在、娘と2人暮らしのヨシダテルミーさんも、離婚した元夫からモラハラ被害を受けていました。

 結婚当時の生活や離婚に至る顛末など、深刻なエピソードを、SNSで軽妙に語り、女性たちの支持を集めるテルミーさんに、モラハラ夫の特徴について解説してもらいました。

モラハラの元夫と14年もつき合ったわけは…

 私の元夫は、モラハラ男でした。

 19歳のとき、はじめてできた彼氏と約10年つき合って、28歳で結婚。

 男性不妊が原因の体外受精で30歳で出産。

 そして33歳で離婚。

 今は、5歳の娘と気楽に2人暮らししています。

 今思えば、12年前、つき合って4年目ぐらいからモラハラの片鱗が見えまくっていました。ただ、当時は、モラハラという言葉すら知らず、「感情の起伏がものすごく激しい人だな」と思いつつ従順に言うことを聞いて生活していました。

 もともと自己否定の感情が強かったため、「今、この人と別れたら一生彼氏ができないかもしれない」と、モラハラ彼氏に必死にしがみついていたんです。

 結婚してもモラハラは続き、それどころか、「職場のデスク近くにあるプリンターのインクがくさい」という、目玉が飛び出そうなびっくり理由で突然退職。

 妊娠する少し前~子どもが1歳半になるまでの約3年間、世帯収入は月2万~15万円と、なかなかハードな暮らしでした。

 元夫が「モラハラだった!」とはっきり認識できたのは、離婚してからのこと。

 結婚当時は、彼の異常さにはまったく気がつかず、あとから思い返して「そういえばあれも…」と気づくことばかり。

 そんなエピソードのひとつをご紹介します。

モラハラ夫のシャレにならない冗談。クルマに乗るのも命がけでした

 ふたりで出かけた帰り、私ひとりでコンビニに買い物に行き、元夫にはクルマで待っていてもらいました。

 駐車場で待つクルマのドアを私があけた瞬間、クルマを発進させる元夫。

 走り出したクルマに、スタントマンのように横から飛び乗る私。

 これはわりと日常の風景で、彼は爆笑していましたが、私は毎回必死でした。

 飛び乗らなかったら、ほんとに止まってくれないんだもん!

 走ってクルマを追いかけたことも何度もあります。

 一歩間違えれば大事故になっていたのでは…と、今思い返すとゾッとします。

クルマには毎回飛び乗り!わしゃ、ジャッキー・チェンかい!!
クルマには毎回飛び乗り!わしゃ、ジャッキー・チェンかい!!

 なんでそんなことを許していたの?って思いますよね。

 もちろん私も夫に言いました。「なんでこんな危ないことするの?」って。

 すると、「おもしろいから」と平然と答える元夫。

 普通だったら、怒るか呆れるかすると思います。でも当時は、「おもしろい=かわいい=愛されている」と脳内で謎の変換をしていた私。

 当時は、というか、ついこの前まで、ほのぼのしたじゃれ合いだと思っていたほどです。

モラハラ夫に変貌した原因は…

 こんな風に、元夫と私の間には、完全なる身分の差があり、急に大声でキレたり、DVまがいのことをする彼に、私は完全服従していました。

 そして、離婚した今でも「私が悪かったのではないか」という思いに苦しめられることがあります。

 きちんと自分の意見が言えない私が、彼のモラハラを増幅させて、負の連鎖を生んでいたのではないかと。

 自己評価の低さが災いしてか、「もっといいやり方があったんじゃないか」「元夫があんな風になったのは私のせいなんじゃないか」と…。

 つらかった気持ちがやわらいでいくに従って、自責の思いも強くなっていくような気がします。

 自分の感情を整理するために、当時のことを少しずつ、書き留めていければなと考えています。

【ヨシダテルミーさん】

地方在住の主婦。19歳で初めてつき合った男性と28歳で結婚し、33歳で離婚。現在はワーキングマザーとして、6歳の娘と2人暮らし。インスタグラム

(@teruminoyoshida)

で発信する、モラハラ夫との生活をつづった手書き投稿が注目を集める