暑さが本格化してくるこれからの時季。家の中にものが多いと、それだけで暑苦しさが増してしまいます。ときには潔く手放す、いまあるものを大切に使い続ける…など、ものとのつき合い方を見直して、すっきりした暮らしを実現したいものです。
そこで今回は、少ないものですてきに暮らしているエッセイスト石黒智子さんに、ものを増やさないコツを教えていただきました。
もたない暮らしの秘訣。ひとつのものを使い回したり、代用する
石黒さんのお宅は、すっきりしているなかにも、家族が本当に必要なものが過不足なくある居心地のよい空間です。自分の暮らしをしっかり見つめ、必要なものだけを見極めるようにしているのだそう。
「30代で『いい』と思えたものが、50代でも同じかというと、そうでもない。暮らしに合わないなと思ったら、すっぱり手放すことも大切です」
また「もっていて当たり前」と思っているものこそ、本当に必要かを見つめ直すことも大切、と石黒さん。固定観念にとらわれず、すでにあるもので代用、共有できないか考えることもものを増やさないために効果的です。
つまり、欲しいものがあってもすぐに買うのではなく、すでにあるものの「お下がり」で代用できないか考えます。
●ふきんと食器ふきは、プレースマットのお下がりで代用
すべての画像を見る(全3枚)来客時に使ったコットンのマットは、2回使ったらふきんに下ろします。リネン混の方は、乾きのよさを生かして食器ふきとして再利用。
「真っ白だから漂白もできて、清潔に使えます」
あれこれ買いそろえず、ひとつのものを共有
調理道具などは、さまざまなサイズのものを買うのではなく、ひとつのものを使いまわすことができれば収納の場所もとらず暮らしを圧迫しません。もっていて当たり前と思っていたものが、じつは必要なかったと気づけるかもしれません。
●鍋やフライパンは、サイズを統一して、フタは一つに
石黒家では、鍋のフタは共有。天ぷら鍋の直径28cmに合わせて、ほかの鍋もサイズを統一しています。
「フタがあるだけで、鍋同士もスタッキングできなくなるものね。フタって、考えてみれば何個もいらないもの」
●エプロンは家族で共有。ポケットには手ふきを入れて
エプロンは、家族3人で使えるデザイン&サイズのものを選んでいます。ポケットには、必ずコットンの手ふきを入れるのも決まりです。それだけで、食器ふきで汚れた手をふいてしまったり…などのうっかりを防止できるのだそう。
【石黒智子さん】
神奈川県在住。1980年から雑誌や新聞に、自身の暮らしぶりや生活道具を紹介するエッセイを執筆。ほぼ毎日更新されるサイト「
石黒智子のLife Style」も好評