ランドセルに教科書、文房具、通学帽や体操着…。子どもといえども、学校にまつわるものだけで、持ちものは意外に多いもの。だからこそ子どもが使いやすいようにと考えて、自ら収納場所を整えている母親は多いのではないでしょうか。でも、ちょっと待って。そもそも子どもが自分で片づけられないのなら、その収納方法が子どもに合っていないのかもしれません。なにか解決法はあるのでしょうか?整理収納アドバイザーの甲島慶子さんに、片づけが苦手な子にもできる収納のポイントを伺いました。

片づけやすさを優先に。子どもが片づけやすい収納の仕組みをつくる

・ランドセルの置き場所は、腰の高さがベスト!

ランドセルの置き場所は、腰の高さがベスト!
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 子どもが背負ったり下ろしたりするとき、ランドセルがどの高さに置いてあると、いちばんラクにできると思いますか?それは、子どもの腰の高さです。床に置くよりも、ずっと快適に上げ下ろしができます。

 わが家では約60cmの高さのチェストの上に、ランドセルを寝かせて、そこを定位置にしています。これは2段タイプのカラーボックスとほぼ同じ高さ。小学1年生くらいにとって、ちょうどよい高さになります。

 小学校に入学する年齢といえば、親としては、定位置に片づけることを身につけて欲しいお年頃。子どもにとって置きやすい高さを意識して、収納場所をつくってあげましょう。

・教科書やノートは分け過すぎず、ざっくりとした収納に

教科書やノートは分け過すぎず、ざっくりとした収納に

 マメな母親が子どもにやらせがちなのが、教科ごとに分けて教科書を収納させること。確かに選びやすい収納です。しかし、普段から片づけられない子どもにとっては、とてもハートルが高いのです。なぜなら、分けていく作業にとても手間がかかるから。

 そもそも子どもは、欲しいものはなにがなんでも取り出す傾向があるので、「選びやすさ」よりも「片づけやすさ」を優先するとよいでしょう。わが家では「教科書」「ノートや下敷き」という2つのファイルボックスにざっくり分けて収納させています。

・毎日持っていくものは一歩も動かずに、明日の準備ができるように

毎日持っていくものは一歩も動かずに、明日の準備ができるように

 ハンカチやティッシュ、マスクなど、子どもが毎日学校に持って行くものは、結構あります。気をつけたい収納のポイントは、3つ!

(1)「たまにしか持って行かないもの」とはしっかり区別して、「毎日持って行くもの」だけを集めて収納すること

(2)引き出しの中などはびっしり詰め込みすぎず、ものはややゆとりのある数に絞り、取り出しやすくしておく

(3)最小限の歩数とアクション数(つまり、最小限の手間)で準備が整うことを意識する

 わが家では、ランドセル置き場にしているチェストの引き出しの中にすべてそろえています。

・ランドリーバスケットを子どもが使いやすい位置に

ランドリーバスケットを子どもが使いやすい位置に

 汚れた体操着や給食着など、たくさんの洗濯物を、子どもが自分の部屋から洗濯機のある場所まで持っていくのは、意外と大変なもの。面倒だという気分に子どもがならないように、あらかじめ片づけやすくしてあげましょう。ちなみにわが家は、ランドセル置き場のすぐ脇にランドリーバッグをスタンバイさせています。

 家族が自分で進んで片づけをする収納システムをつくるには、「相手に思いを寄せる」ことが大切です。ランドセルや学用品の収納は、母である自分のためではなく、子どものためですから、親子で相談をして、その子が使いやすい収納方法を探してあげるとよいでしょう。

【取材・文/甲島慶子さん】

整理収納サービスGirasol―ヒラソル―主宰。整理収納コンサルタント。千葉・茨城県内にて整理収納サービスを提供。子どものいる家庭の整理収納を得意とする。夫と小学生の娘2人の4人暮らし

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