春は気候の変動によって気持ちや眠気が上下しがちで、体調管理が難しい時季ですよね。そんなときトライしてみたいのが、さまざまな体の不調を改善してくれるツボ。適切な場所と押し方をマスターすれば、日々の緊急事態に大助かり!日常で「よくあるピンチ」に効くツボを、日本ホリスティックセラピストアカデミー校長の加藤雅俊さんに教わりました。

眠くてたまらない…にいいツボ:合谷(ごうこく)

■こんなときプッシュ:家事が残っているのに強い眠気がとれないとき

やらなきゃいけないことがあるのに眠い…。そんなときは副交感神経が優位になっているので、自律神経を整えるツボ「合谷」を強めに押して交感神経の働きを高め、気分をすっきりさせましょう。

合谷(ごうこく):場所
すべての画像を見る(全8枚)

「合谷」の場所は、手の甲側の人さし指の骨のキワ。手の甲を上にして軽く指を広げ、人さし指の骨をたどっていき、親指の骨と接する手前の位置です。

合谷(ごうこく):押し方

ツボに親指を当て、人さし指の骨のキワに引っかけるように押し上げます。左右同様に行いましょう。強めのイタ気持ちいいタッチが目安です。

 合谷は自律神経を整えるツボで、強めに押せば眠気を覚ます効果が。逆にゆっくり優しく押すと、リラックスします。さらに頭痛、内臓の不調などにも有効で、万能のツボといえるでしょう。

眠くならない…にいいツボ:失眠(しつみん)

■こんなときプッシュ:明日の朝も早いのに寝つきが悪いとき

 快適に眠るためには、血行をよくし、リラックスすることが大切。眠る前にぬるめのお風呂につかり、失眠のツボを押してから夜を迎えれば、不眠の悩みも解消です。「眠りを失ったときによいツボ」という名のとおり、不眠に効果的なツボが「失眠」です。

失眠(しつみん):場所

「失眠」の場所は、かかとの中心で、肉づきが丸く膨らんでいる部分。足が疲れていたり、むくんでいるときに押すと、とくに痛く感じるポイントです。

失眠(しつみん):押し方

押し方は、まず足を反対側の脚の上に置いて安定させます。次に、手の親指をかかとの中心に置き、体全体で体重をかけるようなイメージで押します。強めのイタ気持ちいいタッチで押しましょう。

 血行を促進して快眠に導くほか、足底の痛み、だるさ、むくみなどにも効果が。

イライラが止まらない!…にいいツボ:労宮(ろうきゅう)

■こんなときプッシュ:夫の態度にイライラ。気持ちを鎮めたいとき

夫の態度にイライラ。気持ちを鎮めたい
夫の態度にイライラ。気持ちを鎮めたい

体が疲れていると交感神経優位になり、イライラしがち。自律神経のバランスを整え、落ち着いた気持ちを取り戻しましょう

「労宮」は、自律神経のバランスを安定させ、リラックスに導くツボ。緊張や気持ちの落ち込み、イライラなど、心の疲れからくるさまざまな症状に効くとされています。

場所は、手のひらの中央。中指の骨の下をたどったくぼみの、少し薬指側。骨のキワにあります。

労宮(ろうきゅう):押し方

押し方は、親指をツボに当て、いったん押してから、さらに指先に向かって突き上げるように押します。強めのイタ気持ちいいタッチで、左右同様に押しましょう。

気持ちをポジティブにしたい…にいいツボ:手の三里(てのさんり)

■こんなときプッシュ:いやなことが控えている、気持ちを上向きにしたいとき

 いやなことが控えていると思うと、つい落ち込んだり、悩んだりしがちですよね。「手の三里」のツボ押しで気持ちを前向きにし、やる気や集中力を高めましょう。
「三里」とは、東洋医学で体を整えるという意味。エネルギーの源である消化器系の働きをよくし、不安をやわらげ、精神を安定させてくれます。

手の三里(てのさんり):場所

場所は、ひじの横ジワに人さし指の端を当て、手首方向に指幅3本分の位置の、骨のキワにあります。

手の三里(てのさんり):押し方

親指の腹をツボに当て、骨の内側にもぐらせるようにして押します。左右同様に行って。軽めの気持ちいいタッチで押しましょう。

※ここで紹介しているツボは、病気を治療するためのものではありません。病院での診療をおすすめします。また、妊娠中や妊娠の可能性がある場合、持病がある場合、痛みがある場合などは、事前に医師との相談のうえ、ツボ押しを行ってください