公益財団法人日本対がん協会

によると、子宮のがんで亡くなる人は1990年代半ばまでは減少傾向にありましたが、現在は増加傾向にあるとのこと。2015年のデータでは、子宮のがんで亡くなったのは6429人で2005年よりも1048人増加しているそう。

 がんだけでなく、子宮筋腫や子宮内膜症など婦人科系の病気は女性なら絶えず気にしておきたいもの。でも、「生理の様子がちょっとおかしいな…」と思っても、家事や子育てに追われてつい先送りにしていませんか?“病院に行くほどではない”という自己判断こそが、子宮の病気の早期発見を見逃す原因になってしまうと、医師・医学ジャーナリストの森田先生は警鐘を鳴らします。

ツライ
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子宮がんや筋腫、内膜症etc.小さな変化でも自己判断で放置せず、早めに対処を

「生理に関する不調や悩みは周囲に相談しづらく、体質や加齢のせいにしてしまうケースが少なくありません。でも、生理の変化は婦人科系の病気のサインでもあるため、油断は禁物です。症状は治まったとしても、放っておくと病気が進行し、寿命を縮めたり、生活の質を下げてしまうことになりかねません。症状を注意深く観察し、医療機関を受診するなど早め早めに対処しましょう」(森田先生)。

こんな症状には要注意!

・生理ではないのに少し出血がある

不正出血は

子宮頸(けい)がんや子宮体がん

の初期症状の可能性があるので要注意。近年、晩産化など女性のライフスタイルの変化によって30~40代に急増しています。20歳を過ぎたら2年に1度は子宮がん検診を受けましょう。性交時の出血や、普段と異なるおりものがあるときは検診を待たず、医療機関で検診を受けましょう。

・以前より経血の量が増えた

月経量が多くなるのは、子宮に腫瘍(しゅよう)ができる

子宮筋腫

のサインでもあります。30代以上の女性に多く見られ、経血量以外の症状としては、腰痛、頻尿(ひんにょう)などもあげられます。子宮筋腫そのものは良性の腫瘍なので、生命をおびやかすものではありませんが、放置すると貧血、不妊や流産・早産の原因にもなります。

・生理痛がどんどんひどくなる

生理痛がどんどんひどくなるのは、

子宮内膜症

の代表的な症状。生理痛そのものは程度の差はあるものの、ほとんどの女性が経験します。しかし、子宮内膜症による生理痛は症状が重く、生理のとき以外も下腹部に痛みや違和感を覚えることが。痛み止めを使う回数が増えてきた、あるいは痛み止めを飲んでも効かないという場合は要注意です。

早めに相談

 ほかにも、「寒さからくる冷えだと思っていたら、甲状腺機能低下症だった!」「いつもの頭痛だと思っていたら、脳梗塞だった!」などなど、一般的な体調不良とは異なる重病のサインの見分け方を

ESSE2017年2月号

でご紹介しています。いつまでも健康に楽しく暮らすため、ちょっとでも「おかしいな」と思ったら早めに診断を受けてくださいね。