幸栄です。パン教室「toiro(トイロ)」を主宰しています。初めてパンを焼いたのは、長女の出産から1か月後のこと。あの日から試行錯誤を重ね、今は卵とバターを使わないパンのレシピをつくっています。パンを焼きながら、2人の娘の母としても、楽しみや大変さをたくさん感じる日々。毎日のなかで見つける、ささやかな幸せや楽しみをつづっていこうと思います。


<幸栄のゆらゆらと、つらつらと。日々のささやかな幸せをパンと一緒に。>
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パンづくりが楽しくなるコツをあれこれと

 私はパンづくりを皆さんにお伝えすることを仕事にしていますが、パンづくりといっても、本当にいろいろな方法、考え方があります。どれが正解でどれが間違い、とは思わないのですが、私が「いい」と思うものだけを集めて、レシピをつくっています。

 そんな私の考えるパンづくりのなかで、ちょっとしたことですが、知っておくとうんと楽しくなる、そんなコツをあれこれとお伝えしようと思います。

うんと楽しくなるコツ

微妙な水加減は、手のひらで量る

 まずは、粉と水をまとめて生地をつくるとき。強力粉にもたくさんの銘柄があります。いつも使っているカメリヤの強力粉だとちょうどよくまとまる水加減でも、たまに違う粉を使ってみたら、水の量がたりないようで生地がなかなかまとまらない…なんてことも。そんなとき、計量カップなどを使って水を少しずつ入れると思うのですが、ちょっと入れたつもりが、グラムにすると意外とたくさん入っていたりして、「ああ入れ過ぎてしまった」…ってことも。

手のひらで量る

 そんなときは、手に水を薄くつけて、こねると簡単です。大体1~2gくらいの水が生地に入っていくと思います。具合をみながらやっていくうちに簡単に、確実に生地のいい状態がやってくると思いますよ。これは、パン以外の粉ものレシピにも使えます。

具を混ぜる前に、生地を切り分ける

 そして次は、具材を混ぜ込むとき。具材を均等に混ぜ込むの、けっこう難しいですよね。なかなか苦労する工程のひとつです。そんなときは…生地を潔く10個くらいに切ってください。それをボウルに入れて、具材を入れる。切った生地を軽くこねながらまとめると、自然と具材も均等に混ざってくれます。

具の大きさは、わざとまちまちに

 そしてコツというよりは違いの楽しみ方ですが、具材の切り方を変えてみたりするのも楽しいです。ごろっと大きめに切る、ちょっと小さめに切る。そんなちょっとしたことですが、食べたときの感じ方は変わると思います。逆に、いろいろなドライフルーツやナッツを使うときは、具材の大きさをそろえると、口当たりがよく、味わいも均等に。

具の大きさは、わざとまちまちに

 秋の夜長、食欲の秋。パンづくりを楽しんでみてくださいね。

【幸栄(ゆきえ)】


1979年広島県生まれ。「はな」と「ひな」2人の娘をもつ。モデルとして活躍したのち、長女の出産を機にパンづくりに出合う。ベッカライダブルハウスにて、製造補助をしながらパンについて学び、 2010年から卵とバターを使わないパン教室、

toiro

を始める。 著書に『

「ちょっとのイースト」で作る ベーグルとピザの本 (生活シリーズ)

』(主婦と生活社刊)、『

パウンド型で焼けるおいしい食パン

』(家の光協会刊)、『

あかちゃん、こども、おとなのパン―はじめてのパンづくり

』(アノニマスタジオ刊)などがある。